小児科

自己免疫・アレルギーと小児神経疾患

2010年12月号(51巻 13号)

企 画
定 価 2,700円
(本体2,500円+税)
在庫状況 なし
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特集 特集自己免疫・アレルギーと小児神経疾患
1.自己免疫がかかわる脳炎・脳症
高橋 幸利
2.小児難治性てんかんの自己免疫的背景
本郷 和久
3.溶レン菌感染症に関連した小児自己免疫性神経精神疾患
八谷 靖夫
4.リウマチ性およびその辺縁疾患に伴う神経症状
森 雅亮
5.アトピー性皮膚炎に合併する脊髄炎
吉良 龍太郎
6.多発性硬化症と急性散在性脳脊髄炎
鳥巣 浩幸
7.Guillain-Barre症候群、慢性炎症性脱随性多発ニューロパチー
三井 良之
■目で見る小児科
肛門周囲皮膚の難治性潰瘍を契機に発見されたLangerhans cell histiocytosisの1例
高橋 雄介
■小児医学最近の進歩
脊髄性筋萎縮症up to date3.医学的管理
西尾 久英
■綜説
小児結核診療の最前線−最近の傾向と症例からみた対策の課題−
徳永 修
小児への放射線被ばく対策
宮崎 治
■診療
小児期におけるC型慢性肝炎の治療
角田 知之
■社会小児科学
水平感染による小児B型肝炎とその対策
乾 あやの
■心身医学
心因性喘息
大矢 幸弘
■症例
横紋筋融解症を合併したインフルエンザ菌性髄膜炎の1例
藤木 俊寛
鎌状赤血球と軽症αサラセミアを有する父子例
河上 千尋
■最近の外国業績より
新生児・未熟児
日本医科大学小児科学教室
◇今年も12月号の編集を迎え、2010年も終わりそうになってきています。昨年の今頃は新型インフルエンザ(インフルエンザA/H1N12009)がようやくピークを越え始めた頃でしたが、その後は次第に落ち着きをみせ、いつもの冬シーズンよりも穏やかな状況になりました。しかし振り返ってみればわが国では小児年齢での発病が抜きん出て多く、急性肺炎や急性脳症などの重症例の発生も少なくなく、外来でも病棟でも小児科医はまさにてんてこ舞いの状況でした。しかしそれでもわが国の死亡率は世界最低グループであったことは、小児医療の水準の高さと、それぞれの小児科医の苦労と努力が結実したものでありましょう。

◇さて今回は、「特集」を自己免疫・アレルギーと小児神経疾患として、自己免疫がかかわる脳炎・脳症、小児難治性てんかんの自己免疫的背景、溶レン菌が関与する自己免疫性神経精神疾患、リウマチとその辺縁疾患に伴う神経症状、アトピー性皮膚炎に合併する脊髄炎、多発性硬化症と急性散在性脳脊髄炎、Guillain−Barre 症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーなど、疾患の紹介と自己免疫・アレルギーのかかわりをテーマとしてご寄稿頂いたもので、難病といわれる疾患の背景についての最近の展開を知ることが出来ます。

◇「綜説」には、小児結核と放射線被ばく対策の最近の状況について2編の原稿を頂きました。少なくなっても手を抜いてはいけない感染症の代表が結核です。鑑別診断上は常に結核を思い浮かべ、その予防(BCG接種)が確実に行われていることを確認し続ける必要があることが強く述べられています。また、診療の現場でCTの登場は神経疾患の診断精度を飛躍的に向上させましたが、放射線被ばくも著しく高くなりました。幸い今のところ直接的な影響は出ていないようですが、そのリスクを低減させる努力が続けられていることが述べられています。

◇「目で見る小児科」は、肛門周囲皮膚の難治性潰瘍を契機に診断されたLangerhans cell histiocytosisについて、「症例」には1)横紋筋融解症を合併したインフルエンザ菌性髄膜炎例2)鎌状赤血球と軽症aサラセミアの父子例(父親はアフリカ系民族)の投稿をいただきました。

◇「診療」には小児期C型慢性肝炎の治療、「社会小児科学」には小児B型肝炎の水平感染とその対策、といったウイルス肝炎についての強いメッセージが込められた2編が掲載されています。いずれも、第一線の小児臨床に大きなヒントとなる好論文です。

◇「小児医学最近の進歩」は、脊髄性筋萎縮症up to dateの第三報で、今回は医学的管理の進歩、ことに呼吸管理・栄養管理。整形外科的管理について述べられています。生命的予後が次第によくなってきている一方、QOLの向上も欠かせない点であり、この点についてもまた改めて触れていただける機会があると思います。

◇年の瀬を迎えあわただしく、また診療も多忙となりますが、一時、本誌に目を通していただければ幸いです。

(岡部信彦)