小児科

小児の打撲外傷における画像診断

2010年05月号(51巻 06号)

企 画
定 価 2,700円
(本体2,500円+税)
在庫状況 なし
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特集 小児の打撲外傷における画像診断−見落としをなくすポイント−
1.頭部外傷における画像診断
伊藤 千秋
2.頸椎外傷の画像診断
小西 定彦
3.頸部外傷の画像診断:食道損傷・穿孔、咽頭・喉頭・気管損傷、頸部血管損傷
鈴木 賢二
4.胸部外傷の画像診断
西山 和孝
5.腹部外傷の画像診断:肝・脾・腎・膵損傷、消化管損傷
高橋 翼
■目で見る小児科
スイングチェアーにより発症したshaken baby syndomeの3カ月女児
久松 聖人
■綜説
麻疹風疹混合ワクチンの接種の状況
山本 久美
憂慮される耐性菌の増加と小児科領域の抗菌薬使用ガイドライン
尾内 一信
胎児・乳幼児期の栄養環境と生活習慣病
内山 聖
■診療
小児用肺炎球菌ワクチン
中野 貴司
新生児・小児の気管・気管支軟化症
長谷川 久弥
新規抗てんかん薬による薬疹
藤山 幹子
Pompe病の酵素補充療法
福田 冬季子
幼児・学童へのHelicobacter pylori感染症の病態と治療
加藤 晴一
■社会小児科学
保育所における感染症サーベイランスの重要性
和田 紀之
■症例
長期経管栄養管理中に発症した巨赤芽球性貧血の1例
鈴木 由芽
Viridans streptococcal shock syndromeを合併した慢性活動性EBウイルス感染症の1例
栂 暁子
■最近の外国業績より
血液
日本医科大学小児科学教室
◇「さっき、頭をぶつけたんですけど、大丈夫でしょうか」「サッカーをしていて友だちとぶつかったあと、胸を痛がっているんですけど、大丈夫でしょうか」−子どもの日常生活に「けがはつきもの」といわれるくらいですから、小児科医であれば誰しも、こうした相談を受けたことがあるでしょう。それらの多くは、本人や家族の心配に応えることで済むような軽傷例です。ところが、プライマリ・ケアを担当している小児科医は、思いがけず重傷例に遭遇するこ
ともありえます。このとき、的確な画像検査法の選択は、診断の鍵となります。

◇今月号の特集では、身体各部位の打撲外傷の特徴や受傷機転、画像診断の進めかたについて、小児の特殊性をふまえたうえで、幅広く解説していただきました。各専門診療科の先生がたにとっては常識の範囲内かもしれませんが、小児科医の耳目をひくポイントが散りばめられています。たとえば、頸椎損傷を疑う場合には、頸椎単純X 線を3方向で撮影すること、すなわち歯突起の位置を評価するために開口位を撮影すべきこと、腹部外傷で消化管の損傷が疑われる場合には、1回の造影CT検査で遊離ガス像が認められないからといって消化管穿孔は否定できないため、12〜24時間後に再検査すべきこと、などです。このような打撲外傷における診療上のポイントを心に留めておけば、外傷の患者さんに出会ったときに役立つことでしょう。

◇さて、小児対象のワクチンとして、ヘモフィルスb型ワクチンに続き、2価ヒトパピローマウイルスワクチン、7価肺炎球菌ワクチンが発売されました。ワクチンの種類が増えたうえに、それぞれ接種時期、回数が異なることから、小児の予防接種スケジュールはますます複雑になってきました。小児用の治療薬もまた、新たなものが登場しています。抗菌薬ではカルバペネム系のテビペネムピボキシル、ニューキノロン系のトスフロキサシン、抗てんかん薬のトピラマート、ラモトリギン、静注用フェノバルビタールナトリウム、あるいはPompe病治療薬(アルグルコシダーゼアルファ)などがそうです。新規薬剤は、既存の薬剤と置き換わるものであったり、使い分けていくものであったりします。診療ガイドラインも、新規薬剤の登場とともにその内容が改訂されていきます。小児用の治療薬すべてに精通することは困難ですが、せめて小児科医自身が患者さんに投与する薬剤については最新情報を手に入れるよう努めたいものです。

(高橋孝雄)