小児科

小児炎症性腸疾患に対する治療の話題

2010年01月号(51巻 01号)

企 画
定 価 2,700円
(本体2,500円+税)
在庫状況 なし
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特集 小児炎症性腸疾患に対する治療の話題
炎症性腸疾患の新しい治療
新井 勝大
小児潰瘍性大腸炎の治療指針
友政 剛
小児Crohn病の治療指針
今野 武津子
小児炎症性腸疾患に対する外科治療の適応と問題点
根津 理一郎
小児炎症性腸疾患の栄養管理の問題点
田中 宏明
■目で見る小児科
一過性脳梁膨大部病変を認めた新型インフルエンザ(H1N1)脳症
植田 恵介
■綜説
滲出性中耳炎の臨床
荻原 仁美
小児における自由行動下血圧モニタリング
本間 哲
注意欠陥多動性障害と衝動性眼球運動
後藤 裕介
■診療
「大人ごっこ」による行動改善
小沢 浩
抗てんかん薬と先天奇形
和田 一丸
肺循環の制御を目的とした先天性心疾患に対するガス吸入療法
朴 仁三
■社会小児科学
聞こえない赤ちゃんの育児について
岡本 みどり
■卒前・卒後教育
小児科外来研修でのロールプレイ
和田 浩
■症例
Austrian症候群の乳児例
土岐 真智子
胸部CTが確定診断に有用だった原発性肺膿瘍の10ヵ月乳児例
中嶋 滋記
■最近の外国業績より
循環器
日本医科大学小児科学教室
◇今月の特集は「小児炎症性腸疾患に対する治療の話題」です。炎症性腸疾患(IBD)は、年々増加傾向にあり、現在の国内登録患者は成人を含め10万人以上です。小児期発症も増加の一途にあり、成人に比べ重症化する傾向が強く、慢性炎症やステロイドによる成長障害など小児期特有の問題も抱えています。近年、免疫調整薬や生物学的製剤により患者の予後も大きく変わりつつありますが、いまだに根本的な治療法は確立されていません。小児IBDの患者を診ておられる先生方の多くが治療法の選択に悩まれておられると思います。

◇今回は、新しい治療法、潰瘍性大腸炎とCrohn病の治療指針、外科治療、栄養管理という5つのテーマを選ばせて頂きました。それぞれのテーマで執筆をお願いしました先生方は、実際に多くのIBD患児と向き合い治療をしておられ、具体的でわかりやすい解説をして頂けたと思います。

◇新井先生には、期待されている生物学的製剤について解説していただきました。小児の治療にも使用されているインフリキシマブの効果や安全性、今後使用されるであろうアダリムマブの展望などをご紹介いただきました。友政先生には、最新の「小児潰瘍性大腸炎の治療指針案」を基に治療目標や、小児における治療の注意点を明確にして解説していただきました。また、社会的、精神的な側面のサポートについて具体的な例を挙げてまとめていただきました。今野先生は、日本発の治療法とも言える栄養療法を以前から推奨されており、近年欧米でもその寛解維持効果が見直されてきています。今回、自験例を元に小児Crohn病の診断や治療の難しさを示していただき、「小児Crohn病の治療指針案」を基に解説していただきました。根津先生には、治療上一番困る外科的介入のタイミングやIBD特有の術後合併症などを解説していただきました。田中先生には、栄養管理についてIBDに対する注意点を簡潔に述べ、かつ実践的にまとめていただきました。IBDに限らず小児科疾患全般において、中心静脈栄養、経腸栄養を行う際にたいへん参考になる内容になっています。

◇今後、増加が予想されるIBDの子どもたちのために治療法はもちろん、さらに飲みやすい経口栄養剤の開発にも期待したいと思います。

(高橋孝雄)