小児科

小児血液疾患最近の知見

2010年07月号(51巻 08号)

企 画
定 価 2,700円
(本体2,500円+税)
在庫状況 なし
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特集 小児血液疾患最近の知見
1.再生不良性貧血
小島 勢二
2.好中球減少症
溝口 洋子
3.特発性血小板減少性紫斑病
白幡 聡
4.血友病
長江 千愛
5.von Willebrand病
柴田 優
6.小児白血病
真部 淳
■目で見る小児科
ドンペリドン坐剤によりlingual dystoniaを呈したと考えられる乳児例
佐藤 工
■綜説
小児膠原病と肺動脈性高血圧
佐地 勉
■診療
小児炎症性腸疾患の診断のポイント
米沢 俊一
小児におけるアデノイド切除術・口蓋扁桃摘出術の適応疾患とその予後
仲野 敦子
小児B型肝炎の感染予防と最近の治療法
高野 智子
小児の深頸部感染症
阪本 浩一
■社会小児科学
一般病院小児科における外来リハビリテーション
森田 昌男
■卒前・卒後教育
大学医学部での母乳教育の現状と今後の課題
荒堀 仁美
■症例
けいれん重積に抗菌薬内服によるカルニチン欠乏の関与が疑われた1例
花山 隆三
ジェネリック医薬品の副成分にアレルギー反応を呈したと考えられた2歳男児例
秋谷 進
■最近の外国業績より
感染症
日本医科大学小児科学教室
◇新型インフルエンザ(パンデミックH1N12009)発生からおよそ1年。昨年の今頃は、関西方面の地域的流行は一時おさまったものの今度は全国的に拡大が始まり、国内外の情報に耳を澄ませながら対応に取り組んでいた頃でした。現在静かな様子の新型インフルエンザですが、散発的な集団感染がB型インフルエンザとともに各地で見られており、その動向には注意が必要です。一方、腸管出血性大腸菌感染症、A型肝炎、年長者の百日咳、EV71による手足口病などは例年を上回る、あるいは上回りそうな状況で、インフルエンザが減少すると、一方では他の感染症が目立ってくるようです。

◇さて今回は、再生不良性貧血、好中球減少症、特発性血小板減少性紫斑病、血友病、von Willebrand病、小児白血病などについて、「小児血液疾患最近の知見」として特集を組むことが出来ました。日常診療の中、自身で治療にまで踏み込むことはまれでも、鑑別診断上は常に注意を払わなくてはいけない代表が血液疾患であることは言うまでもなく、病棟担当であってもプライマリケア担当であっても、その最新の知見に接しておく必要があると思います。

◇綜説には、佐地勉・監物靖先生から、MCTD、JSS、SLEなどの小児膠原病を診る際に注意を払わなくてはいけない肺動脈性肺高血圧症について、原稿を頂きました。原病の治療が根幹であることはもちろんですが、併せて肺血管拡張薬の使用開始、血管壁細胞増殖抑制薬・アポトーシス促進作用薬使用の重要性などについて触れられています。

◇「目で見る小児科」には、制吐剤使用時に注意すべき副作用としての錐体外路症状について、「症例」には1) 広域抗菌薬の服薬に伴って出現したと考えられるカルニチン欠乏・低血糖によるけいれん重積例、2) ジェネリック医薬品の副成分による全身性のアレルギー反応例など、使用頻度の高い薬物について注意すべき副作用に関する貴重な報告をまとめました。「診療」には、アデノイド切除術・口蓋扁桃摘出術の適応疾患、HB感染予防と最近の治療、潰瘍性大腸炎・Crohn病などの炎症性腸疾患の診断、深頸部感染症など、第一線の小児臨床に大きなヒントとなる好論文が掲載されています。

◇また地域の一般病院小児科における外来リハビリテーションの取り組みの紹介(社会小児科学)、大学医学部での母乳教育の現状など医学教育における課題(卒前・卒後教育)なども、大変興味深い論文です。新型インフルエンザがなくとも多忙な小児科の診療ですが、その合間に今月も本誌にお目通し頂ければ幸いです。

(岡部信彦)