小児科

小児の打撲に対する初期対応のポイント

2010年03月号(51巻 03号)

企 画
定 価 2,700円
(本体2,500円+税)
在庫状況 なし
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小児の打撲に対する初期対応のポイント
1.小児打撲の特徴と初期対応
森野 正明
2.頭部・顔面の打撲:脳外科の立場から
荒木 尚
3.頭部・顔面の打撲:眼科の立場から
八子 恵子
4.頭部・顔面の打撲:耳鼻科の立場から
工藤 典代
5.頭部・顔面の打撲:歯科の立場から
河上 智美
6.頭部・頸部の打撲:整形外科の立場から
日下部 虎夫
7.胸部の打撲
阿部 勝
8.腹部・臀部の打撲
高見澤 滋
9.肩関節・四肢の打撲−上肢の軽度外傷を中心に−
富沢 仙一
■目で見る小児科
著明な皮下石灰化部位に蜂窩織炎を反復する若年性皮膚筋炎の1例
浅井 牧子
■小児医学最近の進歩
若年性サルコイドーシスとBlau症候群
岡藤 郁夫
■綜説
小児科医のための体外補助循環の基礎
大崎 真樹
小児における肺炎球菌感染症の将来−ペニシリン感受性基準の変更による治療への影響と新しい乳幼児に対するワクチン−
齋藤 昭彦
■診療
高アンモニア血症と門脈異常
山本 裕輝
小児における眼疾患への対応
平岡 美依奈
アレルゲンの交叉反応−花粉症と食物抗原−
朝倉 光司
■症例
ヒトパレコウイルス3型感染により無呼吸をきたした乳児3例
楡井 淳
■最近の外国業績より
境界領域
日本医科大学小児科学教室
◇わが国における新型インフルエンザ(パンデミックH1N1 2009)は、昨年の5月にその姿が明らかとなりましたが、地域的流行として一時おさまりました。しかしその後6月中旬より全国的に拡大し始め、2学期開始あたりから季節性インフルエンザのような流行状況となり、やがて12月に入り下降にむかいました。患者発生、入院数ともに小児年齢が中心であり、ワクチン接種と相まってまさに小児科医がもっともその影響を受けたといえます。世界各国に比し、当初の発生が小規模で一時におさまったかのようになったこと、小児ことに小学校低学年での入院が多かったこと、妊婦の入院の少なかったこと、そして人口あたりの死亡者数が著しく低かったことなど、国際会議などでは日本の様相に多数の質問が寄せられています。いろいろな要素はありますが、わが国の小児医療の平均的レベルの高さと個々の小児科医の努力の集積、一般の方々の関心の高さが数字となって現れてきたのではないかと思っています。一方では多くの問題点、課題も明らかになってきました。「喉元過ぎても熱さを忘れないよう」今後も、パンデミック対策(インフルエンザ対策)に取り組んでいく必要があろうかと思います。

◇さて今回は、「小児の打撲に対する初期対応のポイント」として、各領域の専門の先生方に執筆していただき特集を組むことができました。森野正明先生には「小児打撲の特徴と初期対応」として、けがをした子どもを診るにあたってのポイント、小児打撲を予防医学の観点から捉えて働きかけるべきであるとの提言など、的確に述べていただいており、まず本号における必読の項目です。続いて受傷部位あるいは診療科別に各分野の先生方に各論として述べていた
だいております。多くの先生方が、小児の打撲を診た時には虐待を忘れないようにと述べておられるのは、現在の社会状況が残念ながら反映されているところです。

◇特集の他にも、目で見る小児科(皮下石灰化部位での反復する蜂窩織炎―若年性皮膚筋炎)、小児医学最近の進歩(若年性サルコイドーシスとBlau症候群―その遺伝子型の解析)、綜説(ECMOの基礎、肺炎球菌感染症の治療と予防の新たな展開)、診療(高アンモニア血症と門脈異常、小児眼疾患、花粉症と食物抗原の交叉反応)、症例(新たなウイルス―パレコウイルス感染乳児例)など、第一線の小児臨床に大きなヒントとなり、また小児医学の魅力を得ることが出来る好論文が掲載されています。

◇新型インフルエンザの流行レベルは下火になりましたが、この先の動向はまだ不透明な要素が多々あります。中国からは、B型インフルエンザの流行が新型インフルエンザH1N1を上回りそうな状況が伝えられています。インフルエンザも来れば打撲も来る、という多忙な小児科の診療ですが、その合間に今月も本誌にお目通しいただければ幸いです。

(岡部信彦)