小児科

乳幼児健診

2010年10月増大号(51巻 11号)

企 画
定 価 4,752円
(本体4,400円+税)
在庫状況 なし
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特集 乳幼児健診
乳幼児健診の意義と最近の動向
衛藤 隆
乳幼児健診・時期別における診察の留意点とよくある相談への対応
1カ月の頃
三石 知左子
3〜4カ月の頃
長 佳美
6〜7カ月の頃
木村 直子
9〜10カ月の頃
雨宮 馨
1歳の頃
小出 彩香
1歳6カ月の頃
冨田 直
3歳の頃
早川 宜佑
5歳の頃
下泉 秀夫
早産・低出生体重児の乳幼児健診
島 義雄
食育と保育に関して
母乳育児
清水 俊明
「授乳・離乳の支援ガイド」について
堤 ちはる
離乳食
水野 克己
幼児期の栄養と食生活について
児玉 浩子
食物アレルギーへの対応
今井 孝成
予防接種の受け方
渡辺 博
乳幼児の傷害と安全教育
山中 龍宏
病児・病後児保育の現状
稲見 誠
乳幼児のcommon disease
田原 卓浩
発育・発達に関する問題
幼児期の発育不良
松岡 尚史
幼児期の低身長
北中 幸子
幼児期の肥満
井ノ口 美香子
乳児・幼児早期における発達遅滞について
後藤 知英
幼児後期における発達・行動異常について
秋山 千枝子
よくある相談:専門医からのアドバイス
股関節の診かた
二見 徹
心雑音の診かた、聴きかた
山村 英司
泌尿器の診かた
白柳 慶之
眼の診かた
横山 利幸
耳鼻の診かた
工藤 典代
母子健康手帳の任意記載様式の改定について
小林 美智子
乳幼児健診と地域連携
柿沼 宏明
■目で見る小児科
流行性耳下腺炎の経過中に著明な前胸部腫脹を認めた1例
白数 明彦
■小児医学最近の進歩
脊髄性筋萎縮症up to date1. 遺伝子診断
西尾 久英
■綜説
アレルギー疾患における性差を考える
竹田 正秀
■診療
小児気管支喘息治療におけるコントロールテストの使い方
西牟田 敏之
■プライマリケア
小児蘇生法の基礎とポイント
永野 達也
■オピニオン
2012年麻疹排除に向けて−SSPE青空の会からのメッセージ−
畑 秀二
■症例
壊死性血管炎所見を呈した溶レン菌とヒトパルボウイルスB19の重複感染による反応性関節炎の1例
小林 光郎
ALPL遺伝子1559delTホモ接合体変異を認めた周産期型低ホスファターゼ症の1例
齋藤 恭子
■最近の外国業績より
神経
日本医科大学小児科学教室
◇乳幼児健診はまさに伝統と革新の融合したものだと感じた。乳幼児健診における問診・診察のチェックポイントや、発達の里程標、原始反射や姿勢反射の診察、粗大運動や微細運動に係る神経学的な診察法は、変わることのない小児科の基本である。よくある相談や質問に対する回答は、長きにわたる乳幼児健診の経験のなかで磨かれてきたものといえるだろう。

◇一方で、医学・医療の進歩や、時代の流れ、社会の要請などに応じて、乳幼児健診で扱うべき内容は変わりつつある。たとえば、健診の際に、親の育児不安や抑うつ気分の有無をたずね、育児支援に結びつける取り組みがなされている。健診を利用した育児支援は、子ども虐待やネグレクトの予防につながるとも考えられている。また、一部の地域で始められている5歳児発達健診は、子どもの社会性の問題に早く気づき、療育や相談につなげ、就学後の学校不適応を予防する目的で行われる。

◇乳幼児健診の際に、医療者が行うべきガイダンスの内容も変化しつつある。栄養に関連することでは、母乳育児の推進や、「授乳・離乳の支援ガイド」に基づく授乳や離乳食の指導、「食事バランスガイド」に基づく栄養指導などが挙げられる。とくに食物アレルギーをもつ乳幼児では、適切な食物の除去と、それを補う栄養指導が求められる。予防の観点からは、ヘモフィルスb型ワクチンや小児用7価肺炎球菌ワクチンなど、接種機会の増えたワクチンについての案内や、発達段階に応じて起こりやすい傷害や事故の予防に関するガイダンスも重要である。24時間娯楽を求めることのできるこの時代には、テレビやDVD、ゲームなどスクリーン・メディアとのつきあいかたも、乳幼児健診における話題のひとつになるだろう。

◇このように、乳幼児健診には伝統と革新の要素が織り交ぜられていることを感じながら、本特集を楽しみ、日常の臨床に活かしていただければ幸いである。

◇さらに、小児医学・医療の進歩に直結する4つの総説はそれぞれ、SMN1遺伝子異常に基づく脊髄性筋萎縮症の遺伝子診断、アレルギー疾患の性差とそのメカニズム、気管支喘息の治療管理における調査票の利用、小児の一次・二次救命処置に関する最新情報を提供している。最後に、SSPEの患者と家族の会から寄せられた、SSPEの認知と麻疹排除への切実なメッセージを真摯に受け止めたい。

(高橋孝雄)