臨床放射線

救急IVR手技詳説 with WEB 動画

2018年11月臨時増刊号(63巻 12号)

企 画
定 価 9,350円
(本体8,500円+税)
在庫状況 あり
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救急IVR手技詳説 with WEB動画
■総論編
<救急IVR>
我が国における救急IVRの現状と今後
田島 廣之
救急IVRの選択、術前検討、時間の概念
一ノ瀬 嘉明
IVRの診療体制
近藤 浩史
<リスクマネジメント>
IVRに関するガイドラインの概要
山上 卓士
造影剤の副作用と発症時の対応
川俣 博志
放射線被曝とその防護
赤羽 正章
<装置>
各社の血管造影装置
Philips社製装置の特徴
宮山 士朗
シーメンスヘルスケア社製装置の特徴
福田 哲也
キヤノンメディカルシステムズ社製装置の特徴
穴井 洋
ハイブリッドER
濱本 耕平
■手技詳説編[血管IVR] with WEB 動画
<頭頸部>
鼻出血・顔面出血
田上 秀一
外傷性内頸動脈海綿静脈洞瘻
井手 里美
急性期脳梗塞
田上 秀一
破裂脳動脈瘤の塞栓術
清末 一路
破裂解離性椎骨動脈瘤
高山 勝年
<胸部>
外傷性肺動脈損傷
前島 克哉
肋間動脈損傷
樫見 文枝
胸部大動脈損傷
山口 雅人
喀血
下平 政史
急性肺血栓塞栓症
中澤 賢
大動脈解離
本郷 哲央
大動脈瘤破裂
小川 普久
<腹部>
肝損傷
村田 智
膵損傷
森本 公平
腎損傷
中村 仁康
腸間膜損傷
一ノ瀬 嘉明
骨盤骨折
丸橋 孝昭
上部消化管出血
亀井 誠二
下部消化管出血
小金丸 雅道
腹部大動脈瘤破裂
池田 理
SAM(segmental arterial mediolysis)
下平 政史
大動脈消化管瘻
岩越 真一
胃静脈瘤
加古 泰一
直腸静脈瘤
丸野 美由希
十二指腸静脈瘤
山本 真由
後腹膜出血
森田 賢
原発性肝細胞癌破裂
横山 太郎
急性上腸間膜動脈塞栓症
稲垣 真裕
急性膵炎による出血
森田 賢
非閉塞性腸間膜虚血
ウッドハムス 玲子
腎血管筋脂肪腫出血
作原 祐介
腎動静脈奇形
井上 政則
産科出血
我那覇 文清
<四肢、その他>
REBOA(resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta)
松村 洋輔
持続性陰茎勃起症
牛尾 貴輔
急性下肢動脈閉塞症
川崎 竜太
血管内異物除去
小泉 淳
神経線維腫症1型
帖佐 啓吾
経カテーテル動脈塞栓術における自動ナビゲーションソフト
棚橋 裕吉
■手技詳説編[非血管IVR] with WEB 動画
<胸部>
心嚢ドレナージ
船曳 知弘
膿胸ドレナージ
上原 浩文
気管・気管支狭窄
菅原 俊祐
降下性壊死性縦隔炎
荒井 保典
<腹部>
急性胆嚢炎、胆管炎
長谷川 貴章
閉塞性黄疸
中塚 誠之
経皮的膵嚢胞ドレナージ
山本 真由
膵仮性嚢胞に対する超音波内視鏡ガイド下膵嚢胞ドレナージ術
馬淵 正敏
輸入脚閉塞
佐藤 洋造
膿瘍ドレナージ(肝、腹腔内、骨盤内)
保本 卓
尿路閉塞、水腎症
村田 慎一
<画像ガイド下穿刺>
CTガイド下穿刺
平木 隆夫
超音波ガイド下穿刺
祖父江 慶太郎
IVRにおける仮想透視画像の活用
一ノ瀬 嘉明
企画にあたり

 IVR(interventional radiology)技術は、低侵襲治療の代表として今や一般臨床の現場に広く普及しています。装置、器具や薬剤の開発や適応拡大などにより、IVR適応となる対象や需要は増加の一途をたどるばかりです。肝細胞癌TACE(transcatheter arterial chemoembolization)などの特定の手技に精通することも大事ですが、IVR技術の実践や応用には、他臓器や関連分野の進歩など常に広い視野を持つことが不可欠です。今回は、救急IVRをする上で必要な全身の多臓器の病態への応用に関する情報のみならず、診療体制や装置・デバイスをはじめとする総合的な知識を提供することを目的として本臨時増刊号を企画しました。
 世界で最初の血管造影はレントゲンがX線を発見した1895年の翌年(実際にはわずか4週間後)にHaschekらによって切断手指を対象に撮像されています。しかし、直接穿刺による血管造影は重篤な合併症が多く、手技も煩雑でした。そのため血管造影の発展は1953 年に確立された、ガイドワイヤーを用いて動脈へ安全にカテーテルを導入するSeldinger法を待たねばなりませんでした。そして治療への応用は、さらに下って1964年のDotterらによる血管閉塞の再疎通が幕開けとされています。IVRという専門用語は、1967年にMargulisらがAJR(American Journal of Roentgenolog)誌に発表した閉塞胆道Tチューブの透視下再開通の論文に初めて登場しました。動注化学療法は1941年にRSNA(Radiological Society of North America)でFarinasがアイデアを発表したことが端緒となっていますが、我が国のIVRはこれの応用である肝細胞癌の塞栓術を中心に発展しました。基本的な技術や知識は共通するものがありながらも、IVR技術の対象となる疾患や具体的な方法については、それぞれ匙加減やコツが欠かせません。それらの微妙な差異を一覧できる機会があれば、術者の日常臨床に役に立つと思います。
 我々医療者は、患者にとって負担の少ない最適な治療を安全に提供できるように努力する必要があります。そのために現時点での手技のまとめをし、今後の発展につなげたいと思います。本臨時増刊号がIVRの現状の理解や将来を考える契機となれば幸いです。

2018年11月
帝京大学医学部 放射線科学講座 近藤 浩史/小野澤 志郎
『臨床放射線』編集委員会