臨床放射線

頸動脈のプラーク・イメージング

2010年10月号(55巻 10号)

企 画
定 価 2,592円
(本体2,400円+税)
在庫状況 なし
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特集 頸動脈のプラーク・イメージング
はじめに
渡邊 祐司
頸動脈のMRイメージング−奈良県立医科大学、UCSFでの経験−
坂本 雅彦
MRIを用いたプラークイメージング
大田 英揮
頸動脈エコーと血中バイオマーカーによる頸動脈プラークへのアプローチ
杉岡 憲一
頸動脈内膜剥離術に対する危険因子と頸動脈狭窄病変の病理組織学的特徴
羽尾 裕之
頸動脈ステント留置術(CAS)の手技について
高山 勝年
頸動脈プラークのMRI−T1強調像の有用性を中心に−
山田 直明
■総説
形態学とは何か−原型とメタモルフォーシス−
岩田 誠
脳腫瘍分類−新しい腫瘍概念について−
廣瀬 隆則
■診療
胃MALTリンパ腫の画像所見
廣瀬 靖光
微粉末状Cisplatin製剤(アイエーコールR)を用いた肝リザーバー動注化学療法の投与法の差異による血中濃度変化
野見山 弘行
■症例
炭酸ランタン水和物であるホスレノールチュアブル錠をボタン電池と誤認した1例
杉原 史恵
膀胱に穿破した虫垂粘液嚢胞腺腫の1例
矢田 晋作
Gd-EBO-DTPAの肝細胞造影相4時間後にて肝細胞癌と評価しえた肝腫瘍の1例
石塚 恵未
脾炎症性偽腫瘍の1例
後藤 晃紀
■シンチレーション
日本神経放射線学会の生い立ちと中断−忘れられた10年の歴史−
吉井 信夫
■連載
今月の症例
小山 雅司
インターネット入門(175)
長嶌 宏和
井の頭だより(38)
多田 信平
◇近年の画像診断の進歩は大きく2つの方向に向いているように思われます。ひとつは空間分解能、時間分解能、感度をきわめることで、現に存在する病変をより詳細に評価する、あるいはより早期の小病変を検出しようとするものです。もうひとつは将来重大なイベントを起こす可能性の高い病変を事前に発見する、あるいは疾患の発症よりもはるかに前の(上流に位置する)変化を画像でとらえる発症前診断の試みです。後者は未来予測型画像診断であるとも言え、今回の特集で企画されているプラークイメージングはその代表です。"もしも自分の未来が予測できたらどうなってしまうのか?"というような少し恐ろしい問題を考えながら秋の夜長を過ごすのも一興かもしれません。

◇最近ビジネスマンの間で"パーソナルブランド"という言葉が流行っているようです。これはその人が独自にもつ他の人にはない能力や知識のことです。例えばある会社で、国際法の知識ではAさんの右に出る者はいないとか減価償却の計算法についてはBさんに聞けばいいといったような場合で、集団のなかでその人に固有の分野と言えるものです。わたしの知人で刑事訴訟法の著名な研究者がいますが、企業からのコンサルトなどの依頼が見込まれる民事訴訟法の研究者に比べて刑事訴訟法の研究者がきわめて少ないために専門家としての地位を確立しやすいようです。いわばパーソナルブランドです。もしこの文章を読まれている若い放射線科医で将来自分の専門領域を何にしようか悩んでいる方がおられるようであれば、単に今注目されている分野・モダリティだからという理由のみで専門を選ぶのではなく、パーソナルブランドを築くという考え方も選択において重要な尺度になりうると思います。放射線医学という大海のなかで自分の航路を見失わないために、自分のアイデンティティをしっかり構築するために広い観点をもってキャリアを設計されることを望みます。

橋本 順