臨床放射線

粒子線治療と高精度X線照射−cost-benefitからみた真の適応−

2010年07月号(55巻 07号)

企 画
定 価 2,592円
(本体2,400円+税)
在庫状況 なし
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特集 粒子線治療と高精度X線照射−cost-benefitからみた真の適応−
はじめに
白土 博樹
陽子線治療実績から得た物理照射パラメータの傾向と装置スペック
西尾 禎治
高精度X線外部照射時代のX腺と粒子線の適応の切り分け
溝脇 尚志
民間病院における陽子線治療施設の役割について
不破 信和
炭素線治療の適応
鎌田 正
粒子線治療の社会経済評価に関する考察−前立腺癌を中心に−
川渕 孝一
■診療
低髄圧症候群におけるRI脳槽シンチグラフィを用いた髄液腔内RI残存率定量評価の有用性
長町 茂樹
高齢者乳癌に対する増感放射線療法KORTUCIIによるマンモグラフィ所見の変化
都築 明
乳癌に対する増感放射線療法KORTUC?を用いた非手術乳房温存療法の治療効果のMRIによる評価
八百川 心
FIGO病期分類Ib期の子宮頸癌に対する根治的放射線治療成績
新部 譲
Skin-promontory distanceは子宮頸癌外部骨盤照射において前後左右4門照射法により小腸線量がよく軽減される症例を検出するための指標となる
尾池 貴洋
■症例
右上顎洞内を占拠した歯原性粘液線維腫の1例
飯野 有美
腎オンコサイトーマの1例
本田 理
MRIでPeritoneal inclusion cystの長期経過を追った1例
加藤 里枝子
Stage I, IIAの直腸癌に対してS-1併用の放射線治療を施行しpCRを得られた2例
浅井 真友美
■技術
患者さんに安心して放射線治療を受けて頂くための一つの試み−DVD一体型プロジェクタを用いたリニアックシアター−
伊藤 哲
■短報
膀胱憩室穿孔による腹膜炎の1例
清水 洋
■連載
今月の症例
平井 徹良
治療談話会記録
吉田 大作
インターネット入門(172)
長嶌 宏和
井の頭だより(35)
多田 信平
◇テストマッチで4連敗を喫し、サッカーワールドカップ本戦での成績が危ぶまれていた日本が、この後記を書いている時点で、みごとに予選を突破し、決勝トーナメントでの活躍が期待される状況となっています。読者諸兄の中には夜中のサッカー観戦で翌日眠たかった方が少なくないのではないでしょうか。スポーツは筋書きのないドラマですが、このように戦前の予想がよい方に外れると一層うれしいものです。もろもろの要因から閉塞感の強い今の日本にとって、今回のサッカーワールドカップは久々に爽快感を味わえるイベントとなっていますが、スポーツで一時的に気分をよくするだけでなく、近い将来日本社会全体に活気が戻る日が来ることを期待したいものです。

◇今月号の特集は"粒子線治療と高精度X線照射−cost-benefitからみた真の適応−"です。"はじめに"にあるようにX線治療施設で5〜10億円、粒子線治療施設では100〜200億円と建設費は極めて高価ですが、粒子線とX線の線質の違いから両者の治療結果に差が出る場合があるとのことであり、特集の副題の"cost-benefit"を含めてどのような症例において有効であるのかエビデンスの集積が待たれます。現在国内には粒子線治療施設が建設中を含めて10カ所ほどあるようですが、これほど高価ですと、おいそれと普及するとは思えません。しかし、より優れたものを追求するのが科学ですし、医学です。事業仕分けではcost-benefitが重視されるようですが、たとえ高額であっても、優れた治療法であるなら、それを病む人の治療に活用できる時代が来ることが望まれます。とは言いながら、粒子線治療が保険診療の対象となり得るかどうか、今後の課題でしょう。

◇連載の「インターネット入門」において、今月は電子書籍が取り上げられ、電子書籍データ作成法が紹介されています。アップル社の板型端末(iPad)の発売で、電子書籍の普及が加速しそうな気配ですが、本誌のような医学雑誌が今後どのように対処すべきか、真剣に検討すべき時期が来たようです。

蓮尾金博