臨床放射線

急性腹症の画像診断

2010年06月号(55巻 06号)

企 画
定 価 2,592円
(本体2,400円+税)
在庫状況 なし
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特集 急性腹症の画像診断
はじめに
早川 克己
イレウス
園村 哲郎
腸管虚血のCT診断
古川 顕
消化管穿孔
小林 清和
胆嚢炎・胆管炎
竹原 康雄
虫垂炎・憩室炎
中島 康也
■診療
消化管出血診断における出血シンチグラフィの有効性−特にSPECT/CT fusionについて
若松 秀行
■症例
FDG-PETで集積を認めた肺犬糸状虫症の1例
吉田 耕太郎
胃に発生した迷入膵の1例
永野 仁美
妊婦の原発性腹膜垂炎の1例
河辺 哲哉
肝内胆管細胞癌と鑑別が困難であった胆管内発育型肝細胞癌の1例
起塚 香子
膵腺扁平上皮癌の1例
城戸 倫之
IgG4関連硬化性疾患に伴う子宮頸部病変と考えられた1例
海地 陽子
■連載
今月の症例
小山 雅司
インターネット入門(171)
長嶌 宏和
井の頭だより(34)
多田 信平
◇ギリシャの財政危機に端を発したヨーロッパ金融危機、韓国哨戒艦沈没事件による緊迫した朝鮮半島情勢、米軍普天間飛行場の移設問題、宮崎県での一部の地域での家畜伝染病口蹄疫の発生など、私たちの生活に無関係とは言い切れない出来事が国内外で起きています。これらの問題が一日でも早く解決され、同様の出来事の再発防止、犠牲を強いられた方々へのいろいろな援助などの対策が施されることを願っています。

◇今月号の特集の「急性腹症の画像診断」は昨秋の日医放秋季大会で好評を博した教育講演の誌上再現です。視覚と聴覚によって高い学習効果があがる教育講演には、時が立つにつれて習得した知識量が減っていくという短所もあるので、このような企画は聴講できなかった方々だけでなく聴講者にとっても有難いと思います。

◇「急性腹症」は"surgical abdomen"とも呼ばれ、元々腹痛を主訴に緊急の外科的処置を要する急性疾患を指していたが、外科的処置あるいinterventional radiologyを必要としない「急性腹症」の症例も存在し、軽微な腹痛の患者で実は緊急処置が必要である場合もあるので、編集子はこの用語を死語と考えています。荒木力先生がベストセラー『ここまでわかる急性腹症のCT』(第2版)で「特に重篤な急性腹症の場合には最初に情報量の最も多いCTを施行すべき」とまで言い切っているように、「急性腹症」におけるMDCTの重要な役割に疑問の余地はありません。では、X線写真やUSを「急性腹症」ではどのように位置付ければよいでしょうか。個人的な経験では高度な肥満がなければ、尿管結石はUSで2〜3分もあれば診断できます。retrocecal appedicitisやdistalappendicitisを除いた合併症のない虫垂炎の診断ではUSは優等生です。USで腹部全体を手短にチェックしてターゲットを定めてからCT検査を行うことは被曝線量軽減や造影剤使用の有無の観点からも一考の余地があります。紙幅の制限ため「急性腹症」でのX線写真の位置付けに関する私見は省略します。

◇気象情報では冷夏が北日本で予測されており、農作物への影響が心配されます。猛暑には閉口させられますが、冷夏でも体調を崩しやすいので、ご自愛専一に。

黒崎喜久