臨床放射線

緩和医療と放射線治療のこれまでとこれから

2010年09月号(55巻 09号)

企 画
定 価 2,640円
(本体2,400円+税)
在庫状況 なし
  • 定期購読のご案内
  • 次号予告
  • 最新号
  • 投稿規定
  • 臨時増刊号一覧

特集 緩和医療と放射線治療のこれまでとこれから
はじめに
清水 わか子
緩和医療が放射線治療に期すること
本家 好文
放射線治療と緩和医療−がん専門病院の現状−
副島 俊典
骨転移の治療において放射線治療の果たす役割−早期診断と予後に応じた治療選択−
片桐 浩久
緩和ケアチームからみた放射線治療、現状と期待−看護師の視点から−
田村 恵子
患者・家族の声を聴く−がん治療と向き合い何を思い、何を望んでいるか−
栗原 幸江
見放さないがん医療の実践者に
本田 麻由美
症状コントロール(緩和ケア)と放射線治療−地域がん診療連携拠点病院の立場から−
伏木 雅人
■診療
進行食道癌に対する強度変調放射線治療(IMRT)の役割に関する検討
高橋 健夫
肛門扁平上皮癌に対する同時化学放射線療法例の検討
高梨 以美
子宮頸癌の放射線治療成績−A点線量による比較検討−
茶谷 正史
転移性脊椎腫瘍に対する放射線治療−肺癌転移例と他の腫瘍における治療効果の比較−
河村 敏紀
全身麻酔下の婦人科癌腔内照射時看護介入
前田 祥子
溺死におけるCT所見の検討
新川 慶明
オートプシー・イメージング(死後CT)による死因推定
西原 圭祐
■症例
大動脈解離に対して大動脈真腔内メタリックステント留置術を施行した3例
対馬 史泰
FDG-PET/CTが診断に有用であった同時発生5重癌の1例
有本 麻耶
■短報
水頭症の精査中に発見されたecchordosis physaliphoraの1例
高橋 正洋
■連載
今月の症例
松隈 美和
治療談話会記録
国枝 悦夫
インターネット入門(174)
長嶌 宏和
井の頭だより(37)
多田 信平
◇今月号の特集は、第22回日本放射線腫瘍学会でのシンポジウム「緩和医療と放射線治療のこれまでとこれから」を記録したものです。最近の放射線治療は、IMRTなど高精度治療装置の普及に伴い、がんの根治的あるいは積極的治療が行われるようになり、国民にもその有用性が広く知られています。しかしながら、その一方では、がん患者の症状制御を目的とする放射線治療、あるいは放射線治療に伴う患者の肉体的・精神的負担を軽減させるための医療は、これまであまり取り上げられてきませんでした。今まであまり表には出てこなかった医療です。がん患者にとってはとても切実な問題でありながら、患者から相談される立場にある放射線科医も知らないことが多かったのが現状です。もし、あなたが今がんに罹患したという気持ちになって本特集を読まれ、がんの緩和医療についても考えて頂ければ幸甚です。

◇今年の夏は、我々の記憶の中でも特に猛暑であったと感じます。気象庁によると猛暑日とは、日最高気温が35℃以上の日のことをさします。大阪では、猛暑日が13日も続き、平成6年8月の12日連続の記録を抜き最長となりました。今年の夏の特徴は、大阪のように例年猛暑日が多い地域だけではなく、北日本や北海道でも猛暑日を記録し、さらに日本だけではなくロシアでも40℃を超える歴史的な猛暑となり、米国東部や欧州南部を含めた世界規模で猛暑日が記録されています。また、ロシアでは何万年ものあいだ凍土の中にあったマンモス象が、異常気象により凍土が溶け、体表の毛までそのまま残った姿を現したとのことです。考えてみると恐ろしい現象です。また、ヒトへの直接影響としては、東京23区での熱中症が原因での死亡者は100名を超え、そのうち70歳以上が8割を占め、夕方から翌朝にかけて亡くなるケースが約4割もあったと言います。この猛暑日はいつまで続き、そして地球にどのような影響を残すのでしょうか、とても心配です。

今井 裕