眼科

網膜芽細胞腫とぶどう膜悪性黒色腫の最前線

2010年03月号(52巻 03号)

企 画
定 価 2,916円
(本体2,700円+税)
在庫状況 なし
  • 定期購読のご案内
  • 次号予告
  • 最新号
  • 投稿規定
  • 臨時増刊号一覧

特集 網膜芽細胞腫とぶどう膜悪性黒色腫の最前線
序論
後藤 浩
1.網膜芽細胞腫の診断
加瀬 諭
2.網膜芽細胞腫に対する化学療法
柳澤 隆昭
3.ぶどう膜悪性黒色腫の臨床診断
久保田 敏信
4.ぶどう膜悪性黒色腫の遺伝子診断による予後判定
臼井 嘉彦
■表紙の解説
石原式色覚検査表2.
岡島 修
■展望
網膜の展望−2)炎症・先天疾患、2006年度−
上田 高志
■綜説
ERGの神経節細胞成分PhNR
町田 繁樹
■黄頁の知識
経口避妊薬ピルの副作用
小口 芳久
■神経眼科疾患
12.肥厚性硬膜炎
植木 智志
■より良い診療を目指して 他診療科との連携
3.糖尿病患者の周術期の管理(局所麻酔を中心に)
岡本 真由美
■原著
Kingella kingae が検出されたコンタクトレンズ関連角膜感染症の1例
熊川 真樹子
■臨床報告
黄斑部病変の発症を契機に診断された地図状脈絡膜炎の2症例
山田 洋史
31歳女性の結膜から発生した悪性黒色腫の1例
中村 由美子
下鼻側1/4半盲傾向を示した視神経乳頭黒色細胞腫の1例
田上 雄一
眼窩内容除去に至った眼球結膜扁平上皮癌の1例
田辺 知尚
 『眼科』誌の表紙は、既にご承知のことと存じますが、日本眼科史における顕著な貢献を残された先達を顕彰し、読者の皆様に再認識し、ご記憶いただくべく、シリーズが展開されております。本号では、石原 忍先生と有名な石原表について記載されております。石原先生の御業績は、財団法人一新会の事業として、岡島 修先生(一新会常務理事)のご紹介記事にあるように、現在も継承されております。本誌の筆頭編集委員でもある澤充先生が、一新会の理事長を務めておられますが、石原先生の御門下が財団法人として創立されたのが1961年ですから、50年の長い歳月を経て、石原表が、現在もなお国際的に広く受容されていることは驚きであり、日本人眼科医にとっての誇りでもあります。

 私は、(眼科の歴史を含めて)元来歴史好きで、先達の言行などに触れる史料を見つけては、感慨深く読みふけったりしてしまうのですが、本号の岡島先生の記事にはとても感銘を受けました。一新会のホームページを拝見しますと、その発足資金は、石原先生が自らの全財産を寄附してまかなったとあり、その後、中泉行正先生、須田経宇先生などの高名な諸先生が理事長を務められ、現在の澤理事長に継承されています。中泉行正先生は、財団法人研医会を設立されておられます。私自身、この研医会図書館には、眼科古文書を尋ねて、何度か通わせて頂きましたし、(私が編集を務めさせて頂いた)「現代の眼科学」第10版では、研医会所蔵の眼科古文書の図を、表紙として掲載させていただきました。また須田経宇先生は、日本の緑内障研究を主導し、現在も日本緑内障学会の須田記念講演や須田賞に、その名を残しておられます。私にとっては、熊本大学教授の先輩であり、緑内障学会の先達でもある関係で、その人生を調べまとめたことがありました(「熊本大学眼科百年史」)。本号の記事では、学問の系譜と継承の重要性をあらためて認識いたしましたし、自らの業績が50年後も、価値を有し続け、自らの学問の系譜がその時にも受け継がれているだろうかと、遥か先を仰ぎ見るような想いがしました。

 さて、今回の特集は「網膜芽細胞腫とぶどう膜悪性黒色腫の最前線」です。がん関連遺伝子群の解明から、治療面における新しい化学療法や放射線療法などの導入で、古くて新しい領域ですから、読者の皆様にとっても有用な特集になると確信しております。また網膜の展望(炎症・先天疾患)やPhNRの綜説なども力作揃いです。是非、ご一読ください。

(谷原秀信・記)