眼科

眼科手術の適応-最新情報

2017年09月臨時増刊号(59巻 10号)

企 画
定 価 8,640円
(本体8,000円+税)
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「眼科手術の適応−最新情報」
1.眼瞼・眼窩
1)眼瞼内反症、睫毛内反症
荒木 美治
2)睫毛乱生・睫毛重生
高比良 雅之
3)眼瞼外反症
大湊 絢
4)眼瞼下垂
今川 幸宏
5)眼窩腫瘍
上田 幸典
6)眼窩骨折
張 大行
2.ぶどう膜炎の合併症
1)帯状角膜変性
熊倉 重人
2)併発白内障
橋田 徳康
3)続発緑内障
石田 恭子
4)網膜硝子体病変
永田 健児
3.斜視
1)MISS
根岸 貴志
2)Plication手術
木村 亜紀子
3)最近の眼筋移動術
渡邉 志穂
4)斜視に対するボツリヌス毒素療法
後関 利明
5)ボツリヌス毒素注射併用斜視手術
三村 治
4.緑内障
1)観血的房水流出路再建手術(従来型線維柱帯切開術)
森 和彦
2)トラベクトーム手術
柏木 賢治
3)スーチャートラベクロトミー(ab externo & interno)
小野 岳志・芝 大介
4)トラベクレクトミー(MMC併用)
澤田 明
5)エクスプレスシャント
谷戸 正樹
6)緑内障チューブ手術
有村 尚悟・稲谷 大
7)iStent手術
山本 哲也
5.角結膜
1)円錐角膜
加藤 直子
2)VisuMaxを用いた非エキシマレーザー屈折矯正手術
宮本 武
3)フェムトセカンドレーザーと角膜移植
島崎 潤
4)角膜内皮治療の最前線
小泉 範子
5)人工角膜
福田 昌彦・森 洋斉・宮田 和典
6)翼状片の手術適応〜どのような症例が手術の適応となるのか〜
加瀬 諭
6.白内障
1)多焦点IOLの最新情報
福岡 佐知子
2)フェムトセカンドレーザー白内障手術
稗田 牧
3)小瞳孔マネージメント
佐藤 孝樹・池田 恒彦
7.涙道
1)鼻涙管閉塞症における手術選択(涙管チューブ挿入術またはDCR)
鈴木 亨
2)TS-1内服による涙道閉塞の治療
柏木 広哉
3)経涙小管レーザー涙嚢鼻腔吻合術(レーザーDCR)
森寺 威之
4)先天鼻涙管閉塞の治療戦略
大江 雅子
8.網膜硝子体
1)網膜静脈閉塞症の硝子体注射とレーザー治療
家里 康弘
2)加齢黄斑変性の硝子体注射
井上 麻衣子
3)近視性脈絡膜新生血管に対する硝子体注射
杉山 敦
4)糖尿病黄斑浮腫の硝子体注射とレーザー光凝固
秋山 英雄
5)中心性漿液性脈絡網膜症に対するレーザー光凝固術と光線力学的療法
松本 英孝
6)網膜裂孔のレーザー光凝固
馬場 隆之
7)網膜/脈絡膜血管腫のレーザー光凝固
鈴木 茂伸
8)黄斑前膜の硝子体手術
岡本 史樹
9)強度近視の硝子体手術
山根 真
10)裂孔原性網膜剥離の硝子体手術
厚東 隆志
11)増殖糖尿病網膜症の硝子体手術
井上 亮・恵美 和幸
12)網膜静脈閉塞症の硝子体手術・血管内手術
林 篤志
13)白内障手術トラブルの硝子体手術
谷川 篤宏
14)眼内炎、ウイルス性網膜炎、眼内悪性リンパ腫の硝子体手術
寺田 裕紀子・蕪城 俊克
15)未熟児網膜症のレーザー光凝固と手術
近藤 寛之
巻頭言

近年の眼科手術は、非常に大きなインパクトがあります。何よりも眼科手術は、多くの患者さんに“見える”という機能の回復を促し、大きな福音をもたらしているからです。眼科手術の進歩は、眼科学のプレゼンスを分かりやすい形で示しています。
また、さまざまなあたらしい治療技術が継続的に開発され、多くの研究者や関連する企業がしのぎを削り研究開発を進めている分野であり、我々眼科医にとって、いつも目を離すことができない分野でもあります。また、大学病院にとっては、眼科手術は医学生や若手の眼科医が最も興味をそそられる分野であり、彼らの入局の志望動機のひとつにさえなっていることも無視できません。
こうして、眼科手術をフォローするさまざまな解説本や近年ではインターネットを利用したビデオなどが広く出回っています。それらの多くは、技術のみを丹念に手ほどきするものであり、“コツや落とし穴”といったハウツーものに終始する傾向が強いのは否めません。しかし、あたり前のことですが、手術にとって最も重要なことは、この技術をどのような患者さんに提供するかということです。手術成績を上げる最も簡単なことは、その適応を正確に見極めることに尽きます。手術が上手と評判の医師は、概して適応をうまくとらえ、不必要な治療を行わないようにしているものです。適応は手術のツボともいえるでしょう。
そこで、今回は眼科手術の適応を取り上げ、これまでの技術一辺倒でなく、適応をどのように判断して行くのかを、各分野の最前線で活躍している先生方に解説していただきました。その内容は、眼科手術のほぼ全体を網羅しています。
眼瞼・眼窩、ぶどう膜炎、斜視、緑内障、角結膜、白内障、涙道、網膜硝子体とすべてをカバーしています。それらの項目の内容のすべては、その適応に迷うものばかりです。例を挙げると、緑内障手術で用いられるiStentは、Minimally Invasive Glaucoma Surgery(MIGS)として近年注目されている治療用具です。ただし、その適応と適応外(禁忌)は、詳しく決められています(白内障手術併用眼内ドレーン会議:白内障手術併用 眼内ドレーン使用要件等基準。日眼会誌120:494-7, 2016)。あるいは、裂孔原性網膜剥離の硝子体手術も、25ゲージ、27ゲージなど手術器具が格段に進歩していますが、適応を誤るとたちまちPVRへと進行してゆき、折角習得した最新技術を治療に生かすことができません。本特集では、このように最新の情報を多く含んでいます。
本特集を通して、私たち編集委員一同は、良い手術をするためにはその適応が手術技術と同じく重要であることを読者の皆様が再認識していただけると考えています。そして、患者さんにより良い治療を提供していただければ幸いです。

平成29年9月末日
『眼科』編集委員一同