眼科

炎症性眼底疾患

2010年01月号(52巻 01号)

企 画
定 価 2,916円
(本体2,700円+税)
在庫状況 なし
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特集 炎症性眼底疾患
序論
飯島 裕幸
1.多発消失性白点症候群
北市 伸義
2.MCP、PIC、DSF
中静 裕之
3.急性後部多発性斑状色素上皮症(APMPPE)と地図状脈絡膜炎
飯島 裕幸
4.Birdshot chorioretinopathy
岡本 紀夫
5.急性帯状潜在性網膜外層症
李 丹傑
■表紙の解説
石原忍(1879-1963)
岡島 修
■展望
ぶどう膜炎の展望−2008年度−
竹内 大
■綜説
網膜色素変性遺伝子診断の進歩
高橋 政代
■黄頁の知識
レーベル先天黒内障の遺伝子治療
小口 芳久
■神経眼科疾患
10.Adie症候群、瞳孔緊張症
大野 新一郎
■より良い診療を目指して他診療科との連携
1.糖尿病の分類と病態
江頭 富士子
■臨床報告
白内障手術後に結膜創から再出血した抗凝固療法中の1症例
中川 卓
アシナガバチによる角膜刺傷の1例
武藤 哲也
10代女性に発症し、当初、視神経炎として紹介された片眼性網膜疾患の2例
大野 新一郎
眼科初診で発見された脳動脈瘤破裂によるTerson症候群の1例
中島 正巳
■学会抄録
第96回兵庫医科大学眼科オープンカンファレンス
第97回兵庫医科大学眼科オープンカンファレンス
 『眼科』の表紙を飾った2008年の小口病、2009年のVogt−小柳−原田病はいずれも私たち日本人眼科医の先輩である小口忠太先生、原田永之助先生の業績を称えるものでしたが、2010年は国際的に通用している石原表を作成された石原 忍先生に関する写真を掲載いたします。

 石原表Ishihara plateは先天色覚異常のスクリーニング表である仮性同色表pseudoisochro−matic plateで、世界中で標準的に利用されています。しかし国際的に通用する色覚検査表としての精度を保つためには、時代の印刷技術に合わせて、使用色の測色や色覚異常検出の感度を保証するという品質の維持管理作業が重要です。石原忍先生が東大教授退官後の1961年に設立された財団法人である一新会http://square.umin.ac.jp/issinkai/ が、現在その責任を担っており、その第6代理事長は、現在『眼科』編集委員の中心である澤 充先生です。今月号の表紙の解説は、澤 充先生とともに一新会を支える理事でもあり、日本の色覚研究をリードされてきた岡島 修先生が、石原 忍先生の東大教授就任までの興味深いエピソードを紹介しています。

 さて今月号の綜説は網膜色素変性遺伝子診断の進歩です。1990年の、ロドプシン遺伝子点突然変異による網膜色素変性家系の発見以来、数多くの原因遺伝子が発見同定されてきました。そのひとつひとつを理解するのはたいへんですが、現在までに同定された35個の遺伝子を中心にして、光情報伝達系やレチナールサイクルなど、視細胞、網膜色素上皮細胞でのこれら原因遺伝子の関与についてわかりやすく解説いただきました。さらに、遺伝子診断と網膜色素変性治療のかかわりかたについて今後の展望をまとめていただいております。この特集でも触れられているRPE65の遺伝子治療の内容は、黄頁の知識で小口芳久先生にさらにくわしく説明いただいておりますので、あわせてお読みください。

 連載の神経眼科疾患でとりあげられているAdie症候群は有名な疾患で日常診療でもときにお目にかかる病態です。行うべき検査を含め、発生機序や対応に至るまでコンパクトにわかりやすくまとめていただき、私もたいへんに参考になりました。

 神経眼科疾患の連載と並んで、今月号から新しい特集として他診療科との連携がスタートします。第1回は糖尿病です。網膜疾患の最大分野である糖尿病網膜症の理解には、当然内科的な糖尿病の理解が必要です。糖尿病の分類/病型別の病態の考えかたを中心にして、診断のポイントや合併症について、内科の糖尿病専門医がわかりやすく解説してくれています。糖尿病網膜症診療にあたって基本的な内科的知識を整理・理解するのに役立つと思います。

(飯島裕幸・記)