眼科

外斜視の治療アップデート

2010年07月号(52巻 07号)

企 画
定 価 2,916円
(本体2,700円+税)
在庫状況 なし
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特集 外斜視の治療アップデート
序論
三村 治
1.プリズム療法
牧野 伸二
2.手術の時期と適応
宮田 学
3.外直筋後転法および下斜筋過動合併V型外斜視に対する下斜筋減弱術
野村 耕治
4.高齢者の外斜視手術
木村 亜紀子
■表紙の解説
河津時代の石原忍 1.
岡島 修
■展望
網膜の展望−1)血管性網膜疾患、2008年度
今澤 光宏
■綜説
視神経炎の診断と治療
植木 智志
分子標的治療薬
園田 康平
■黄頁の知識
Shaken Baby Syndromeと眼症状
小口 芳久
■神経眼科疾患
13.甲状腺視神経症
大野 新一郎
■より良い診療を目指して他診療科との連携
7.感染症
矢内 充
■原著
スズメバチによる角膜蜂刺症の1例
小島 彰
■臨床報告
抗アクアポリン4抗体陽性であった視神経炎の1例
坂本 文
クォンティフェロンTB-2Gが早期診断に有用であった結核性ぶどう膜炎の1例
鎌田 絵里子
結膜dysplasiaの1例
北川 順久
■私の経験
八潮中央総合病院における眼科緊急入院例の検討
武藤 哲也
■学会抄録
第116回兵庫県眼科医会学術集談会
 6月5日(土)から9日(水)までドイツのベルリンで国際眼科学会(WOC)が開催された。約9,000名の参加者で土・日曜日などまさに各国の眼科医で会場が埋め尽くされていた。建物自体は広く立派ではあるがかなり古いもので、発表会場がわかりにくく案内のスタッフも親切ではあるが要を得ないことも多かった。201
4年の東京での開催のほうがきっとうまくいくと感じられた先生方も多いのではないだろうか。

 さて、今月号の特集は「外斜視の治療アップデート」である。序論にも書かせていただいたが、最近の外斜視手術はかなりの施設で両外直筋後転法が主流になりつつある。その理由は特集をお読みいただきたいが、芸能人が外斜視手術を自分が受けることをマスコミで明らかにし、その治療経過の逐一をインターネットで公開して以来、多くの眼科医のもとにこれまで手術を諦めていた外斜視患者たちが受診したのではないだろうか。本特集を読めばそのような患者にとってメリットの多い情報が得られるはずである。また網膜の展望では「血管性網膜病変」についての文献が解説されている。網膜静脈閉塞症に対する抗VEGF抗体、トリアムシノロン、sheathotomy、radial optic neurotomyなどの主要な文献が網羅されており、非常にわかりやすい構成となっている。
黄頁は「Shaken Baby Syndromeと眼症状」である。児童虐待だけでなく、親の過剰な愛情表現やチャイルドシートによるものなどもあることは私たちも知っておくべきであろう。今月号の綜説は「分子標的治療薬」と「視神経炎の診断と治療」である。「分子標的治療薬」では展望のところの抗VEGF抗体だけでなく、抗腫瘍壊死因子(TNFα)も要領よくまとめられている。「視神経炎の診断と治療」ではこれまでの視神経炎の概念とは異なる自己免疫性視神経症と、最近話題の抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎について新潟大学で集積された症例での結果をもとに解説してある。シリーズ2本のうち神経眼科疾患は甲状腺眼症の中でも最も重症であり、失明する危険性もある「甲状腺視神経症」で、もうひとつのシリーズの他診療科との連携は総合内科からみた「感染症」である。是非ご一読いただきたい。

 今月は鬱陶しい梅雨から猛暑に移る時期で、読者の皆様には体調管理にも十分気をつけていただき、病院の一室や自宅で少し時間があるときには、是非本誌をひもといていただければ幸いである。

(三村 治・記)