眼科

緑内障の遺伝要因(内的因子)と環境要因(外的因子)

2009年05月号(51巻 05号)

企 画
定 価 2,916円
(本体2,700円+税)
在庫状況 なし
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特集 緑内障の遺伝要因(内的因子)と環境要因(外的因子)
序論
谷原 秀信
1. 原発開放隅角緑内障(狭義)
布施 昇男
2. 正常眼圧緑内障
中村 誠
3. 落屑緑内障
尾崎 峯生
4. ステロイド緑内障
稲谷 大
5. 発達緑内障
川瀬 和秀
6. 原発閉塞隅角緑内障
酒井 寛
7. 緑内障治療薬に対する薬剤応答性
杉山 和久
■表紙の解説
原田病(Vogt-小柳-原田病)5.
三村 治
■展望
硝子体の展望 −2005年度−
姜 哲浩
■綜説
黄斑浮腫に対する抗VEGF療法
近藤 峰生
■黄頁の知識
視覚障害を有する高齢者の転倒
小口 芳久
■神経眼科疾患
2. 動脈炎性虚血性視神経症
中馬 秀樹
■原著
診断の遅れた特異な前立腺癌の眼窩転移の1例
阿川 哲也
■臨床報告
全周性広範囲虹彩離断に対し手術的整復を施行した1例
中島 樹
◇澤 充総会長のもと参加者が4,300名を超えた今年の日眼総会も無事終了しました。特別講演、招待講演、評議員会指名講演、さらには昨年から始まったサブスペシャリティサンデーも聴衆が満員で、ようやく専門家のためだけの日本眼科学会総会でないという意識が定着してきたように感じられます。ただ、残念なことに統計で眼科医を志望する研修医修了者の減少傾向がはっきりしつつあり、私たち眼科医ひとりひとりが医学を志す若者たちにもっと眼科学の素晴らしさをアピールしていかなければいけないと強く感じています。そして私たち『眼科』編集委員は読者に良質で最新、さらに魅力的な眼科の情報を提供し続けていくことでそのお役にたちたいと考えています。

◇今月の特集は「緑内障の遺伝要因(内的因子)と環境要因(外的因子)」です。特集にしては7本と多い項目と内容ですが、著者はいずれも緑内障の最新の分子遺伝学研究をされておられる先生方で非常にわかりやすく解説されています。これまでにも多くの雑誌でたくさん組まれてきた緑内障の特集とは、谷原先生らしく一味も二味も違う切り口です。以前はありふれた病気common diseaseと考えられてきた緑内障の概念が、この特集を一読するだけで一変すること請け合いです。

◇展望は姜先生の「硝子体」です。私たちが眼科医である以上、患者は私たちが硝子体手術や硝子体内注射について最新の知識(たとえばトリアムシノロンや組織プラスミノーゲン活性化因子t-PAなどの知識)を当然持っていると考え、質問してきます。そのような場面に遭遇したとき、この展望を一読しておれば非常に役に立ちます。

◇綜説では近藤先生が「黄斑浮腫への抗VEGF療法」について解説しておられます。この綜説ではBRVO、CRVOさらには糖尿病黄斑浮腫について、文献考察だけでなく自験例の眼底写真やOCT像を呈示され読み応えのあるものとなっています。わが国には並行輸入により比較的安価な抗VEGF 抗体があまりに安易に入ってきましたが、文末の警鐘にはうなずかされる読者も多いことでしょう。

◇シリーズ神経眼科疾患の項は中馬先生による「動脈炎性虚血性視神経症」です。神経眼科医ならではの側頭動脈生検の実際の写真と注意が詳細に記されています。私も是非この生検は眼科医が救急で行っていただきたいと思う次第です。最後に今月号では、原著として前立腺癌の眼窩転移の症例報告、臨床報告として360度の虹彩離断に対する手術経験の合わせて2編の一般投稿論文を掲載しております。私たち編集委員は複数の国内外の雑誌の査読委員や編集委員を経験してきており、『眼科』読者のよりよい論文作成のお手伝いをしたいと思っておりますので是非ご投稿ください。お待ちしております。

(三村 治・記)