眼科

眼窩腫瘍アップデート

2009年01月号(51巻 01号)

企 画
定 価 2,916円
(本体2,700円+税)
在庫状況 なし
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特集 眼窩腫瘍アップデート
序論
後藤 浩
1. 眼科腫瘍の統計
馬詰 和比古
2. 特発性眼窩炎症(眼窩炎性偽腫瘍)
久保田 敏信
3. 眼窩腫瘍
辻 英貴
4. 涙腺腫瘍に対する重粒子線治療
辻 比呂志
■表紙の解説
原田病(Vogt - 小柳 - 原田病)1.
澤 充
■展望
色覚の展望 −2006年度−
林 孝彰
■総説
眼付属器リンパ腫診断の進歩 −IgG4関連リンパ増殖性疾患を中心に
高比良 雅之
■黄頁の知識
白内障手術と屈折矯正
小口 芳久
■原著
正常者におけるSwedish interactive thresholding algorithmを用いたshort-wavelength automated perimetryの臨床評価
岡島 泰彦
■臨床報告
多彩な眼所見を示した妊娠高血圧症候群の1例
中島 正巳
■学会抄録
第21回近畿神経眼科セミナー
◇平成も、はや21年目となりました。平成19年に端を発した米国発のサブプライムローン問題は、平成20年になって、本格的にグローバルな実体経済に波及し、どうも暗い話ばかりが横行した旧年であったように思います。それとは別に、『眼科』誌にとっては、なんといっても、長く編集委員を務めてくださった北原健二先生のご他界が悲しい衝撃でした。温和だけれども常に筋を通される北原先生と、編集委員会をご一緒させていただくことは、私にとって楽しみでもあり、学ぶことの多い機会であったと思います。私の印象として、粋な都会人の雰囲気を身につけた北原先生は、御定年を迎えられて、充実したセカンドライフを過ごされるのであろうと漠然と思い、羨ましく感じておりました。常ならざるこの世の定めとはいえ、あまりにも早すぎるご逝去で、愕然と致しました。北原先生に感謝申し上げるとともに、謹んでご冥福を祈りたいと思います。

◇悲しい出来事の多かった旧年を経て、なんとか新年は、新たな気持ちで、良い方向にリセットしたいものです。本誌の表紙は、Vogt-小柳-原田病を題材とした新しいシリーズになっております。特に、原田永之助先生の御業績については、編集委員会を代表して、澤先生がご解説されてあるとおりです。是非、ご覧ください。最新の情報がweb上に氾濫する現代であるからこそ、本誌のような活字媒体により、真に優れた業績を精選され、紹介されることに意味があるのだと思います。小口病、Vogt-小柳-原田病、高安病、桐沢型ぶどう膜炎など、本邦眼科医の名を冠した疾患は、いくつかありますが、単純な発見にとどまらず、新しい疾患概念として確立させるためには、臨床医としての丁寧な診療態度と優れた見識が重要です。また真に優れた研究業績は、たとえ当初の発表媒体が英文雑誌でなくとも、世界的には評価され、引用されることは、これらの眼疾患に対する国際的評価が示しているものと確信しています。インパクトファクター(IF)等で、学術雑誌を相対的に評価しランク付けするような考え方は、ひとつの評価方法として、ある程度は有効だとは思います。グローバルな情報伝達の効率を考えても、やはり国際的に注目されている高IFの雑誌は優れた特性を有します。しかし、それと同時に、論文業績には、時代や掲載雑誌に左右されない絶対的価値があります。どれほどIFが低い雑誌であっても、あるいはそもそも算出の対象外とされる邦文雑誌などでも、真にオリジナリティのある優れた業績は、誰も無視できません。ただし、それほどの優れた臨床論文は、きわめて少数でしかないのですが…。

◇さて本号の特集は、後藤先生が中心になって企画された「眼窩腫瘍アップデート」です。綜説も高比良先生の「眼付属器リンパ腫診断の進歩」ですから、合わせてお読みください。また「色覚の展望−2006年度−」は、北原門下を代表して、東京慈恵医大の林先生、竹内先生が、膨大な色覚領域における文献をまとめてくださっています。

(谷原秀信・記)