眼科

OCT:日常臨床での所見のみかた

2009年03月号(51巻 03号)

企 画
定 価 2,916円
(本体2,700円+税)
在庫状況 なし
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特集 OCT:日常臨床での所見のみかた
序論
飯島 裕幸
1. 網膜硝子体界面病変
石龍 鉄樹
2. 網膜比厚と菲薄化
今澤 光宏
3. 視細胞変化
岸 章治
4. 網膜剥離
山口 由美子
5. 網膜色素上皮変化
石川 浩平
6. 3D-OCT の利用法
板谷 正紀
■表紙の解説
原田病(Vogt-小柳-原田病)3.
山口 由美子
■展望
網膜の展望 −3) 網膜剥離、2005〜2006年度−
板倉 宏高
■綜説
最近の眼内レンズ −多焦点レンズの利点と欠点−
林 研
■黄頁の知識
網膜色素変性の治療
小口 芳久
■緑内障セミナー
緑内障3分診療を科学する! −アドヒアランスとは?−
吉川 啓司
■原著
中心性漿液性脈絡網膜症の発症の加齢化と性差について
西山 功一
緊急手術を要した眼外傷の受傷原因,重症度と視力予後
渡部 美博
■追悼記
北原健二先生追悼記
所 敬
◇ひと雨ごとに暖かくなり、気がつくと午後6 時近くになっても空が明るくなっている。今年の冬はいつになく長く感じられた。1月31日の夜、田野保雄教授の訃報に接したとき、眼科の世界が崩れるような暗澹とした思いにかられた。田野先生はいつも世界のなかでの日本の眼科の地位の向上に努力されていた。国際学会においても、田野先生はリーダー格であり、我々の誇りであった。我々はまさに「余人をもって代え難いひと」を失ったのである。

◇今月の表紙は原田病である。蛍光造影写真にあるように、原田病では漿液性?離が分節的な蛍光貯留を示す。この理由はOCTにより網膜下腔がフィブリンで区分けされるためであることがわかった。特集は「OCT:日常臨床での所見のみかた」である。OCTが日本に導入されて、今年でわずか12年目である。1997年に私は「OCTは眼底の組織を非侵襲的に観察するという、眼科医の夢をなかば実現する器械である」と書いたことがある。2006年のスペクトラルドメインOCTの出現は「網膜の生体組織学」をさらに進歩させた。6人の著者による最先端のアップデートを是非読んでいただきたい。国際学会に出てみると、これほど
精緻なOCTの読影ができるのは日本だけである。

◇展望は網膜剥離である。いつものことながらたいへんな労作である。斜め読みするだけで最近の動向を知ることができるのがありがたい。「緑内障3分診療を科学する!」は好評だったランチョンセミナーをまとめたもので、軽妙な語り口を通して、緑内障の専門家がどう治療方針を決定しているかがわかる。最近、白内障手術を予定する患者さんから「多焦点レンズ」を要望されることがある。私などは勧めてよいのやらどうかわからないので、それを扱っている病院に紹介してしまうが、今月号の綜説「多焦点レンズの利点と欠点」により、その原理を理解することができた。人間の視機能回復へのあくなき追求を感じる。

◇長年、本誌の編集委員を務められた北原健二教授のご逝去は誠に残念でなりません。先生のお人柄が偲ばれる追悼記が寄せられています。温厚で洒脱な先生の謦咳にふれることができたのは幸運なことだったと今さらながら思います。

(岸 章治・記)