整形・災害外科

Dupuytren拘縮の基礎と臨床

2010年03月号(53巻 03号)

企 画 酒井 昭典
定 価 2,640円
(本体2,400円+税)
在庫状況 なし
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特集 Dupuytren拘縮の基礎と臨床
Dupuytren拘縮の病因−周囲皮下脂肪組織およびインスリン受容体基質1(IRS 1)との関連
目貫 邦隆
Dupuytren拘縮の病因−オステオポンチン発現の検討
辻井 雅也
Dupuytren拘縮の病因−ペリオスチンの役割
園畑 素樹
Dupuytren拘縮の病因−外傷との関連性
阿部 圭宏
Dupuytren拘縮に対する保存療法の効果と限界
大井 宏之
PIP関節拘縮を伴ったDupuytren拘縮に対するジグザグ切開による部分腱膜切除術と関節拘縮解離術
尼子 雅敏
Dupuytren拘縮の手術療法とアスコルビン酸ジェルによる保存療法
山口 利仁
Dupuytren拘縮に対する部分腱膜切除術と創開放療法
大茂 壽久
■Personal View
2009年の漢字は“新”
須藤 啓広
■分子レベルからみた整形外科疾患
肉離れ損傷発生および進行の分子メカニズムに関する仮説
中里 浩一
■特別寄稿
アメリカの整形外科専門医制度
斎藤 英彦
■新しい医療技術
骨盤輪骨折に対するM-shaped transiliac plate固定術
白浜 正博
■臨床
骨盤骨折の部位と外傷重傷度との関連−両側恥坐骨骨折の重要性
大鹿 周佐
■経験
Far-out syndromeの病態を呈した第5腰神経絞扼例における内視鏡下後方除圧術の経験
阿部 恭久
■症例
膝locking症状を呈したhypermobile lateral meniscusの1例
柳原 世津
骨傷を伴わない遠位橈尺関節掌側脱臼の1例
武田 勇樹
鎖骨骨折を伴った肩甲骨関節窩骨折(Ideberg V)の1例
金澤 憲治
■医療史回り舞台
(213)“Why Six Toes?”
篠田 達明
■整形外科用語の散歩道
Rachitic rosary/Repetitive strain injury/Retro-odontoid pseudotumor
國分 正一
■整形外科手術・私のポイント
足関節OAに対する脛骨遠位斜め骨切術(distal tibial oblique osteotomy;DTOO)
寺本 司
◇自動車はガソリンではなく電池で動かす時代が来そうな気配です。ハイブリッド車の売れ行きが好調で、各家庭のガレージでコンセントに差し込んで翌日の駆動に必要な電気を蓄えるというようなことも、真面目に考えられているようです。

◇昨年、アメリカのオバマ大統領はグリーンニューディール政策を打ち出しました。18世紀以後、エネルギー資源としての化石燃料の利用が始まり、産業活動を支え資本主義経済を発達させましたが、20世紀末になって、その限界が明らかになってきました。実際、枯渇の危惧だけでなく、石油独占者への富と権力の集中は、人々の自由な活動を阻害するほどになっています。一方、インターネットの発明と普及は、新たな創造の機会を広げています。知的独占を崩壊させ、知識と情報を得る機会を一人ひとりに平等に分け与えた結果でしょう。次は、人々の活動の基盤となるエネルギー源の独占に風穴を開ける必要があります。

◇そこで、新たなエネルギー源を太陽にもとめ、人類の全てにエネルギー生産の手段を平等に分け与えられるようにしようというのが、グリーンニューディール政策の肝のようです。オバマ政権の施策にも、やや手詰まりの感じもあり、アメリカの世界のリーダーとしての役割の低下が指摘されていますが、やはり、その先見性には見るべきものがあります。建国以来の「発展の原動力は、個人の創造性にある。」という原理が根付いているようにも思えます。

◇この100年、われわれは、税金と抱き合わせで国と企業により供給される石油を消費して活動してきました。21世紀は、太陽から得られるクリーンなエネル
ギーを、太陽電池などで個人がそれぞれ自己生産し、自らの活動に使用するという時代になるのかも知れません。最近、新聞で太陽電池を内蔵した携帯電話や太陽電池のシートを張り付けたナップザックなどが商品化されたという記事を見ました。私は10年近く前に、太陽電池で動く計算機を購入し、長らく統計計算などに使っていました。最近はエクセルという素晴らしい発明品のおかげで、太陽電池で動く計算機を使用することは少なくなりましたが、簡単な計算などには、今でも、時々使用しています。

◇社会の主力エネルギー源を転換するということは、大変な変革です。大げさですが、人類が新たな地平線のもとで次の発展段階に進めるか否かが、エネルギー転換の成否にかかっていると言えないこともありません。様々なエネルギー源の可能性を試しながら、何とか、次世代エネルギーのきっかけを見つけてもらいたいものです。

◇今月号の特集はDupuytren拘縮です。古くから知られてきた疾患について、新しい観点からのアプローチが果敢に行われている状況がよく分かり、日常診療
に役立つだけでなく、医科学系の読み物としても、興味深い内容になっています。何かと落ち着かない時勢ですが、こういう時期こそ、浮き足立つことなく、じっくり構えて新たなチャレンジを行う好機なのかも知れません。読者皆さまのご健闘を祈ります。

(中村利孝)