皮膚科の臨床

水疱症

2010年05月号(52巻 05号)

企 画
定 価 2,916円
(本体2,700円+税)
在庫状況 なし
  • 定期購読のご案内
  • 次号予告
  • 最新号
  • 投稿規定
  • 臨時増刊号一覧

特集 水疱症
いわゆる限局性尋常性天疱瘡の1例
檜垣 裕美
尋常性天疱瘡の治療中にシクロスポリン脳症をきたした1例
吉川 桃子
増殖性天疱瘡の1例
飯田 秀雄
抗デスモグレイン1抗体陽性、抗デスモグレイン3抗体陰性であった増殖性天疱瘡の1例
小池 佑美
橋本病を合併し脱毛を伴った類天疱瘡の1例
山田 英明
二重膜濾過血漿交換療法が奏効した難治性水疱性類天疱瘡の治療経験
飯島 茂子
結節性類天疱瘡の1例
飯田 絵理
尋常性乾癬に合併した抗p200類天疱瘡
加藤 典子
遺伝子解析により診断したDowling-Meara型単純型先天性表皮水疱症の1例
後藤 和仁
■Clinicolor
自然消退のみられた悪性黒色腫
中村 貴之
■巻頭言
皮膚科医による病院感染対策
小方 冬樹
■治療
血漿交換療法を施行した落葉状天疱瘡の1例
松田 芳和
■随想
「杢太郎」落ち穂拾い(17)旅の道連れ(2)
上野 賢一
■症例
エポキシ樹脂による職業性接触皮膚炎の1例
深松 紘子
起立性低血圧のためアレルギー内服テストでの原因薬剤同定に支障をきたした1例
小池 雄太
Mechanic's Handを呈した皮膚筋炎の2例
木村 有太子
シクロスポリンが有効であった毛孔性紅色粃糠疹の1例
狩野 律子
シクロスポリン投与中に悪性リンパ腫を発生した尋常性乾癬の1例
筬井 泰江
歯科治療により軽快した急性汎発性膿疱性細菌疹
宮部 千恵
Nephrogenic Systemic Fibrosisの1例
五月女 聡浩
点状疣贅の1例
二宮 里紗
胸壁粉瘤により生じた非クロストリジウム性ガス壊疽の1例
横山 恵美
Sweet症候群様皮疹を呈した播種状Fusarium solani感染症の1例
菅谷 広野
臍部に生じた皮膚子宮内膜症の1例
福田 英嗣
良性対称性脂肪腫症の1例
木下 綾子
圧痛ある腫瘍−グロムス腫瘍,ntraneural Plexiform Neurofibroma,Eccrine Angiomatoid Hamartoma−を合併した神経線維腫症1型の1例
速水 真理子
Triple Extramammary Paget’s Disease の1例
中野 真佑
自然消退のみられた悪性黒色腫の2例
中村 貴之
■Mini Report
Erythema Dyschromicum Perstans
筬井 泰江
セイヨウミツバチ刺症の1例
鈴木 一年
臀部に生じたPapillary Eccrine Adenomaの1例
島本 紀子
体幹に生じた皮膚混合腫瘍の1例
榎戸 友里
Acquired Digital Fibrokeratomaの1例
荒木 麻由子
5%イミキモド外用が奏効した表在型基底細胞癌の1例
重松 由紀子
 平成22年度の診療報酬改定では、新政府による行政刷新会議ワーキングチームの事業仕分けで皮膚科はなぜか収入が高い診療科と見なされ、報酬の見直しが勧告されるなど、逆風の中で迎えることとなった。しかしその結果は思ったほど叩かれたという印象はなく、いぼ冷凍凝固、狭い範囲の分層植皮術などは減点されたものの、真菌検査のような微生物学的検査や難度の高い手術などは増点され、また新たに内服・点滴誘発試験、在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料、悪性黒色腫センチネルリンパ節加算などが認められることとなった。全体的には病院に重きを置くということで再診料が診療所、病院ともに横並びとなったのはご存じの通りである。

 今回、実は内科系学会社会保険連合(内保連)からの働きかけもあり、皮膚科医の診断する眼に対する対価としての皮膚科学的検査診断料の新設を試みた。いわゆるDoctor`s feeとしての評価が本邦の診療報酬体系では低いことが以前より問題視されているが、内保連は医師の技術料を評価する点数を各科にわたって新設していきたい意向を強く持っており、前回の改定で神経科領域における神経学的検査が新設されたのに習い、皮膚科医の熟練した眼(専門医という言葉は直接用いていないが専門医レベルの技術を持った医師を想定した)による診断技術料を評価する項目の新設が試みられたわけである。結果は中医協の調査専門組織である医療技術評価分科会のワーキンググループ委員による一次評価はパスしたものの、分科会委員による二次評価であえなく落選となってしまった。このような点数が認められるようになるには十分な準備と時間が必要のようだ。また、専門医としての資格を報酬に反映できるかどうかは常に議論の的であるが、学会毎に認定率が異なるなどの理由でなかなか実現しないのが現状である。

 日本皮膚科学会は内保連のみならず外科系学会社会保険委員会連合(外保連)にも加入しているが、最近の診療報酬改定では外保連からの提案が採用される傾向が強い。前述の難度の高い手術点数引き上げもその一端である。外保連の試案は技術度や所要時間、必要人数等のチェックを厳しく審査しており、中医協側から点数の算定根拠に信頼性があると判断されているようである。このような現状を踏まえると、もはや「おいしい点数」なるものは今後望めるはずもなく、エビデンスに基づいた主張をしていかないと既存の点数も廃止や大幅減点となりかねないことを肝に銘じておくべきであろう。

(五十嵐敦之)