皮膚科の臨床

血管炎・血行障害

2010年01月号(52巻 01号)

企 画
定 価 2,916円
(本体2,700円+税)
在庫状況 なし
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特集 血管炎・血行障害
十二指腸潰瘍を伴ったHenoch-Schonlein紫斑の1例
稲葉 基之
水疱、膿疱、潰瘍を呈し消化管潰瘍と糸球体腎炎を伴ったアナフィラクトイド紫斑の1例
高塚 由佳
IgA-K型多発性骨髄腫に伴ったアナフィラクトイド紫斑の1例
中村 かおり
マイコプラズマ感染で誘発された皮膚白血球破砕性血管炎の1例
山田 陽三
病初期に皮膚症状を伴ったChurg-Strauss症候群の1例
京谷 樹子
顔面主体に水疱、血疱を生じたChurg-Strauss症候群
大西 正純
20年来出没を繰り返す皮疹が喘息症状に先行したアレルギー性肉芽腫性血管炎の1例
細田 里美
側頭動脈炎の2例
北村 奈緒
マヨッキー紫斑様症状を呈したLivedo Vasculitisの1例−血液レオロジー的手法により血小板凝集能の亢進状態を確認した症例−
飯島 茂子
ワルファリンカリウムが著効したリベド血管症の2例
西 薫
四肢のリベドを契機に診断したCushing症候群(副腎腺腫)の1例
佐藤 誠弘
Buerger病患者に発症した多発筋肉内膿瘍の1例
飯田 沙織
片側の指端壊死で発症した混合性結合組織病続発の抗リン脂質抗体症候群
井上 奈津子
非典型的な皮疹を呈したコレステロール結晶塞栓症の1例
袖本 衣代
脳膿瘍が先行した感染性心内膜炎に生じたOsler結節の1例
近藤 誠
■Clinicolor
活性型ビタミンD3外用が有効であったダウン症に伴った蛇行性穿孔性弾力線維症の1例
平井 伸幸
■巻頭言
高齢者診療における皮膚科医の力
藤広 満智子
■最終講義
メラノーマ研究から学んだこと
斎田 俊明
■臨床研究
皮膚線維腫と隆起性皮膚線維肉腫におけるCD10発現の検討
竹内 裕子
■随想
「杢太郎」落ち穂拾い(13)その生い立ち(1)
上野 賢一
■症例
塩酸バラシクロビルによる蕁麻疹型薬疹の1例
大野 健太郎
塩酸プソイドエフェドリンが原因物質と考えたAcute Generalized Exanthematous Pustulosisの1例
前島 英樹
薬剤性無顆粒球症の1例
高木 佐千代
ペグインターフェロンの皮下注射部に生じた皮膚潰瘍
原田 勝博
咽頭潰瘍、角膜欠損を伴った水疱性類天疱瘡の1例
阿南 隆
特発性後天性全身性無汗症の1例
飯沼 晋
活性型ビタミンD3外用が有効であったダウン症に伴った蛇行性穿孔性弾力線維症の1例
平井 伸幸
橈骨動脈瘤を生じたMarfan症候群の1例
稲束 有希子
■MiniReport
血球貪食像を認めた乳児臀部肉芽腫の1例
山崎 朋子
有茎性バルトリン腺嚢胞の1例
飯田 絵理
骨化を伴った基底細胞癌の1例
魚谷 竜
爪甲下に生じた有棘細胞癌の1例
細川 僚子
 新年おめでとうございます。読者の皆様は初詣を済まされたでしょうか。私(大原)は、昨年冬に比叡山を訪れました。市内のほうは観光客で通年にぎわっていますが、距離や時間の関係でしょうか、比叡山まで足を延ばす人は案外少ないようです。もっとも、山域が広いですから、相対的な観光客密度が低いために空いているように感じるのかもしれません。

 最近は学会や個人的事情で京都に行く機会が増えましたが比叡山に登ったのは随分と久しぶりで、前回は30年以上前でした。今回、登って感じたことは、山全体に霊気が満ちているということです。鞍馬山、高野山、羽黒山なども寺と山が一体ですが、堂宇、伽藍の数・規模・歴史の違いに加え、修行の場という張り詰めた厳しさを感じました。案内書を引用すれば、"比叡山の全体が延暦寺であり、この山の自然、諸堂、そこで修行する人、訪れる人のすべてが一つの僧伽(そうぎゃ、和合僧=僧団)をかたちづくっているのです"。そしてもう一つ再認識したことは、後に各宗派の開祖となった法然、親鸞、栄西、道元、
日蓮などもここで修行し、それぞれの道を開いていったということです。現代の日本仏教の多くはこの比叡山に元を発しているといえます。

 さて、医療の世界に目を向けますと、医学も宗教同様に俗世間から隔絶された環境(場所的・知的)で発展してきたといってもよいでしょう。そしてその成果が実学として、枝葉のように分かれながら一般社会に還元されてきたわけです。医学生の講義のために大学構内に足を踏み入れる度に、私は時間の流れ、空間の雰囲気が塀の外とは違うことを感じます。

 話をさらに飛躍させて皮膚科の最近の動向に照らし合わせれば、専門医教育システムが大学中心の体制に編成されたことも、大学が学問の中心であることの証左と考えられます。しかし、病院や診療所などの医療現場では実学としての医療が必要なので、上意下達のみでなく双方向性の流れも欠かせないと思います。ノーベル賞が、大学の研究室だけでなく、田中氏のように企業の研究室からも生まれてきたように。

(大原 國章)