皮膚科の臨床

肉芽腫症

2010年08月号(52巻 08号)

企 画
定 価 2,970円
(本体2,700円+税)
在庫状況 なし
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特集 肉芽腫症
右環指の腫脹を契機に診断したサルコイドーシスの1例
安芸 実扶子
心病変の発見に18F-FDG PETが有用であった局面型サルコイドーシスの1例
谷村 裕嗣
瘢痕浸潤を伴った腫瘤型筋サルコイドーシスの1例
佐伯 浩志
サルコイドーシスで抗カルジオリピン抗体が陽性であった1例
鍬塚 大
C型肝炎に対するインターフェロン治療後に発症したサルコイドーシス
光井 千慧
タクロリムス外用が著効した結節型皮膚サルコイドーシスの1例
榎本 由貴乃
塩酸ミノサイクリンの投与に連動して血清ACE値、リゾチーム値の低下と臨床症状の軽快を認めたサルコイドーシス
井上 和加子
メトトレキサート内服により改善を認めた顔面の潰瘍型皮膚サルコイドーシスの1例
足立 厚子
歯性病巣感染による肉芽腫性口唇炎の1例
土屋 佳奈
歯肉癌患者に生じたAnnular Elastolytic Giant Cell Granulomaの1例
芳賀 貴裕
■Clinicolor
前額部に密集していた多発性脂腺嚢腫症の1例
小谷 和弘
■巻頭言
Storiform Pattern
中川 浩一
■総説
限局性強皮症の診断と治療
佐藤 伸一
■治療
Narrow-Band UVB療法が著効した小児急性痘瘡状苔癬状粃糠疹の1例
小川 博史
■随想
「杢太郎」落ち穂拾い(20)杢太郎と兼太郎(1)
上野 賢一
■症例
通常の豆腐では異常なく、おぼろ豆腐や湯葉摂取時のみ症状を認めた1例−豆腐と豆乳の抗原性に関する考察とともに−
原田 晋
硫酸クロピドグレルによる薬剤過敏症症候群の1例
町田 未央
ループスアンチコアグラントが検出された皮膚型結節性多発動脈炎の1例
稲沖 真
顔面に紅斑性浸潤性局面を呈したWegener肉芽腫症
筬井 泰江
Reticular Erythematous Mucinosisの1例
布施 恵理
肢端紫藍症を伴い右第7頸神経支配領域の生来性の貧血性蒼白斑
花川 博義
仙骨部滑液包炎の1例
古北 一泰
前額部に密集していた多発性脂腺嚢腫症の1例
小谷 和弘
骨化を伴った皮膚混合腫瘍の1例
大野 健太郎
大腿部に生じたSpindle Cell Hemangiomaの1例
上嶋 祐太
下眼瞼に生じたPalisaded Encapsulated Neuromaの1例
澤田 詩織
脂漏性角化症と基底細胞癌が同一病変内に認められた2例
比留間 梓
塩酸イリノテカンが有効であった進行期有棘細胞癌の1例
渋谷 佳直
■MiniReport
ロキソプロフェンナトリウム水和物パップ剤に添加されたクロタミトンによる接触皮膚炎
石名 航
塩酸チアラミドによる固定薬疹
宮本 明栄
抗けいれん薬によるStevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症における薬剤リンパ球刺激試験
渋谷 真貴子
タクロリムス軟膏が奏効した顔面肉芽腫の1例
市原 麻子
2型糖尿病発見の契機となったVerrucous Skin Lesions on the Feet in Diabetic Neuropathy
岸本 和裕
外歯瘻の1例
大島 昇
手背に生じた外傷性腱鞘炎の1例
松田 芳和
ムカデ咬症の痛みは温熱療法で速やかに消失す
鈴木 一年
眼瞼に生じた単発性グロムス腫瘍の1例
佐々木 彩
 この雑誌が届きます頃は真夏の太陽光が降り注ぐ毎日でしょう。さて太陽の「光」とは何か、当たり前すぎてよく分からない面もあります。辞書には1・物理的事象としての光、2・視力、3・心を明るくするもの、4・尊敬・威力を起こすもの、5・輝く美しさ、6・名誉などの意味があるとされ、生活や人生を肯定的に構成する要素を意味し、さらには権威や権力をも象徴しています。天照大神も「光」の字は入っていませんが意味は内在していますし、光源氏なども輝く美しさとともに何か権威を誇示しているようです。祖先の古い時代から言葉に「ひかり」が入りこんでいます。「光」は人間を含めてほぼ全生物にとってその存在に不可欠ですから、原初の時代から生存の前提要件ですし、その意味では当然「あるもの」なのでしょう。「ひかり」は「ひかる」の連用形だそうです。「ひかる」の原意には一方で光のない暗黒世界が対応するように思います。可視光を含め「光」をコントロールしていると思っている現代人にはなかなか「ひかる」の意味がつかみにくい面があるのかもしれません。

 先日、雑誌に登山家が紫外線防御の重要性を説いていました。高い山では当然紫外線量が増え、高度300mごとに4%増、単純計算でも3000mの高地では平地の1.5倍強です。夏山の残雪面ではさらに反射光が同量近く加わりますので危険です。皮膚ばかりでなく角膜も障害され「雪盲」という言葉もあるそうです。紫外線の危険性が叫ばれるのはごく最近のことです。私たちの学生時代は「くる病」の講義で光の意義が唱えられていました。我々も皮膚の光老化や皮膚がんを防ごうと思えば紫外線防御が必須です。DNA障害や修復の観点からは特に小さいお子さんの紫外線防御が大切です。私も、また子どもたちも真夏に真っ黒になって遊んでいましたが、これはもはや郷愁に過ぎないのかもしれません。もっとも、最近欧米の学会(癌関係など)でも一定の日光曝露は必要、ないしは人間の生活に有用との見解が発表されています。生活の喜びを増す光、屋外活動の重要性を指摘して、過度の防御に対する「ゆりもどし」の面もあろうかと思います。長い日常生活の中でどのように紫外線に対応するか、防御に基本姿勢を置きつつも生活を上手に楽しむ方向性を考えたいと思います。真夏の昼の戯言でした。

(大塚藤男)