手術

消化器・一般外科におけるCommon Diseaseの手術

2021年04月臨時増刊号(75巻 04号)

企 画
定 価 8,800円
(本体8,000円+税)
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特集 消化器・一般外科におけるCommon Diseaseの手術−エルステから高難度まで
I.虫垂炎手術
1.エルステ手術(虫垂切除)の心得
志田 晴彦
2.虫垂切除術に必要な外科解剖
有田 智洋
3.虫垂炎の鑑別と治療方針
金子 学
4.単純性虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術−エルステreduced port surgery
鳥越 貴行
5.複雑性虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術
堀江 久永
6.膿瘍形成性虫垂炎に対する待機的腹腔鏡下虫垂切除術
水野 良祐
7.小児の虫垂炎に対する腹腔鏡補助下虫垂切除術
増本 幸二
8.妊婦の虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術
朝隈 光弘
9.高齢者の虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術
野田 顕義
10.虫垂炎に対する開腹手術・開腹移行
福岡 達成
II.肛門疾患手術
1.エルステ手術(肛門疾患)の心得
山名 哲郎
2.肛門手術に必要な外科解剖
下島 裕寛
3.痔核に対する結紮切除術(LE)
黒田 敏彦
4.難治性内痔核に対する手術
松尾 恵五
5.皮下・低位・高位筋間痔瘻(I・IIL・IIH型)に対する手術
辻 順行
6.坐骨直腸窩痔瘻(III型痔瘻)の病態と手術
栗原 浩幸
7.慢性裂孔の治療−側方内肛門括約筋切開術を中心に
宮崎 道彦
8.肛門狭窄に対する皮膚弁移動術(SSG)
松田 大助
9.初学者が習得すべき直腸脱経会陰手術
大橋 勝久
10.直腸脱に対する腹腔鏡手術−とくに直腸前方固定術(LVR)に関して
野明 俊裕
III.鼠径部ヘルニア手術
1.エルステ手術(鼠径部ヘルニア)の心得
柵瀬 信太郎
2.鼠径部切開法(前方アプローチ)に必要な外科解剖
横井 勇真
3.組織縫合法による修復術(non-mesh technique)
稲葉 毅
4.Lichtenstein法
勝本 富士夫
5.Mesh-plug法
宮崎 恭介
6.Direct Kugel法
川村 英伸
7.TAPP法に役立つ手術解剖−内鼠径輪周囲の膜構造を中心に
中川 基人
8.TAPP法の理解のカギ−再発防止と高難度手術に役立つ手術手技
植野 望
9.膨潤TAPP法
野村 良平
10.TEP法に必要な外科解剖
江口 徹
11.TEP法
川原田 陽
12.単孔式TEP法
和田 則仁
13.再発鼠径ヘルニアに対するhybrid手術
川崎 篤史
14.大腿ヘルニア修復術
津村 裕昭
IV.胆嚢炎手術
1.エルステ手術(胆嚢摘出)の心得
奥村 拓也
2.腹腔鏡下胆嚢摘出術に必要な外科解剖
大目 祐介
3.急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドラインを読み解く
真弓 俊彦
4.急性胆嚢炎に対する早期腹腔鏡下胆嚢摘出術
及川 昌也
5.急性胆嚢炎に対する単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術
政次 俊宏
6.Difficult gallbladderに対する腹腔鏡下胆嚢摘出術
渡邉 学
7.腹腔鏡下胆嚢摘出術における術中トラブルシューティング−知っておくべき戦略と戦術
小林 祐太
8.腹腔鏡下胆嚢摘出術における回避手術と2つの"inflection point"
柏崎 正樹
9.腹腔鏡下胆嚢摘出術における術中イメージング
和田 友祐
10.併存疾患を有する急性胆嚢炎患者に対する待機的腹腔鏡下胆嚢摘出術
行田 悠
11.総胆管結石症に対する腹腔鏡手術
梅澤 昭子
発行にあたって

 「アッペ・ヘモ・ヘルニア・下肢バリックスの手術」は、雑誌「手術」の臨時増刊号特集として1995年5月に発行され、以来20年にわたってシリーズ化され、若手外科医のみならずベテランの先生からも好評を博してきました。これはひとえに「アッペ・ヘモ・ヘルニア・下肢バリックス」の疾患数、多様性、手技上の興味、そして何と言っても手術の結果が明確にあらわれて、良い結果が患者に「感謝される」手術であることによるものと思われます。
 今回、2015年3月に発行された「最新 アッペ・ヘモ・ヘルニア・下肢バリックスの手術(第3版)」から6年の時を経て、同シリーズの流れを汲む新シリーズとして「消化器・一般外科におけるCommon Diseaseの手術―エルステから高難度まで」を皆さまにお届けします。本臨時増刊号特集(以下、本特集)では「虫垂炎」「肛門疾患」「鼠径部ヘルニア」に加えて、新たに「胆嚢炎」を取り扱うこととしました。良性胆嚢疾患の標準術式である腹腔鏡下胆嚢摘出術(いわゆるラパコレ)は、年10万件以上が施行される唯一のNCD術式であり(National Clinical Database 年次報告書・2019年手術症例:11万3,341件)、本特集で取り上げるにふさわしい手術と考えました。
 これら4つの疾患に対する手術は若手外科医が初めての手術、「エルステ」として行うことが多い手術です。今回、特集の副題として「エルステ(Erste)」という言葉を使いましたが、この言葉は若手外科医には期待と緊張感を、ベテランにとっては外科医としての青春時代を想起させる特別な言葉ではないでしょうか。その一方で、主には腹腔鏡手術などの低侵襲手術の普及に伴い、これらの疾患に対する術式も多様化しています。また、本特集で扱う「Common Disease」には非常にシンプルな病態に対する難度の低い手術がある一方で、重い病態やまれな病態などの複雑な病態に対する「高難度」の手術が要求される場面も少なくなく、ベテランにとっても常に学ぶことの多い奥の深い疾患であることは、皆さまが日々感じているところではないでしょうか。
 本特集では各疾患について、まずは「エルステ手術の心得」から始まり、解剖、古典的手術からstate-of-the-artに至るまで、多数のエキスパートの先生に論文をご執筆いただきました。その内容は多岐にわたりますが、とくに若い研修医・修練医の皆さまには、本特集を通じて外科手術の魅力に触れ、日々の臨床に大いにご活用いただければ幸いです。

2021年3月
「手術」編集委員
石原 聡一郎
東京大学腫瘍外科教授