遺伝性乳がん卵巣がんを知ろう!みんなのためのガイドブック 2022年版

遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)診療ガイドライン2021年版準拠

編 集 ゲノム情報を活用した遺伝性腫瘍の先制的医療提供体制
の整備に関する研究班 / JOHBOC
定 価 1,980円
(1,800円+税)
発行日 2022/07/01
ISBN 978-4-307-20462-0

A5判・232頁・図数:1枚・カラー図数:59枚

在庫状況 あり

親・きょうだい・子どもの三世代で学びたい、遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)の診療の実際。HBOCとは、HBOCと診断されたら、日常生活での注意点、など全59クエスチョンを掲載。初めのクエスチョンから読んでも、気になるクエスチョンを選んで読んでもわかりやすいQ&A式。患者さんとご家族、血縁者の方々など、一般の方にも読みやすい平易な文章で解説している。情報サイト一覧・保険適用一覧・用語集もついて、手頃なサイズが嬉しい。
●第1章 HBOCについて知っておきたい
Q1 HBOC(エイチビーオーシー)とは何でしょうか?
Q2 HBOCと診断されたら、どのようながんになりやすいのでしょうか?
Q3 がんとはどのような病気でしょうか?
Q4 がんは遺伝しますか?
Q5 遺伝子の検査について教えてください。
Q6 男性でもHBOCは関係あるのでしょうか?
Q7 国内でBRCA1またはBRCA2遺伝子の病的バリアントを保持する方はどのくらいいますか?
Q8 HBOCかどうか調べる検査について教えてください。
Q9 遺伝学的検査は誰でもいつでも受けられますか?
Q10 HBOCと知ることの意義は何でしょうか?
Q11 遺伝カウンセリングではどのようなことを相談できますか?
Q12 遺伝学的検査や遺伝カウンセリングはどこで受けられますか?
Q13 遺伝カウンセリングで家族の病歴を尋ねられました。どこまで伝える必要がありますか?
Q14 遺伝カウンセリングに自分以外の人も一緒に行ってもよいでしょうか?
Q15 遺伝学的検査や遺伝カウンセリングを家族や血縁者に伝えずに受けることはできますか?
Q16 遺伝学的検査や遺伝カウンセリングにかかる費用を教えてください。
Q17 検査結果はどのように表されるのでしょうか?
Q18 遺伝学的検査の結果が「陰性(Negative)」でした。今後どのような対策が必要ですか?
Q19 検査の結果が「臨床的意義不明の変化(VUS)」でした。今後どのような対策が必要ですか?

●第2章 HBOCと診断されたら知っておきたい
Q20 どのような対策や選択肢がありますか?
Q21 サーベイランスとは何ですか?検診と違うのでしょうか?
Q22 家族や血縁者への影響はありますか?
Q23 遺伝学的検査の結果を、家族や血縁者などに伝えることの意義はありますか?
Q24 未成年の子どもにHBOCのことを伝えるときの注意点はありますか?
Q25 HBOCと診断された場合、妊娠はできるのでしょうか?妊娠中や出産への影響が心配です。
Q26 HBOCと診断された方ががんにかかった場合に効きやすい薬はありますか?
Q27 リスク低減手術を検討中です。手術を受ける順番はありますか?
Q28 HBOCと診断された後、今後の診療にかかる費用を教えてください。

【乳がん】
Q29 HBOCで発症する乳がんに特徴はありますか?
Q30 乳房のセルフチェック(自己検診)について教えてください。
Q31 乳がんのサーベイランスとは何ですか?
Q32 リスク低減乳房切除術について教えてください。
Q33 乳房の再建術について教えてください。
Q34 リスク低減乳房切除術を受けた後のからだの変化や生活への影響が心配です。
Q35 リスク低減乳房切除術を受けるべきか、サーベイランスを継続するべきか決められません。
Q36 男性の乳がん対策について教えてください。
Q37 乳がんの予防に有効な薬はありますか?
Q38 HBOCで乳がん治療時に乳房温存療法は勧められますか?
Q39 リスク低減乳房切除術で摘出した乳房にがんが見つかった場合、追加の検査や治療が必要になりますか?

【卵巣がん】
Q40 HBOCで発症する卵巣がん(卵管がん、腹膜がん)に特徴はありますか?
Q41 リスク低減卵管卵巣摘出術について教えてください。
Q42 卵巣がんのサーベイランスとは何ですか?
Q43 リスク低減卵管卵巣摘出術を受けるべきか、サーベイランスを継続するべきか決められません。
Q44 リスク低減卵管卵巣摘出術を受けた後のからだの変化や生活への影響が心配です。
Q45 リスク低減卵管卵巣摘出術で摘出した卵巣や卵管にがんが見つかった場合、追加の検査や治療が必要になりますか?
Q46 卵巣がんの予防に有効な薬はありますか?

【乳がん・卵巣がん】
Q47 他のがんの治療中に、リスク低減手術を受けることはできますか?

【膵がん・前立腺がん・その他のがん】
Q48 HBOCで発症する膵がんに特徴はありますか?
Q49 膵がんのサーベイランスは必要ですか?どのようなことをしますか?
Q50 HBOCで発症する前立腺がんに特徴はありますか?
Q51 前立腺がんのサーベイランスは必要ですか?
Q52 HBOCと診断された方が、乳がんや卵巣がん、膵がん、前立腺がん以外のがんを発症した場合の影響と対策について教えてください。

●第3章 日常生活での注意点について知っておきたい
Q53 生活習慣で気をつけるべきことはありますか?
Q54 日常生活で避けるべきことや、注意が必要なことはありますか?
Q55 妊娠・出産前に、子どもがHBOCであるか調べることはできますか?
Q56 カルテ(診療録)や診断書にどのように記載されるか教えてください。
Q57 HBOCと診断されてから不安感が拭えません。どうすればよいでしょうか?
Q58 療養中に活用できる支援制度はありますか?
Q59 HBOCと診断された方と、お話しができる場所はありますか?

●資料集
資料1 HBOCを支える情報サイト一覧
資料2 HBOC診療の保険適用(保険収載状況)一覧
資料3 用語集・略語集

●コラム一覧
コラム1 遺伝学的検査の費用と精度について教えてください。
コラム2 BRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子の両方に、病気に関連した遺伝子の変化があったらどうなりますか?
コラム3 臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラー?とはどのような方なのですか?
コラム4 消費者向け(DTC)遺伝子検査とは何でしょうか?
コラム5 がんゲノム検査と聞くことが最近多いです。詳しく教えてください。
コラム6 現在の通院先ではリスク低減手術ができないと言われました。
コラム7 リスク低減卵管卵巣摘出術とリスク低減乳房切除術を同時に受けることはできますか?

●索引
はじめに

 このたび「遺伝性乳がん卵巣がんを知ろう!みんなのためのガイドブック2022年版」が刊行されました。本書を皆さんにお届けできることを大変うれしく思います。
 日本では、毎年9万人以上の女性が新たに乳がんと診断され、男性でも同じく9万人以上が前立腺がんと診断されており、これらは性別ごとに最も頻度が高いがんです。
 がんの発生には生活習慣や環境などの後天的な要因と、加齢という時間的な要因に加え、一人ひとりが生まれつきもっている体質的(遺伝的)な要因がかかわっています。この遺伝的要因がより強く影響しているがんを「遺伝性腫瘍」と呼んでいます。遺伝性乳がん卵巣がん(hereditarybreast and ovarian cancer, HBOC)は代表的な遺伝性腫瘍の一つで、乳がんの約5%、卵巣がんの約15%がHBOCであることが知られています。また、日本人全体でも数百人に1人はこのHBOCの遺伝的体質をもっており、決して珍しい病気や体質ではありません。

 このHBOCと診断された方々あるいはHBOCが疑われる方々に、よりよい医療を提供するため、2021年に医療者向けの「遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)診療ガイドライン2021年版」が刊行されました。
 がんの治療は決して医療者のみが理解すればよいというものではありません。患者さんや市民の方にも正しく病気のことを知っていただき、医療者と患者さんやご家族の共同作業として診療を行っていく必要があります。そのためにも、現在のHBOCの標準的医療について、多くの当事者、市民の方々に知っていただきたいと考え、本書が企画されました。
 
 本書は、診療ガイドライン作成を担当した医師、看護師、遺伝カウンセラーなど多くの医療職者の他、当事者の方々にもご参加いただき、文字通り医療者と市民の共同作業として制作されました。作業は医療者、当事者から出されたたくさんのクエスチョンの選択から始まり、クエスチョンに対する解説の執筆、そして内容はもちろん表現する単語の一つひとつまで何度も意見交換を行い、どなたにもわかりやすくかつ正しくHBOCを理解していただけることを心掛けました。まさに医療者と当事者の共同作業の成果です。

 昨年の医療者向け診療ガイドライン刊行後の限られた期間で、本書の完成を達成できたのは、当初の段階から構想をまとめ、見事なリーダーシップを発揮して、多くのメンバーの意見を集約し、とりまとめてくれた慶應義塾大学産婦人科学教室の小林佑介先生の功績はまさに称賛に値します。彼抜きではこのような短期間に本書の完成を見ることはなかったでしょう。また、本書の企画刊行にあたり、多大なご支援いただいた金原出版の皆さまにもこの場をお借りして心から御礼申し上げます。
 執筆、編集にかかわったすべてのメンバーの思いを込めた「遺伝性乳がん卵巣がんを知ろう!みんなのためのガイドブック2022年版」が、この本を手に取ってくださった皆さまのお役に立つことを願っています。

2022年5月

厚生労働科学研究費補助金(がん対策推進総合研究事業)
「ゲノム情報を活用した遺伝性腫瘍の先制的医療提供体制の整備に関する研究」班
研究代表者 櫻井 晃洋

一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)
理事長 中村 清吾