脳卒中後遺症に対するrTMS治療とリハビリテーション

脳卒中リハの限界に挑む、最新の磁気刺激治療を解説した実践書!!

編 著 安保 雅博 / 角田 亘
定 価 5,060円
(4,600円+税)
発行日 2013/06/03
ISBN 978-4-307-75037-0

B5判・176頁・図数:78枚・カラー図数:6枚

在庫状況 なし

慢性期の脳卒中後遺症はよくならないのか? いま、脳卒中リハの「定説」とされてきた知見が揺らいでいる。最新の磁気刺激治療「rTMS」を駆使して脳「可塑性」を高め、機能回復の限界を打ち破ろうとする本書のアプローチはまさにその好例。上肢麻痺、失語症、嚥下障害、下肢麻痺の4項目におよぶ障害別プロトコールをはじめ、磁気刺激のリハをリードする慈恵医大のメソッドを凝縮した「これからの脳卒中リハ」を切り開く一冊。
1章.rTMS 治療とリハビリテ−ション
 1.TMS の原理
 2.高頻度rTMS と低頻度rTMS
 3.rTMS のニュ−ロモジュレ−ションのメカニズム
 4.rTMS とリハビリテ−ション

2章.上肢麻痺に対するrTMS 治療
 1.病態・治療法の現状
 2.低頻度rTMS と集中的作業療法併用のプロトコ−ル
 3.当科における治療成績―多施設のデータ紹介
 4.各施設による工夫点
 5.痙縮に対する効果
 6.上肢麻痺におけるニュ−ロイメ−ジング
 7.今後の課題

3章.失語症に対するrTMS 治療
 1.病態・治療法の現状
 2.右前頭葉への低頻度rTMS
 3.言語機能代償における右大脳の重要性
 4.Functional MRI の応用
 5.低頻度rTMS と集中的言語聴覚療法併用のプロトコ−ル
 6.今後の課題

4章.嚥下障害に対するrTMS 治療
 1.病態・治療法の現状
 2.rTMS適用と嚥下リハ併用の考え方
 3.rTMSと集中的嚥下リハ併用のプロトコ−ル
 4.当科の治療成績
 5.今後の課題

5章.下肢麻痺に対するrTMS 治療
 1.下肢麻痺と上肢麻痺との相違点
 2.ダブル・コ−ンコイルを用いた高頻度rTMS の有用性
 3.高頻度rTMS と集中的理学療法併用のプロトコ−ル
 4.今後の課題
  付.rTMS と併用すべき集中的理学療法とは

6章.症例紹介(TMS 装置の取り扱い解説も含めて)
 解 説:TMS 装置の取り扱い(MagPro の場合)
 症例1:NEURO-15 における作業療法でADL 指導を重視し、麻痺側上肢運動機能の向上をADL に結びつけた症例
 症例2:NEURO-15 終了後、外来でrTMS 治療を継続することで、書字動作が自立し復職を果たした症例
 症例3:2 回のNEURO-15 によって、麻痺側上肢運動機能にさらなる改善を認めた症例
 症例4:NEURO-15 によって、上肢機能の改善のみならず、生活意欲が向上した症例
 症例5:NEURO-15 によって書字能力が改善した、失調を伴う右上肢麻痺症例
 症例6:右前頭葉下前頭回へのrTMS によって、音韻処理過程が改善したと考えられた症例
 症例7:延髄梗塞後の嚥下障害に対して、両側rTMS と集中的嚥下リハを施行した症例

7章.これからのrTMS 治療
 1.BoNT-A 併用療法
 2.レボドパ併用療法
 3.他の刺激modality の実用性

 索引