医療マッサージの基礎と応用

理学療法士養成校、マッサージ師養成校のテキストに好適!!

監 修 松澤 正
編 著 藤原 實
定 価 3,300円
(3,000円+税)
発行日 2008/10/01
ISBN 978-4-307-75021-9

B5判・140頁・図数:159枚

在庫状況 あり


本書は、著者が元の国立仙台病院付属リハビリテーション学院や仙台リハビリテーション専門学校で医療マッサージをー科目として位置づけ、講義と実習を行ったテキストを基に編集したものである。そのため、理学療法士養成校のテキストおよびマッサージ師養成校のテキストになるだけでなく理学療法の治療の効果を上げるのにも役立つ。
日常的に利用されることの多い手技について、必要な基礎知識・実技の具体的な練習方法・局所的な応用などに重点を置いた。第1章から第3章は、各自でじっくり読んで正しく学ぶ姿勢を作って頂き、第4章から第6章は、指導者や、志を同じくする人たちと共に学習する場合の拠り所に、また、第7章から第9章は、臨床応用への糸口として利用して頂ける。

第1章 医学・医療の歴史とモラルの変遷 −現代の医療関係者に求められるもの−

第2章 マッサージの歴史と意義
 I 歴史の概要
 II 日本における導入と沿革
 III 意義と定義

第3章 医療マッサージの特質 −医療として備えるべき要件−
 I 治療の狙い(目的)を明確にして行う
 II 常に評価し、記録し、考察を加えながら行う
  1. 抹消の循環障害など
  2. 筋肉および結合組織などの状態
  3. 痛みについて
  4. 関節運動について
 III 基礎医学、特に体表解剖の知識に基づいて行う
 IV 実施に当たって備うべき要件

第4章 基本手技の分類

第5章 基本手技とその応用
 I 軽擦法(Stroking, Effleurage)
  1. 種類と応用部位
   1) 手掌軽擦法
   2) 母指軽擦法
   3) 二指軽擦法
   4) 四指軽擦法
   5) 指骨軽擦法
  2. 実技習得上の要点
   1) 正しい姿勢と体位
   2) 手の当て方
   3) 手の運び方
  <参考となる研究>
   血液循環に関するもの
   リンパ液の循環に関するもの
  3. 生理的作用と臨床的意義
 II 揉捏法(Petrissage, Kneading)
  1. 種類と応用部位
   1) 手掌揉捏法
   2) 母指揉捏法
   3) 二指揉捏法
   4) 四指揉捏法
   5) 鋸切状揉捏法
   6) ろとう揉捏法
  2. 実技習得上の要点
   1) 握り方を覚える
   2) 皮膚ずれを起こさない
   3) 肘や肩を動かす
  <参考となる研究>
   筋の機能に関するもの
  3. 生理的作用と臨床的意義
 III 圧迫法(Compression, Pressure)
  1. 種類と応用部位
   1) 間歇的圧迫法
   2) 持続的圧迫法
  2. 実技習得上の要点
  <参考となる研究>
   鎮痛に関する学説
   1) ゲートコントロール説
   2) 内因性鎮痛物質の生成
   3) 関連痛とトリガーポイント療法
   4) 循環改善
   5) 筋緊張の緩和
  3. 生理的作用と臨床的意義
 IV 叩打法と振戦法
 A. 叩打法(Tapotement, Percussion)
  1. 種類と応用部位
   1) 拍打法
   2) 掌側拳打法
   3) 尺側拳打法
   4) 切打法または細切打法
   5) 指頭打法
   6) 環状叩打法
  2. 実技習得上の要点
  3. 生理的作用と臨床的意義
 B. 振戦法と振動法(Vibration, Shaking)
  1. 種類と応用部位
   1) 手掌振戦法
   2) 指頭振戦法
   3) 牽引振戦または振動
  2. 実技習得上の要点
  3. 生理的作用と臨床的意義
 V 強擦法と運動法(Deep Friction & Joint Movement)
 A. 強擦法について
  1. 種類と応用部位
   1) らせん状強擦法
   2) 渦巻状強擦法
   3) Cyriax Friction
  2. 実技習得上の要点
  3. 生理的作用と臨床的意義
 B. 運動法について
  1. 種類と応用部位
   1) 他動運動法
   2) 自己他動運動法
   3) 自動運動法
   4) 介助自動運動法
   5) 抵抗運動法
   6) 矯正法
  2. 実技習得上の要点
  <関節モビリゼーションの応用>
   1) 関節の緩みについて
   2) 凹凸の法則

第6章 身体各部の術式
 I 主な表在筋に対するマッサージ
  1. 前腕部
  2. 上腕部
  3. 下腿部
  4. 大腿部
  5. 背腰部
  6. 胸部
  7. 腹部
 II 主な関節に対するマッサージ
  1. 手関節
  2. 肘関節
  3. 肩関節
  4. 足関節
  5. 膝関節
 III その他の部位に対するマッサージ
  1. 手部
  2. 足部
  3. 股関節と殿部
  4. 頸部
  5. 顔面

第7章 特殊なマッサージ
 I 結合織マッサージ(Bindegewebsmassage, Connective tissue Massage)
  1. 歴史と意義
  2. 基本手技と基本構成
  3. 施術の実際
  4. 応用上の問題(適応と禁忌など)
 II リンパ浮腫に対するマッサージ(Manual Lymph drainage;MLD)
  1. 現状と概要
  2. フェルディ(Foeldi)の複合的理学療法(CDP)
   1) スキンケア
   2) 用手ドレナージ(マッサージ、MLD)
   3) 圧迫療法
   4) 圧迫下での運動療法
  3. マッサージ(MLD)に用いられる基本手技
   1) 静止クライス(Standing circle)
   2) ポンプ手技(Pump grip)
   3) ドレ−手技(Turn grip)
   4) シェップ手技(Scoop grip)
  4. リンパ浮腫に対するマッサージ(MLD)の実際
  <参考となる実践例>

第8章 治療体操との併用 −運動は正確に、継続は力−
 I 方向を正しく決めて
 II 回内・回外は肘を曲げて
 III Codman's exは力を抜くことから
 IV 足の背屈は爪先だけでなく
 V 腰痛体操は腰を反らさないで
 <家庭でもできる腰痛体操の手引き>

第9章 現代における適応と禁忌 −現代医療に役立つマッサージを考える−
 I 適応症について
 II 禁忌症について

あとがき