リハビリテーションMOOK 10. 神経疾患とリハビリテーション

千野 直一
定 価 6,600円
(6,000円+税)
発行日 2005/02/20
ISBN 978-4-307-75010-3

B5判・266頁

在庫状況 なし

一般に、教科書は成書と呼ばれるように、すでに学問的に確立、集大成されたもので、科学的に裏付けされたデータも5年以上経たものが多い。一方、学術誌は新しいデータを主として取り入れているために、医療の実践にどれほど役立つかを検証しきれていない。
今回、創刊された『リハビリテーションMOOK』シリーズは「教科書」と「学術誌」の特徴を取り入れることによって、「リハビリ医学」の原点に立ち返り、リハビリ医学・医療の行わなければならない使命を明確にし、21世紀へ向けての展望を行うべく企画されたものである。

運動障害を扱うリハビリテーション医学においては、神経筋疾患はその中核をなす分野といえよう。特に進行性の疾患も多く、第一線の臨床においてはそのリハビリテーションに苦慮することが多い。
本企画においては、成書や雑誌の特集で取り上げられることの多い脳卒中、脊髄損傷は除外し、日常比較的遭遇することの多い神経疾患を中心に、神経疾患の診断、治療、研究の進歩について概説した後に、各種疾患のリハビリテーションについて解説するという構成とした。
リハビリテーション科の専門医、レジデント、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、看護師など、リハビリテーションに関連するコメディカルの方たちはもちろん、医学生やコメディカルの学生たちにも必要な知識の吸収、整理という観点から、本書を大いに役立てていただきたい。
神経疾患の診断
 神経学的所見の捉え方のポイント
  A. 運動麻痺
  B. 運動失調
  C. 感覚障害
  D. 不随意運動
  E. 末梢神経障害
 画像診断の進歩
  A. 三次元CT angiography
  B. Functional MRI
  C. MRA(MR angiography)
  D. SPECT/PET
  E. 超音波診断
 電気診断
  A. 脳磁図
  B. 磁気刺激
  C. 誘発電位
  D. 筋電図、神経伝導検査
 遺伝子診断

神経疾患の研究・治療の進歩
 中枢神経系の可塑性
 薬物療法の進歩
 痙性とボツリヌス
 外科的治療の進歩
 神経因性膀胱の現状
 遺伝子治療の今後

各種疾患のリハビリテーション
 筋萎縮性側索硬化症
 多発性硬化症
 パーキンソン病
 脊髄小脳変性症
 アルツハイマー型痴呆
 多発性神経炎
 ポリオ後症候群の病態と有病率
 末梢神経損傷のリハビリテーション