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高齢者口腔がん治療ガイドライン
高齢者の口腔がん治療を詳細に検証・考察した初のガイドライン!

高齢者の口腔がんについて、患者自身や家族、医療関係者、社会における意思決定の指標を目指すガイドライン。口腔がんと診断された高齢者を対象に、(1)標準治療は可能か、(2)標準治療の施行基準、(3)標準治療が不可能な場合の治療、(4)予後規定因子について検討している。63個のCQで、手術・口腔再建・放射線療法・薬物療法・支持療法・緩和医療・リハビリテーション・がん救急・栄養治療・医療経済について、検証・考察している。
はじめに〜本ガイドラインに関して〜
1『 高齢者口腔がん治療ガイドライン』作成の経緯
2『 高齢者口腔がん治療ガイドライン』の概要
3 作成方法
4 推奨作成から最終化、公開までに関する事項
1 総論
総論
CQ1-1 高齢口腔がん患者に対する治療の目的は何か?
CQ1-2 認知症の疑いがある高齢口腔がん患者に対する治療の意思決定能力の把握とその対応をどうするか?
CQ1-3 高齢口腔がん患者のQOL は、どのように評価するべきか?
CQ1-4 高齢口腔がん患者の治療前評価に高齢者機能評価は有用か?
CQ1-5 高齢口腔がん患者に対して標準治療は可能か?
CQ1-6 高齢口腔がん患者の予後を規定する因子は?
2 手術療法(切除)
総論
CQ2-1 高齢口腔がん患者の術前評価に口腔機能評価は有用か?
CQ2-2 進行した高齢口腔がん患者に根治的手術の適応はあるか?
CQ2-3 高齢者の潜在的口腔悪性疾患は切除を行うべきか?
CQ2-4 高齢口腔がん患者の術後合併症は予測できるか?
CQ2-5 高齢口腔がん患者に対する術中評価は、手術時間、出血量だけでよいか?
CQ2-6 高齢口腔がん患者に対する適切な麻酔方法は何か?
CQ2-7 高齢口腔がん患者にERASプログラムは有用か?
CQ2-8 高齢口腔がん患者に、術前治療を行うことは有用か?
CQ2-9 根治不能な高齢口腔がん患者に対する、緩和的手術は有用か?
3 高齢者の口腔再建
総論
CQ3-1 高齢者の舌がん切除後欠損に対する再建に遊離組織移植は有効か?
CQ3-2 高齢者の口腔がん患者に対する下顎再建は有用か?
CQ3-3 高齢者の上顎部分切除に対する再建で皮弁移植は有用か?
4 放射線療法
総論
CQ4-1 高齢口腔がん患者に対する放射線療法の適応基準は何か?
CQ4-2 高齢口腔がん患者に対する強度減弱治療の適応基準は何か?
CQ4-3 高齢口腔がん患者に対する放射線療法効果は、非高齢患者と比較して異なるか?
CQ4-4 高齢口腔がん患者に対し、陽子線治療、重粒子線治療、中性子捕捉療法、定位放射線治療は有用か?
CQ4-5 高齢口腔がん患者に対し、小線源治療は有用か?
CQ4-6 高齢口腔がん患者に対する放射線療法では、非高齢者と比較して、放射線療法後の障害(早期並びに晩期)の頻度や重症度、回復能に違いはあるか?
CQ4-7 高齢口腔がん患者の再発に対して、放射線療法は有用か?
CQ4-8 高齢口腔がん患者の頸部リンパ節転移あるいは遠隔転移に対して、放射線療法は有用か?
CQ4-9 高齢口腔がん患者に対して、緩和照射は有用か?
CQ4-10 高齢口腔がん患者に対する放射線療法の中断または中止に、特有の因子はあるか?
5 薬物療法
総論
CQ5-1 口腔がんの薬物療法の適応・治療内容を年齢で一律に決定すべきか?
CQ5-2 高齢者口腔がんの放射線療法において、薬物療法の併用は有用か?
CQ5-3 高齢者口腔がんに対する超選択的動注化学放射線療法は有用か?
CQ5-4 高齢者口腔がんにおける薬物療法の適応の判断に、高齢者機能評価は有用か?
6 支持療法
総論
CQ6-1 高齢口腔がん患者における胃瘻栄養は経鼻栄養と比べて誤嚥性肺炎の低減に有効か?
CQ6-2 高齢口腔がん患者における周術期の口腔ケアは術後合併症の低減に有効か?
CQ6-3 高齢口腔がん患者への化学療法や放射線療法時における口腔ケアは合併症の低減に有効か?
CQ6-4 高齢口腔がん患者における化学療法、放射線療法に伴う口腔粘膜炎に対してステロイド製剤は有用か?
CQ6-5 高齢口腔がん患者における化学療法、放射線療法に伴う口腔粘膜炎に対して口腔粘膜被覆材は有用か?
7 緩和医療
総論
CQ7-1 高齢口腔がん患者に対する緩和ケアチームの介入は、QOL 改善に有用か?
CQ7-2 高齢口腔がん患者の緩和医療における多職種連携は有用か?
CQ7-3 高齢口腔がん終末期患者の在宅緩和ケアは可能か?
CQ7-4 口腔がん患者の自殺予防に、緩和ケア介入は有用か?
CQ7-5 高齢口腔がん患者の口腔合併症(口腔乾燥、味覚障害、口腔真菌感染症、口腔粘膜炎など)に対する口腔ケア教育は有用か?
CQ7-6 高齢口腔がん患者の疼痛管理について、留意すべき点はあるか?
8 リハビリテーション
総論
CQ8-1 高齢口腔がん患者に対して、周術期のリハビリテーション治療(摂食嚥下療法)は有用か?
CQ8-2 放射線療法中・後の高齢口腔がん患者に対して、リハビリテーション治療(摂食嚥下療法)は有用か?
CQ8-3 頸部郭清が行われた高齢口腔がん患者に対して、術後のリハビリテーション治療(上肢機能訓練)は有用か?
CQ8-4 高齢口腔がん患者の顎欠損に対して顎補綴治療は有用か?
CQ8-5 高齢口腔がん患者に対するインプラント補綴治療は口腔機能の回復やQOLの向上に有用か?
9 がん救急
総論
CQ9-1 高齢口腔がん患者における気管切開の適応は?
CQ9-2 高齢口腔がん患者では、周術期せん妄にどのような対策が必要か?
CQ9-3 高齢口腔がん患者における血栓リスク対応はどうすべきか?
10 栄養
総論
CQ10-1 栄養評価は高齢口腔がん治療の予後因子として有用か?
CQ10-2 高齢口腔がん患者において術前の栄養状態は生命予後および合併症の発症に影響するか?
CQ10-3 高齢口腔がん患者において化学放射線療法前の栄養状態は治療成績や有害事象の発症、完遂率に影響するか?
CQ10-4 高齢口腔がん患者に治療前の栄養療法を行うべきか?
11 医療経済
総論
CQ11-1 切除可能な高齢口腔がん患者に、標準治療を行うことは、医療経済上有用か?
CQ11-2 高齢口腔がん患者に、術前治療を行うことは医療経済上有用か?
CQ11-3 高齢口腔がん患者にがん薬物療法を行うことは、医療経済上有用か?
CQ11-4 高齢口腔がん患者に高齢者機能評価を行うことは、医療経済上有用か?
CQ11-5 高齢口腔がん患者に対し、周術期口腔機能管理(口腔ケア)を行うことは、医療経済上有用か?
CQ11-6 高齢口腔がん患者に対し、術後早期回復(ERAS)プログラムを行うことは、医療経済上有用か?
CQ11-7 高齢口腔がん患者に対する在宅療養支援は、医療経済上有用か?
CQ11-8 高齢口腔がん患者に対する摂食嚥下リハビリテーションは、医療経済上有用か?
索引
1『 高齢者口腔がん治療ガイドライン』作成の経緯
2『 高齢者口腔がん治療ガイドライン』の概要
3 作成方法
4 推奨作成から最終化、公開までに関する事項
1 総論
総論
CQ1-1 高齢口腔がん患者に対する治療の目的は何か?
CQ1-2 認知症の疑いがある高齢口腔がん患者に対する治療の意思決定能力の把握とその対応をどうするか?
CQ1-3 高齢口腔がん患者のQOL は、どのように評価するべきか?
CQ1-4 高齢口腔がん患者の治療前評価に高齢者機能評価は有用か?
CQ1-5 高齢口腔がん患者に対して標準治療は可能か?
CQ1-6 高齢口腔がん患者の予後を規定する因子は?
2 手術療法(切除)
総論
CQ2-1 高齢口腔がん患者の術前評価に口腔機能評価は有用か?
CQ2-2 進行した高齢口腔がん患者に根治的手術の適応はあるか?
CQ2-3 高齢者の潜在的口腔悪性疾患は切除を行うべきか?
CQ2-4 高齢口腔がん患者の術後合併症は予測できるか?
CQ2-5 高齢口腔がん患者に対する術中評価は、手術時間、出血量だけでよいか?
CQ2-6 高齢口腔がん患者に対する適切な麻酔方法は何か?
CQ2-7 高齢口腔がん患者にERASプログラムは有用か?
CQ2-8 高齢口腔がん患者に、術前治療を行うことは有用か?
CQ2-9 根治不能な高齢口腔がん患者に対する、緩和的手術は有用か?
3 高齢者の口腔再建
総論
CQ3-1 高齢者の舌がん切除後欠損に対する再建に遊離組織移植は有効か?
CQ3-2 高齢者の口腔がん患者に対する下顎再建は有用か?
CQ3-3 高齢者の上顎部分切除に対する再建で皮弁移植は有用か?
4 放射線療法
総論
CQ4-1 高齢口腔がん患者に対する放射線療法の適応基準は何か?
CQ4-2 高齢口腔がん患者に対する強度減弱治療の適応基準は何か?
CQ4-3 高齢口腔がん患者に対する放射線療法効果は、非高齢患者と比較して異なるか?
CQ4-4 高齢口腔がん患者に対し、陽子線治療、重粒子線治療、中性子捕捉療法、定位放射線治療は有用か?
CQ4-5 高齢口腔がん患者に対し、小線源治療は有用か?
CQ4-6 高齢口腔がん患者に対する放射線療法では、非高齢者と比較して、放射線療法後の障害(早期並びに晩期)の頻度や重症度、回復能に違いはあるか?
CQ4-7 高齢口腔がん患者の再発に対して、放射線療法は有用か?
CQ4-8 高齢口腔がん患者の頸部リンパ節転移あるいは遠隔転移に対して、放射線療法は有用か?
CQ4-9 高齢口腔がん患者に対して、緩和照射は有用か?
CQ4-10 高齢口腔がん患者に対する放射線療法の中断または中止に、特有の因子はあるか?
5 薬物療法
総論
CQ5-1 口腔がんの薬物療法の適応・治療内容を年齢で一律に決定すべきか?
CQ5-2 高齢者口腔がんの放射線療法において、薬物療法の併用は有用か?
CQ5-3 高齢者口腔がんに対する超選択的動注化学放射線療法は有用か?
CQ5-4 高齢者口腔がんにおける薬物療法の適応の判断に、高齢者機能評価は有用か?
6 支持療法
総論
CQ6-1 高齢口腔がん患者における胃瘻栄養は経鼻栄養と比べて誤嚥性肺炎の低減に有効か?
CQ6-2 高齢口腔がん患者における周術期の口腔ケアは術後合併症の低減に有効か?
CQ6-3 高齢口腔がん患者への化学療法や放射線療法時における口腔ケアは合併症の低減に有効か?
CQ6-4 高齢口腔がん患者における化学療法、放射線療法に伴う口腔粘膜炎に対してステロイド製剤は有用か?
CQ6-5 高齢口腔がん患者における化学療法、放射線療法に伴う口腔粘膜炎に対して口腔粘膜被覆材は有用か?
7 緩和医療
総論
CQ7-1 高齢口腔がん患者に対する緩和ケアチームの介入は、QOL 改善に有用か?
CQ7-2 高齢口腔がん患者の緩和医療における多職種連携は有用か?
CQ7-3 高齢口腔がん終末期患者の在宅緩和ケアは可能か?
CQ7-4 口腔がん患者の自殺予防に、緩和ケア介入は有用か?
CQ7-5 高齢口腔がん患者の口腔合併症(口腔乾燥、味覚障害、口腔真菌感染症、口腔粘膜炎など)に対する口腔ケア教育は有用か?
CQ7-6 高齢口腔がん患者の疼痛管理について、留意すべき点はあるか?
8 リハビリテーション
総論
CQ8-1 高齢口腔がん患者に対して、周術期のリハビリテーション治療(摂食嚥下療法)は有用か?
CQ8-2 放射線療法中・後の高齢口腔がん患者に対して、リハビリテーション治療(摂食嚥下療法)は有用か?
CQ8-3 頸部郭清が行われた高齢口腔がん患者に対して、術後のリハビリテーション治療(上肢機能訓練)は有用か?
CQ8-4 高齢口腔がん患者の顎欠損に対して顎補綴治療は有用か?
CQ8-5 高齢口腔がん患者に対するインプラント補綴治療は口腔機能の回復やQOLの向上に有用か?
9 がん救急
総論
CQ9-1 高齢口腔がん患者における気管切開の適応は?
CQ9-2 高齢口腔がん患者では、周術期せん妄にどのような対策が必要か?
CQ9-3 高齢口腔がん患者における血栓リスク対応はどうすべきか?
10 栄養
総論
CQ10-1 栄養評価は高齢口腔がん治療の予後因子として有用か?
CQ10-2 高齢口腔がん患者において術前の栄養状態は生命予後および合併症の発症に影響するか?
CQ10-3 高齢口腔がん患者において化学放射線療法前の栄養状態は治療成績や有害事象の発症、完遂率に影響するか?
CQ10-4 高齢口腔がん患者に治療前の栄養療法を行うべきか?
11 医療経済
総論
CQ11-1 切除可能な高齢口腔がん患者に、標準治療を行うことは、医療経済上有用か?
CQ11-2 高齢口腔がん患者に、術前治療を行うことは医療経済上有用か?
CQ11-3 高齢口腔がん患者にがん薬物療法を行うことは、医療経済上有用か?
CQ11-4 高齢口腔がん患者に高齢者機能評価を行うことは、医療経済上有用か?
CQ11-5 高齢口腔がん患者に対し、周術期口腔機能管理(口腔ケア)を行うことは、医療経済上有用か?
CQ11-6 高齢口腔がん患者に対し、術後早期回復(ERAS)プログラムを行うことは、医療経済上有用か?
CQ11-7 高齢口腔がん患者に対する在宅療養支援は、医療経済上有用か?
CQ11-8 高齢口腔がん患者に対する摂食嚥下リハビリテーションは、医療経済上有用か?
索引
現在、わが国では急速な高齢化が進展し、これに伴い口腔がんに罹患する高齢者の割合は増加の一途をたどっています。75 歳以上の後期高齢者では、加齢による生理的予備能の低下、フレイルやサルコペニア、複数の併存疾患、ポリファーマシー、認知機能の低下、さらに社会的支援体制の脆弱化など、多様で複雑な背景因子が治療選択に影響を与えます。そのため、従来の若年成人を前提としたがん治療アルゴリズムでは対応不能な症例が多数存在し、個別化された医療判断が不可欠となっています。
しかし、これまでのがん治療ガイドラインの多くは、高齢者特有の病態や臨床課題を十分に反映したものとは言い難く、高齢患者に対する適切な治療戦略を導くうえで、標準的な指針の不在が長らく課題でした。実際の臨床現場では、「高齢であるがゆえに治療を制限すべきか否か」「どのような全身評価をもって治療適応を判断すべきか」「生命予後とQOL の両立をいかに図るか」といった、根本的で実践的な問題に対して医療従事者が個々に対応を迫られてきたのが現状です。
以上の背景のもと、日本口腔腫瘍学会は「高齢者口腔がん治療ガイドライン委員会」を設置し、高齢者特有の特性や課題を考慮し、全臓器に先駆け「臓器別の高齢者がん治療ガイドライン」を策定しました。本ガイドラインでは、診断・治療方針の決定に必要な全身評価から、手術療法、放射線療法、化学療法、支持療法、意思決定支援、さらには緩和ケア・終末期医療、医療経済に至るまで、高齢口腔がん患者への包括的な医療のあり方を体系的に提示しています。治癒を目的とする治療だけでなく、QOL の維持、患者の意思尊重、適切な治療選択といった、現実的で柔軟な診療を重視した個別化した医療の実践のための構成となっています。
また、本ガイドラインの策定にあたり、田村和夫先生が主催する「高齢者がん医療協議会(コンソーシアム)」より多大なご協力およびご助言を賜りました。同協議会は高齢がん患者に対する集学的治療、意思決定支援、緩和ケアにおいて、わが国における先導的役割を果たしており、その知見は本ガイドラインの妥当性と実効性を高める上で極めて重要な支柱となりました。深く謝意を表します。
本ガイドラインが、医科・歯科を問わず口腔癌診療に関わるすべての医療従事者にとって、実臨床に根差した有効な指針となり、本書が臓器別高齢者がん治療の先駆的モデルとして、今後の他領域におけるガイドライン策定の礎となることを強く期待します。
追記:今回のガイドライン作成に当たり尽力いただいた、長島文雄杏林大学腫瘍内科教授、桐田忠昭前理事長、太田嘉英前理事長に感謝の意を表します。
2025年6月
日本口腔腫瘍学会 理事長
高齢口腔癌ガイドライン委員会 委員長
上田 倫弘
しかし、これまでのがん治療ガイドラインの多くは、高齢者特有の病態や臨床課題を十分に反映したものとは言い難く、高齢患者に対する適切な治療戦略を導くうえで、標準的な指針の不在が長らく課題でした。実際の臨床現場では、「高齢であるがゆえに治療を制限すべきか否か」「どのような全身評価をもって治療適応を判断すべきか」「生命予後とQOL の両立をいかに図るか」といった、根本的で実践的な問題に対して医療従事者が個々に対応を迫られてきたのが現状です。
以上の背景のもと、日本口腔腫瘍学会は「高齢者口腔がん治療ガイドライン委員会」を設置し、高齢者特有の特性や課題を考慮し、全臓器に先駆け「臓器別の高齢者がん治療ガイドライン」を策定しました。本ガイドラインでは、診断・治療方針の決定に必要な全身評価から、手術療法、放射線療法、化学療法、支持療法、意思決定支援、さらには緩和ケア・終末期医療、医療経済に至るまで、高齢口腔がん患者への包括的な医療のあり方を体系的に提示しています。治癒を目的とする治療だけでなく、QOL の維持、患者の意思尊重、適切な治療選択といった、現実的で柔軟な診療を重視した個別化した医療の実践のための構成となっています。
また、本ガイドラインの策定にあたり、田村和夫先生が主催する「高齢者がん医療協議会(コンソーシアム)」より多大なご協力およびご助言を賜りました。同協議会は高齢がん患者に対する集学的治療、意思決定支援、緩和ケアにおいて、わが国における先導的役割を果たしており、その知見は本ガイドラインの妥当性と実効性を高める上で極めて重要な支柱となりました。深く謝意を表します。
本ガイドラインが、医科・歯科を問わず口腔癌診療に関わるすべての医療従事者にとって、実臨床に根差した有効な指針となり、本書が臓器別高齢者がん治療の先駆的モデルとして、今後の他領域におけるガイドライン策定の礎となることを強く期待します。
追記:今回のガイドライン作成に当たり尽力いただいた、長島文雄杏林大学腫瘍内科教授、桐田忠昭前理事長、太田嘉英前理事長に感謝の意を表します。
2025年6月
日本口腔腫瘍学会 理事長
高齢口腔癌ガイドライン委員会 委員長
上田 倫弘
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