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きこえと遺伝子2 難聴の遺伝子診断 ケーススタディ集
平成24年度診療報酬改定対応のケ−ススタディ集がいよいよ刊行!

編 集 | 宇佐美 真一 |
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定 価 | 4,180円 (3,800円+税) |
発行日 | 2012/10/10 |
ISBN | 978-4-307-37106-3 |
B5判・128頁・図数:25枚・カラー図数:45枚
在庫状況 | なし |
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前書「きこえと遺伝子」の続刊となるケ−ススタディ集。平成24年度の診療報酬改定にて、先天性難聴の遺伝子診断が保険診療として認められた。今後、遺伝子診断は難聴の診断・治療、療育を考えるうえで必要不可欠な診断ツ−ルとなることが予想される。信州大学病院では、これまでも難聴の遺伝子診断を軸とした難聴医療に積極的に取り組んできた。いま臨床現場が知りたい診断・治療・遺伝カウンセリングのノウハウを症例を提示しながら紹介する。
『序』より
「難聴」は症状名であり診断名ではない。長い間難聴は原因不明の疾患としてひとまとめに扱われてきたが、近年のヒトゲノム解析研究の発展により、多くの原因遺伝子が同定されるようになり、もはや難聴は原因不明の疾患ではなくなった。遺伝子診断によるサブタイプ分類を行い、個々の症例に最も適した治療戦略を立てる個別化医療が可能になってきた。先天性難聴の遺伝子診断は2008 年に先進医療として認められ、さらには2012 年4月から保険診療として臨床現場で実施できるようになった。現在、新生児聴覚スクリ−ングによって難聴児が早期に発見され、人工内耳の発達によって高度難聴児でも聴覚を活用しての言語発達が可能になってきた。今後、遺伝子診断を軸にした新しい難聴医療が展開されることが予想される。
耳鼻咽喉科専門医や臨床遺伝専門医をはじめ、難聴児を取り扱うコメディカルにとっても遺伝子診断は難聴の診断や治療を考える上で必要不可欠な診断ツ−ルとなることが予想されるが、個々の症例に対してどのように利用したらよいのか、あるいは説明やカウンセリングに際しどのようなことに注意したらよいのかといった経験の蓄積がまだ十分でないと思われる。信州大学病院では、従来から難聴の遺伝子診断を軸にした難聴医療を展開してきたが、今回の保険収載を機に、我々の経験した症例を中心にケ−ススタディ集としてまとめさせていただいた.本書では、実際に難聴遺伝子診療外来で行われている「難聴カウンセリング」と「遺伝カウンセリング」の紹介と、その際に忘れてはならない重要なポイントを中心に解説した。2006 年に出版した拙著「きこえと遺伝子」と合わせ、難聴の遺伝子医療を実践する際に活用していただければ幸いである。
『序』より
「難聴」は症状名であり診断名ではない。長い間難聴は原因不明の疾患としてひとまとめに扱われてきたが、近年のヒトゲノム解析研究の発展により、多くの原因遺伝子が同定されるようになり、もはや難聴は原因不明の疾患ではなくなった。遺伝子診断によるサブタイプ分類を行い、個々の症例に最も適した治療戦略を立てる個別化医療が可能になってきた。先天性難聴の遺伝子診断は2008 年に先進医療として認められ、さらには2012 年4月から保険診療として臨床現場で実施できるようになった。現在、新生児聴覚スクリ−ングによって難聴児が早期に発見され、人工内耳の発達によって高度難聴児でも聴覚を活用しての言語発達が可能になってきた。今後、遺伝子診断を軸にした新しい難聴医療が展開されることが予想される。
耳鼻咽喉科専門医や臨床遺伝専門医をはじめ、難聴児を取り扱うコメディカルにとっても遺伝子診断は難聴の診断や治療を考える上で必要不可欠な診断ツ−ルとなることが予想されるが、個々の症例に対してどのように利用したらよいのか、あるいは説明やカウンセリングに際しどのようなことに注意したらよいのかといった経験の蓄積がまだ十分でないと思われる。信州大学病院では、従来から難聴の遺伝子診断を軸にした難聴医療を展開してきたが、今回の保険収載を機に、我々の経験した症例を中心にケ−ススタディ集としてまとめさせていただいた.本書では、実際に難聴遺伝子診療外来で行われている「難聴カウンセリング」と「遺伝カウンセリング」の紹介と、その際に忘れてはならない重要なポイントを中心に解説した。2006 年に出版した拙著「きこえと遺伝子」と合わせ、難聴の遺伝子医療を実践する際に活用していただければ幸いである。
1.遺伝子診断で医療が変わる─遺伝子診断を軸にした新しい難聴医療
1-1 正確な診断は難聴医療の第一歩
1-2 遺伝子診断により広がる可能性
2.難聴の遺伝子診断の有用性─サブタイプ分類による個別化医療
2-1 聴力の予測
2-2 予後の予測
2-3 随伴症状・合併症の予測
2-4 難聴発症予防
2-5 適切な介入法,治療法の選択
3.効率的なスクリ−ニング法─保険収載になった先天性難聴の遺伝子診断
3-1 どのように原因遺伝子検索を進めるか?
3-2 先進医療から保険収載へ
3-3 日本人に見出される難聴の原因遺伝子
3-4 確定診断率,変異検出率を上げるためには追加検査が必要
3-5 基礎研究から臨床応用へ
3-6 これからの遺伝子解析
4.新しいスタイルのカウンセリング─「難聴カウンセリング」と「遺伝カウンセリング」
4-1 新しいスタイルのカウンセリング
4-2 「難聴カウンセリング」と「遺伝カウンセリング」
4-3 難聴の遺伝カウンセリングの際の基本的な注意点
5.遺伝子を扱うときの注意点─日本医学会ガイドラインについて
5-1 ガイドライン作成の経緯と概要
5-2 ガイドラインの特徴
5-3 未成年者を対象とする遺伝学的検査
5-4 個人遺伝情報の取り扱い
5-5 遺伝カウンセリング
6.遺伝カウンセリングの重要性─遺伝子診断の特殊性
6-1 遺伝カウンセリングの定義
6-2 遺伝情報の取り扱い
6-3 遺伝カウンセリングの専門家
6-4 遺伝カウンセリングが考慮される状況
7.家系図の書き方,変異の表記法─家族歴の取り方のコツ
7-1 家系図の書き方
7-2 ゲノム情報の入手方法
7-3 変異の表記法
8.難聴の遺伝カウンセリング ケ−ススタディ
8-1 GJB2 遺伝子c.235delC 変異が見出されたケ−ス
8-2 GJB2 遺伝子p.V37I 変異が見出されたケ−ス
8-3 聴力検査の結果が施設間で不一致となったケ−ス
8-4 結婚に際して相談に来たケ−ス
8-5 GJB2 遺伝子変異がへテロ接合体で見出されたケ−ス
8-6 SLC26A4 遺伝子変異が複合ヘテロ接合体で見出されたケ−ス
8-7 SLC26A4 遺伝子変異がへテロ接合体で見出されたケ−ス
8-8 ミトコンドリア 1555A>G 変異が見出されたケ−ス
8-9 CDH23 遺伝子変異が見出されたケ−ス
8-10 KCNQ4 遺伝子変異が見出されたケ−ス
8-11 TECTA 遺伝子変異が見出されたケ−ス
8-12 WFS1 遺伝子変異が見出されたケ−ス
8-13 OTOF 遺伝子変異が見出されたケ−ス
8-14 MYO15A 遺伝子変異が見出されたケ−ス
8-15 ミトコンドリア 3243A>G 変異が見出されたケ−ス
8-16 ミトコンドリア 8296A>G 変異が見出されたケ−ス
8-17 MYO7A 遺伝子変異が見出されたUsher 症候群のケ−ス
8-18 難聴を合併する症候群
8-19 変異が見出されなかったケ−スの遺伝カウンセリング
8-20 保因者診断に関連した遺伝カウンセリング
8-21 出生前診断に関連した遺伝カウンセリング
9.難聴遺伝カウンセリングロ−ルプレイ
9-1 遺伝学的検査と遺伝カウンセリング
9-2 遺伝カウンセリングロ−ルプレイの重要性
9-3 難聴遺伝カウンセリングロ−ルプレイの実際
あとがき
索 引
1-1 正確な診断は難聴医療の第一歩
1-2 遺伝子診断により広がる可能性
2.難聴の遺伝子診断の有用性─サブタイプ分類による個別化医療
2-1 聴力の予測
2-2 予後の予測
2-3 随伴症状・合併症の予測
2-4 難聴発症予防
2-5 適切な介入法,治療法の選択
3.効率的なスクリ−ニング法─保険収載になった先天性難聴の遺伝子診断
3-1 どのように原因遺伝子検索を進めるか?
3-2 先進医療から保険収載へ
3-3 日本人に見出される難聴の原因遺伝子
3-4 確定診断率,変異検出率を上げるためには追加検査が必要
3-5 基礎研究から臨床応用へ
3-6 これからの遺伝子解析
4.新しいスタイルのカウンセリング─「難聴カウンセリング」と「遺伝カウンセリング」
4-1 新しいスタイルのカウンセリング
4-2 「難聴カウンセリング」と「遺伝カウンセリング」
4-3 難聴の遺伝カウンセリングの際の基本的な注意点
5.遺伝子を扱うときの注意点─日本医学会ガイドラインについて
5-1 ガイドライン作成の経緯と概要
5-2 ガイドラインの特徴
5-3 未成年者を対象とする遺伝学的検査
5-4 個人遺伝情報の取り扱い
5-5 遺伝カウンセリング
6.遺伝カウンセリングの重要性─遺伝子診断の特殊性
6-1 遺伝カウンセリングの定義
6-2 遺伝情報の取り扱い
6-3 遺伝カウンセリングの専門家
6-4 遺伝カウンセリングが考慮される状況
7.家系図の書き方,変異の表記法─家族歴の取り方のコツ
7-1 家系図の書き方
7-2 ゲノム情報の入手方法
7-3 変異の表記法
8.難聴の遺伝カウンセリング ケ−ススタディ
8-1 GJB2 遺伝子c.235delC 変異が見出されたケ−ス
8-2 GJB2 遺伝子p.V37I 変異が見出されたケ−ス
8-3 聴力検査の結果が施設間で不一致となったケ−ス
8-4 結婚に際して相談に来たケ−ス
8-5 GJB2 遺伝子変異がへテロ接合体で見出されたケ−ス
8-6 SLC26A4 遺伝子変異が複合ヘテロ接合体で見出されたケ−ス
8-7 SLC26A4 遺伝子変異がへテロ接合体で見出されたケ−ス
8-8 ミトコンドリア 1555A>G 変異が見出されたケ−ス
8-9 CDH23 遺伝子変異が見出されたケ−ス
8-10 KCNQ4 遺伝子変異が見出されたケ−ス
8-11 TECTA 遺伝子変異が見出されたケ−ス
8-12 WFS1 遺伝子変異が見出されたケ−ス
8-13 OTOF 遺伝子変異が見出されたケ−ス
8-14 MYO15A 遺伝子変異が見出されたケ−ス
8-15 ミトコンドリア 3243A>G 変異が見出されたケ−ス
8-16 ミトコンドリア 8296A>G 変異が見出されたケ−ス
8-17 MYO7A 遺伝子変異が見出されたUsher 症候群のケ−ス
8-18 難聴を合併する症候群
8-19 変異が見出されなかったケ−スの遺伝カウンセリング
8-20 保因者診断に関連した遺伝カウンセリング
8-21 出生前診断に関連した遺伝カウンセリング
9.難聴遺伝カウンセリングロ−ルプレイ
9-1 遺伝学的検査と遺伝カウンセリング
9-2 遺伝カウンセリングロ−ルプレイの重要性
9-3 難聴遺伝カウンセリングロ−ルプレイの実際
あとがき
索 引