急性中耳炎の治療のコツ 診療ガイドラインの使い方

診療ガイドラインの具体的な使い方を、実際の症例からわかりやすく解説!

編 者 山中 昇
定 価 5,280円
(4,800円+税)
発行日 2010/05/25
ISBN 978-4-307-37101-8

B5判・176頁・図数:93枚・カラー図数:79枚

在庫状況 なし

ATOMSブックシリーズ2となる本書では、『小児急性中耳炎診療ガイドライン2009年版』をもとに、その具体的な使い方を解説する。2009年版ガイドラインの主な変更点である加算年齢の引き下げ、光錐項目の追加を含めたスコアリングの基礎について、また個々の症例を提示し、ガイドラインでは触れていない具体的な治療の実際を述べた。軽症・中等症・重症例のみならず、反復例・難治例や鼻副鼻腔炎合併例、アレルギー性鼻炎合併例についても、診断・治療のコツをわかりやすく解説した。
序にかえて
巻頭カラー

1.診療ガイドラインの解説
 1.ガイドラインの要点
  Q1.ガイドラインが作成された背景は?
  Q2.急性中耳炎ではどのステージでも同じ治療を行うのか?
  Q3.具体的な治療法は?
 2.2006年版から2009年版への変更点
  Q4.重症度分類はどのように変わったのか?
  Q5.点耳薬については?
  Q6.耳痛の対策は?
  Q7.反復性中耳炎の診療については?

2.中耳炎のスコアリングの実際と重症度分類
 1.光錐項目の追加
  Q1.なぜ光錐減弱(鼓膜混濁)の評価が追加されたのか?
  Q2.光錐減弱(鼓膜混濁)の読み方のコツは?
 2.鼓膜の発赤、膨隆スコア
  Q3.鼓膜発赤、膨隆の読み方のコツは?
 3.スコアリングの実際
  Q4.2歳未満のスコアリングの簡便な方法は?
  Q5.2歳以上のスコアリングの簡便な方法は?
  Q6.急性中耳炎緩解期の評価については?

3.軽症例の治療と管理
 1.私はこうしている(その1)
  Q1.軽症例における説明のコツは?
  Q2.Safety netをどのようにはるか?
  Q3.鎮痛薬の使い方は?
  Q4.抗菌薬の使用をいつ判断するか?
 2.私はこうしている(その2)
  Q1.症例の呈示
  Q2.軽症例における説明のコツは?
  Q3.Safety netをどのようにはるか?
  Q4.鎮痛薬の使い方は?
  Q5.抗菌薬の使用をいつ判断するか?

4.中等症の治療と管理
 1.私はこうしている(その1)
  Q1.2歳未満の急性中耳炎(中等症)−鼓膜切開しなかった症例
  Q2.2歳未満の急性中耳炎(中等症)−鼓膜切開した症例
  Q3.2歳の急性中耳炎(中等症)−鼓膜切開しなかった症例
  Q4.2歳未満の急性中耳炎の特徴は?
  Q5.2歳以上の急性中耳炎の特徴は?
  Q6.鼓膜切開をいつ行うか?
 2.私はこうしている(その2)
  Q1.2歳未満の急性中耳炎(中等症)−鼓膜切開しなかった症例
  Q2.2歳未満の急性中耳炎(中等症)−鼓膜切開した症例
  Q3.2歳以上の急性中耳炎(中等症)−鼓膜切開しなかった症例
  Q4.2歳以上の急性中耳炎(中等症)−鼓膜切開した症例
  Q5.後から鼓膜切開は必要なかったのでは?と思われる症例はあるか
  Q6.鼓膜切開が必要な症例はどんな症例か?いつ行うのが適当か?

5.重症例の治療と管理
 1.私はこうしている(その1)
  Q1.急性中耳炎が重症化する要因は?
  Q2.重症例の治療は?
  Q3.インフォームドコンセントのポイントは?
  Q4.抗菌薬選択のポイントは?
  Q5.外科的治療の選択は?(鼓膜切開術or鼓膜換気チューブ挿入術)
 2.私はこうしている(その2)
  1.2歳未満児の場合
   Q1.乳幼児の急性中耳炎における留意点は?
   Q2.2歳未満の3点加点について
  2.重症度スコアと鼓膜切開
   Q3.重症度と鼓膜切開、鼓膜換気チューブ留置の判断は?
  3.2歳未満の治療と管理−症例から
   Q4.7カ月、男児−鼓膜切開施行にて改善した症例
   Q5.6カ月、男児−鼓膜切開を行うも治癒に1カ月を要した症例
   Q6.10カ月、男児−チューブ留置を予定したが緩解した症例
   Q7.鼓膜切開は必須か?

6.反復例の治療と管理
 1.反復性中耳炎の診断と反復化の要因
  Q1.反復性中耳炎は単純急性中耳炎と何がどう違うのか?
  Q2.反復性中耳炎は2歳未満に多いのか?
  Q3.反復性中耳炎の診断に必要な問診事項は?
 2.simple recurrent AOMとrecurrent AOM on OME
  Q4.反復性中耳炎の鼓膜所見は?
  Q5.simple recurrent AOMとrecurrent AOM on OMEでは治療方針が異なるか?
 3.鼓膜換気チューブ治療
  Q6.鼓膜換気チューブはいつ入れるのか?
  Q7.鼓膜換気チューブは何を使うか?
  Q8.鼓膜換気チューブはいつ抜去するか?

7.難治例・遷延例の診療と治療
 1.遷延性貯留液と滲出性中耳炎の鑑別
  Q1.遷延性中耳貯留液の考え方は?
  Q2.滲出性中耳炎の考え方は?
  Q3.遷延性中耳貯留液と滲出性中耳炎を鑑別する必要があるか?
  Q4.遷延性中耳貯留液に対する治療の考え方は?
 2.遷延性中耳炎
  Q5.遷延性中耳炎の考え方は?
  Q6.初診時に遷延性である可能性は予測できるか?
 3.小児の胃食道逆流症(GERD)
  Q7.小児の胃食道逆流症(GERD)とは?
  Q8.きわめて難治な反復性中耳炎とGERDの関連性は?
  Q9.小児のGERDと治療の方法は?

8.鼻副鼻腔炎合併例に対する治療
 1.私はこうしている(その1)
  Q1.鼻漏の対策は?
  Q2.鼻副鼻腔炎合併により急性中耳炎の重症度をアップすべきか?
  Q3.抗菌薬の選択は?−急性中耳炎が軽症でも鼻汁の多い場合
  Q4.抗菌薬の選択は?−マクロライド療法中に急性中耳炎を発症した場合
 2.私はこうしている(その2)
  Q1.鼻漏の対策は?
  Q2.鼻副鼻腔炎合併により急性中耳炎の重症度をアップすべきか?−症例から
  Q3.抗菌薬の選択は?
9.アレルギー性鼻炎合併例に対する治療
 1.私はこうしている(その1)
  Q1.症例の呈示
  Q2.低年齢児のアレルギー性鼻炎の特徴は?
  Q3.アレルギー性鼻炎の急性中耳炎への影響は?
  Q4.アレルギー性鼻炎の鼻副鼻腔炎への影響は?
  Q5.アレルギー性鼻炎の喘息への影響は?
  Q6.低年齢児のアレルギー性鼻炎の診断は?
  Q7.アレルギー性鼻炎合併例の急性中耳炎の治療は?
 2.私はこうしている(その2)
  Q1.アレルギー性鼻炎は急性中耳炎の発症や治癒に影響するか?
  Q2.アレルギー性鼻炎は中耳炎の難治化に影響するか?
  Q3.アレルギー性鼻炎を治療すれば反復性中耳炎を解決できるか?
  Q4.急性中耳炎が多い低年齢小児にアレルギー性鼻炎患者は多い?
  Q5.急性中耳炎に合併したアレルギー性鼻炎をすべて薬物治療の対象とするか?

10.漢方治療の適応と実際
  Q1.なぜ中耳炎を反復する子どもがいるのか?
  Q2.どのような症例に漢方薬を考慮するのか?
  Q3.漢方薬の選択と、その用量や投与期間は?
  Q4.保護者への切り出し方、説明方法は?
  Q5.漢方薬を上手に飲ませるコツは?
  Q6.他の治療との組み合わせ方は?
  Q7.漢方薬が効かないときはどうする?
  Q8.飲み止めたら再発した場合は?
  Q9.忘れられない子どもたち
  Q10.今後の展望は?

11.中耳炎専門外来の実際
 Q1.病診連携をどのように行うか?
 Q2.どのようにfollow-upするか?−保護者の理解と協力を得るために
 Q3.レーザー鼓膜開窓およびチューブ留置の判断は?
 Q4.どのような症例に側頭骨CTが必要か?

12.日常生活の管理
 1.私はこうしている(その2)
  1.入浴
   Q1.急性中耳炎の際の入浴は?
  2.保育園・幼稚園
   Q2.鼻漏と急性中耳炎を反復する保育園児の集団保育参加は?
  3.水泳教室
   Q3.スイミングに通っている場合は休ませるのがよいか?
  4.家庭での注意点
   Q4.家庭でできる注意は?
   Q5.タバコは中耳炎にとってよくないのか?
  2.私はこうしている(その2)
   1.保育園・幼稚園
    Q1.保育園で服薬をしてくれない場合は、1日3回服用と書かれた抗菌薬でも1日2回(朝夕)投与にしてもよいか?
    Q2.保育園で急性中耳炎が伝染するのか?
    Q3.保育園は急性中耳炎や反復性中耳炎のリスクファクターなのか?
    Q4.急性中耳炎罹患時には休園すべきか?
   2.水泳教室
    Q5.単純急性中耳炎罹患後にプールへ入ってもよい時期はいつ頃か?
    Q6.遷延性・反復性中耳炎ではスイミングは止めたほうがよいか?
    Q7.鼓膜換気チューブ留置中にプールに入る場合、耳栓を装用すべきか?
   3.家庭での注意点
    Q8.耳漏が止まれば内服薬(あるいは治療)を中止してもよいか?
    Q9.鼓膜切開後の入浴や日常生活上の制限は?

13.海外の診療ガイドラインとその解説
 1.米国急性中耳炎診療ガイドライン
 2.オランダ小児急性中耳炎診療ガイドライン
 3.英国小児急性中耳炎診療ガイドライン
 4.日本外来小児科学会によるガイドライン

まとめ
索引