日帰り・短期入院による低侵襲性手術を目指した 実践鼓膜・鼓室形成術 中耳手術の基本・各論・症例

湯浅 涼
定 価 10,780円
(9,800円+税)
発行日 2002/03/31
ISBN 978-4-307-37061-5

B5判・180頁・図数:519枚・カラー図数:113枚

在庫状況 なし

 最近はあらゆる手術において,低侵襲性手術Minimally invasive surgeryが導入され,日帰り手術Day surgery化,短期入院Short
stay化が推進されています。
 本書は鼓膜形成術の低侵襲化としての接着法(湯浅法)ならびに,その延長上にある低侵襲化された鼓室形成術に関する手術解説書です。
 第1章では低侵襲化中耳手術のための基本的な事項を述べ,第2章では「接着法」について,基本的な手技,特殊例に対する対処法,再穿孔対処法など,本法を行い遭遇する諸問題に対してカラー写真や図を多用して解説。第3章では50症例を選び,術前状態,手術所見,術後経過,患者へのインフォームド・コンセント,コメントなどを1症例毎に見開き2頁で構成,それぞれ示唆に富む症例で,読者にとって身近な問題として役立つものと思われます。
 鼓室形成術を実際に行っている術者,あるいはこれから志す専門医にとって,低侵襲化する中耳手術にどのように対処すればより良い成果が得られるか,また,鼓膜再穿孔例,真珠腫再発例など再手術へどのように対処すべきかなどを解説した実践的な指南書です。
■第1章 中耳手術のための重要事項
1)低侵襲化鼓室形成術に必要な器械類
手術用顕微鏡/手術用器械/術野の画像記録
2)術前検査
一般検査/耳鏡検査/聴力検査/耳漏検査/画像診断/耳管機能検査
3)麻酔−中耳手術は局所麻酔が基本
局所麻酔/全身麻酔
4)術中聴力検査−そのための機材,方法,有効性
5)生体接着剤−フィブリン糊−
■第2章 中耳手術各論
1)鼓膜形成術(接着法)
接着法の基本手技(鼓膜麻酔 移植弁採取 穿孔縁の新鮮化 移植弁のトリミング・固定 術後経過 適応・禁
忌 合併症 特殊例への対応 再穿孔対処法)
2)鼓室形成術
適応ならびに術式/経外耳道的上鼓室開放型鼓室形成術(外耳道開創,外耳道皮膚切開・剥離 上鼓室側壁骨(
Scutum)削除 中・上鼓室病巣の郭清 顔面神経の確認 アブミ骨の確認 下鼓室病巣の郭清 形成鼓膜の癒着
防止 鼓膜形成 耳小骨連鎖形成 上鼓室側壁Scutum再建)/経外耳道的乳突蜂巣削開術(適応 皮膚切開・乳
突蜂巣削開 削開乳突腔の処理)/副損傷を回避するポイント(顔面神経麻痺 感音難聴 味覚障害 半規管損
傷 出血 硬膜損傷)
3)術後治療・管理
鼓膜形成術/鼓室形成術(TCA+R)/真珠腫に対するCWD法
■第3章 症例に則した中耳手術(50症例)
鼓膜形成術(接着法)
鼓室形成術(非真珠腫性中耳炎)
鼓室形成術(真珠腫)
耳小骨連鎖形成形成術ならびにアブミ骨手術
■付 録
クリテイカルパスのための資料/患者さんからの術後の感想文/中耳手術用電子カルテ