目でみる 視力・屈折検査の進めかた 第2版増補

イラストをみていくだけで視力・屈折検査の大要が理解できる!

著 者 所 敬 / 山下 牧子
定 価 4,730円
(4,300円+税)
発行日 2023/01/31
ISBN 978-4-307-35175-1

B5判・176頁

在庫状況 あり

文章をできるだけ少なくし、イラストをたどるだけで、視力・屈折検査の基本と実際が理解できるように構成された好評書。第2版では光を波面として考える波面光学や高次波面収差,logMAR 表による測定の概要を追記した。増補版となる今作では2015年発売のスポット・ビジョン・スクリーナー(SVS)の使い方や屈折矯正法の1つであるオルソケラトロジーが近視進行予防法として脚光を浴びていることなども踏まえた改訂となっている。
I 眼の構造と機能
1 眼球付属器
2 眼球
3 視路

II 眼の光学
1 眼の光学系
2 眼の屈折系
3 収差
4 眼の軸と角度

III 屈折異常
1 正視と屈折異常
2 遠視
3 近視
4 乱視

IV 不同視

V 視力検査
1 視力
2 視力検査法

VI 屈折検査
1 屈折検査の目的
2 屈折検査の種類
3 自覚的屈折検査
4 他覚的屈折検査

VII 屈折矯正法
1 眼鏡
2 コンタクトレンズ
3 眼内レンズ
4 オルソケラトロジー
5 屈折矯正手術
6 各矯正法の比較

付 眼鏡処方法
1 眼鏡処方の順序
2 眼鏡処方上必要なこと
3 眼鏡処方箋の実際例
第2版増補 序文

 視力・屈折検査は眼科の診療上の基本です。最近、Quality of Life(QOL)が世間で大きく取り上げられ、豊かな人生を送るためには、外界の80%の情報が入る視覚、特に視力が大切であることは論をまちません。視力・屈折検査には眼科疾患の検出の目的と快適な眼鏡あるいはコンタクトレンズの処方を行う2つの目的があります。視力低下の原因で最も多いのは、遠視、近視、乱視などの屈折異常で、この検査には他覚的屈折検査と自覚的屈折検査が重要で、これらの検査に精通することは大切です。
 近年、遠見障害では小児近視あるいは成人進行近視が問題になっています。近見障害で最も多いのは加齢に伴う老視です。最近は高齢化社会といわれ、半数以上は老眼鏡が必要です。遠近両用レンズは累進屈折力レンズの進歩や遠近両用のコンタクトレンズの開発など目覚ましいものがあります。また、スマホなどの利用が増加して眼精疲労の人が増加していますが、不適切な眼鏡装用者も少なくありません。いずれにしても、これらに正確、適切に対処するには視力・屈折検査は必修で、かつ、適切な眼鏡処方あるいはコンタクトレンズ処方が行われなければなりません。
 本書は視力・屈折の基本が学べるように企画されており、好評のうちに増刷を重ねてきましたが、第2版から16年が経過しました。この間、基本的な事柄は変わりませんが、難解であった点を分かりやすく書き改めました。また、眼科学の進歩に伴い、新しいことも取り入れました。例えば、光を直線で考える従来の幾何光学ではなく、光を波面として考える波面光学、幾何光学のSeidelの5収差では説明できない高次波面収差、logMAR表による測定の概要、0〜3歳でも屈折検査ができ弱視の早期発見に重要な機器として我が国でも2015年から発売されたスポット・ビジョン・スクリーナー(SVS)、屈折矯正法の1つであるオルソケラトロジーが近視進行予防法として脚光を浴びていることなどを追記しました。
 初版にも書きましたが、本書では文章は少なくし、文章とイラストの説明とがやや重複する箇所もありますが、イラストをたどれば、その大要が理解できる構成になっています。さらに、「アクセスポイント」、「さあ準備して」、「やってみよう」、「もの知りコラム」などを随所に追加・挿入して理解を助けるようにしました。
 本書には視力・屈折検査の基本と実際が分かりやすく記載されていて、研修医や視能訓練士には必読の書と思います。大いに眼科臨床に活用していただくよう期待しております。
 第2版増補に際してご尽力いただいた金原出版株式会社、中立稔生氏に厚くお礼申し上げます。

2023年1月
著者