産婦人科感染症マニュアル

産婦人科に特化した感染症マニュアルの決定版!

編 集 日本産婦人科感染症学会
定 価 5,500円
(5,000円+税)
発行日 2018/02/20
ISBN 978-4-307-30135-0

B6判・344頁・カラー図数:52枚

在庫状況 あり

日常診療の合間に参照することを目的とした産婦人科領域の感染症マニュアル。各感染症の概要から診断・治療に至るまでを迅速に確認できるよう、ポイントを箇条書きで記載。疾患ごとだけでなく、感染部位別や母子感染対策の切り口からも多角的に解説することで、知りたい情報にすぐにアクセスできる。産婦人科医 必携の一冊!


『産婦人科感染症マニュアル』第2刷発行に伴う修正点についてはこちらをご覧ください
chapter 1

総論 産婦人科感染症診療の基本原則
1.産婦人科感染症における問診と所見のとりかた
2.抗微生物薬の基礎知識─薬剤選択のポイントと投与量
3.妊産婦・胎児への安全性からみた感染症治療薬の使い方
4.妊婦健診におけるスクリーニングの考え方
5.産婦人科感染症とワクチン
6.流早産と感染症
7.周術期の感染管理
コラム・話題 女性生殖器のマイクロバイオーム(常在菌叢)


chapter 2

各論A 感染部位別 婦人科感染症の鑑別診断
○外陰および腟の感染症
 1.外陰炎
 2.バルトリン腺炎
 3.腟炎・細菌性腟症
○子宮の感染症
 4.子宮頸管炎
 5.子宮内膜炎・子宮筋層炎・子宮傍結合組織炎
○付属器の感染症
 6.卵管炎・子宮付属器炎
○骨盤・腹腔内の感染症
 7.骨盤腹膜炎・肝周囲炎
 8.結核・放線菌感染症
○その他
 9.感染性乳腺炎
 10.尿路感染症─膀胱炎、腎盂腎炎、無症候性細菌尿
コラム・話題 オウム病

各論B 疾患別 性感染症診療の実際
○細菌感染症
 1.淋菌感染症─妊婦を含む
 2.梅毒─妊婦を含む
 3.クラミジア感染症
 4.軟性下疳
 5.マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症
○ウイルス感染症
 6.性器ヘルペス─性器ヘルペスウイルス感染症
 7.HPV感染症─尖圭コンジローマを含む
 8.性器伝染性軟属腫
○真菌・寄生虫感染症
 9.外陰腟カンジダ症
 10.腟トリコモナス症
 11.赤痢アメーバ症
 12.疥癬
 13.ケジラミ症
コラム・話題 ジカウイルス病と先天性ジカウイルス感染症

各論C 周産期感染症の管理 ─母子感染対策─
1.トキソプラズマ
2.サイトメガロウイルス
3.パルボウイルスB19
4.風疹
5.麻しん
6.インフルエンザ
7.性器ヘルペス
8.HPV・尖圭コンジローマ
9.水痘・帯状疱疹ウイルス
10.B群連鎖球菌
11.劇症型A群連鎖球菌感染症
12.HIV感染症
13.肝炎ウイルス
14.HTLV-1
コラム・話題 Haemophilus influenzaeの母子感染
刊行にあたって

 人類の長い歴史は、感染症との戦いの歴史であったといっても過言ではありません。ヒトの命を奪うような重大な感染症は、人類の英知によって、その多くは克服されてきましたが、なおあらゆる臓器の疾患に感染症は大きく関連しています。産婦人科においても例外ではなく、女性性器の多くの疾患に感染症が関連しています。分子生物学の発達は、子宮頸がんの原因にヒトパピローマウイルスの感染が深く関連していることなど感染症の奥の深さを示しました。一方で、ジカ熱など新しい感染症が発見されるなど感染症学は日進月歩です。
 産婦人科感染症が他科における感染症と大きく異なる点は、次世代にまで大きな影響を及ぼす母子感染を扱うことです。B型肝炎ウイルスやヒト免疫不全ウイルスの母子感染予防戦略では、すでに大きな成果が挙げられてきました。しかし、サイトメガロウイルス、トキソプラズマ、単純ヘルペスウイルスなど、なお多くの病原体の母子感染の研究は道半ばですが、本書では、現時点での母子感染予防のための最良の対応のあり方が述べられています。

 今回発刊する「産婦人科感染症マニュアル」は、本学会の学術担当理事であり、本マニュアル作成委員会の委員長である山田 秀人氏のリーダーシップのもと、産婦人科感染症の臨床と研究に心血を注いで来られた本学会会員が情熱を傾けて執筆したものです。特筆すべきは、でき上った原稿をさらに本学会の会員が査読し、ときに専門的に過ぎる部分をわかりやすくするなど、日常臨床により役立つようにした点です。
 感染症に精通した本学会会員の英知を結集した本書は、必ずや日常臨床にお役に立てるものと確信しています。本書を出版することができたのは、金原出版株式会社編集部 中立 稔生氏のお蔭です。慈に心から深謝致します。

平成30年1月吉日
日本産婦人科感染症学会 理事長
川名 尚