乳癌診療ガイドライン 2026年版 第6版

これまでの2分冊が改訂・凝縮された1冊となって新登場!

編 集 日本乳癌学会
定 価 7,700円
(7,000円+税)
発行日 2026/06/26
ISBN 978-4-307-20511-5

B5判・592頁・図数:4枚・カラー図数:55枚

在庫状況 なし

乳癌の薬物療法、外科療法、放射線療法、疫学・予防、検診・画像診断、病理診断に関する臨床議題をBQ・CQ・FRQに分類し、それぞれの科学的根拠、益と害のバランス、患者の希望の一貫性、経済的視点などを踏まえて作成された最新の診療指針。治療全体の総説、計26項目の各領域総説、計141項目のBQ、CQ、FRQの掲載に加え、新たにQOL・医療経済評価の章が追加された。医療者と患者のShared Decision Making実現に必携の一冊。
■本ガイドラインの概要

□治療総説

I.用語の定義
II.非浸潤性乳管癌(ductal carcinoma in situ;DCIS)
III.早期浸潤性乳癌(Stage I-IIIA)
IV.局所進行乳癌(Stage IIIB、IIIC)
V.転移・再発乳癌

□薬物療法

1.初期治療
総説1 フローチャート
1.非浸潤癌
2-1.浸潤癌―ホルモン受容体陽性HER2陰性
2-2.浸潤癌―トリプルネガティブ
2-3.浸潤癌―HER2陽性
 BQ1 閉経前ホルモン受容体陽性乳癌に対する術後内分泌療法として、タモキシフェンまたはタモキシフェン+LH-RHアゴニストは標準治療か?
 BQ2 閉経後ホルモン受容体陽性乳癌に対する術後内分泌療法として、アロマターゼ阻害薬またはタモキシフェンは標準治療か?
 CQ1 ホルモン受容体陽性非浸潤性乳管癌に対して、乳房部分切除術後の内分泌療法は推奨されるか?
 CQ2 閉経前ホルモン受容体陽性乳癌に対する術後内分泌療法として、LH-RHアゴニストとアロマターゼ阻害薬の併用は推奨されるか?
 CQ3 浸潤性乳癌に対して、術後5年間の内分泌療法後に内分泌療法の追加投与は推奨されるか?
 CQ4 ホルモン受容体陽性HER2陰性乳癌に対する術後療法として、内分泌療法にS-1を併用することは推奨されるか?
 CQ5 ホルモン受容体陽性HER2陰性乳癌に対する術後療法として、内分泌療法にアベマシクリブを併用することは推奨されるか?
 CQ6 生殖細胞系列BRCA病的バリアントを有する再発高リスク乳癌患者の術後療法として、オラパリブは推奨されるか?
 FRQ1 ホルモン受容体陽性HER2陰性浸潤性早期乳癌に対して、術前内分泌療法は勧められるか?
 FRQ2 浸潤径0.5cm以下でリンパ節転移陰性のホルモン受容体陽性乳癌に対して、術後内分泌療法省略は勧められるか?
 BQ3 周術期化学療法を行うHER2陰性乳癌に対して、アントラサイクリン系とタキサン系の順次投与は勧められるか?
 CQ7 術後化学療法を行うHER2陰性早期乳癌に対して、TC療法は推奨されるか?
 CQ8 化学療法を行うHER2陰性早期乳癌に対して、dose-dense化学療法は推奨されるか?
 CQ9 術前化学療法で病理学的完全奏効(pCR)が得られなかったHER2陰性乳癌に対する術後化学療法として、カペシタビンは推奨されるか?
 CQ10-1 ホルモン受容体陽性HER2陰性リンパ節転移陰性の早期乳癌で、オンコタイプDXの再発スコアが11〜25の場合、術後化学療法を省略することは推奨されるか?
 CQ10-2 ホルモン受容体陽性HER2陰性リンパ節転移1〜3個陽性の早期乳癌で、オンコタイプDXの再発スコアが0〜25の場合、術後化学療法を省略することは推奨されるか?
 BQ4 再発リスクの低いHER2陽性早期乳癌に対する術後薬物療法として、パクリタキセル+トラスツズマブまたはTC+トラスツズマブは標準治療か?
 BQ5 術前薬物療法を行うHER2陽性早期乳癌に対して、アントラサイクリン系-タキサン系+トラスツズマブ+ペルツズマブまたはTCHP療法は標準治療か?
 BQ6 術前薬物療法で病理学的完全奏効(pCR)が得られなかったHER2陽性早期乳癌に対する術後薬物療法として、トラスツズマブ エムタンシンは標準治療か?
 CQ11 高齢者のHER2陽性早期乳癌に対する術後薬物療法として、トラスツズマブのみによる治療は推奨されるか?
 CQ12 周術期化学療法を行うトリプルネガティブ乳癌に対して、化学療法にペムブロリズマブを併用することは推奨されるか?
 FRQ3 術前薬物療法で病理学的完全奏効(pCR)が得られたHER2 陽性早期乳癌に対する術後薬物療法として、何が勧められるか?
 FRQ4 HER2陽性早期乳癌に対して、術後薬物療法を省略できる対象はあるか?
 FRQ5 浸潤径1cm以下・リンパ節転移陰性のトリプルネガティブ乳癌に対して、術後化学療法は勧められるか?
 FRQ6 乳癌術後フォローアップ中に、ctDNAを用いたMRD評価は勧められるか?
 BQ7 病理分類で特殊型と診断された乳癌では、組織型に応じた周術期薬物療法を行うことが勧められるか?

2.転移・再発治療
総説2 フローチャート
1.転移・再発―治療の原則
2.転移・再発―ホルモン受容体陽性HER2陰性
3.転移・再発―トリプルネガティブ
4.転移・再発―HER2陽性
 CQ13 ホルモン受容体陽性HER2陰性転移・再発乳癌に対する一次内分泌療法として、内分泌療法にパルボシクリブを併用することは推奨されるか?
 CQ14 ホルモン受容体陽性HER2陰性転移・再発乳癌に対する一次内分泌療法として、内分泌療法にアベマシクリブを併用することは推奨されるか?
 CQ15 CDK4/6阻害薬を使用したホルモン受容体陽性HER2陰性転移・再発乳癌の二次内分泌療法として、フルベストラントにCDK4/6阻害薬を併用することは推奨されるか?
 CQ16 CDK4/6阻害薬を使用したホルモン受容体陽性HER2陰性転移・再発乳癌の二次内分泌療法として、フルベストラントにカピバセルチブを併用することは推奨されるか?
 CQ17 生殖細胞系列BRCA病的バリアントを有する転移・再発乳癌患者に対して、オラパリブは推奨されるか?
 CQ18 生殖細胞系列BRCA病的バリアントを有する転移・再発乳癌患者に対して、タラゾパリブは推奨されるか?
 BQ8 HER2陰性転移・再発乳癌に対して、化学療法(ADC含む)は勧められるか?
 CQ19 化学療法歴のないホルモン受容体陽性HER2低発現および超低発現の転移・再発乳癌に対して、トラスツズマブ デルクステカンは推奨されるか?
 CQ20 化学療法歴のあるHER2低発現の転移・再発乳癌に対して、トラスツズマブ デルクステカンは推奨されるか?
 CQ21 化学療法歴のあるホルモン受容体陽性HER2陰性転移・再発乳癌に対して、ダトポタマブ デルクステカンは推奨されるか?
 CQ22 HER2陽性転移・再発乳癌に対する一次治療として、トラスツズマブ デルクステカンとペルツズマブの併用療法を行うことは推奨されるか?
 CQ23 HER2陽性転移・再発乳癌に対する二次治療として、トラスツズマブ デルクステカンは推奨されるか?
 CQ24 化学療法歴のあるトリプルネガティブ転移・再発乳癌に対して、サシツズマブ ゴビテカンは推奨されるか?
 CQ25 PD-L1陽性のトリプルネガティブ転移・再発乳癌に対する一次治療として、サシツズマブ ゴビテカンとペムブロリズマブの併用療法を行うことは推奨されるか?
 CQ26 PD-L1陽性のトリプルネガティブ転移・再発乳癌に対する一次治療として、パクリタキセル(アルブミン懸濁型)にアテゾリズマブを併用することは推奨されるか?
 FRQ7 ホルモン受容体陽性HER2陽性転移・再発乳癌に対して、抗HER2療法と内分泌療法の併用は提案できるか?
 FRQ8 HER2陽性転移・再発乳癌の一次治療としてトラスツズマブ デルクステカンとペルツズマブの併用療法を行った場合、二次以降の治療として何が勧められるか?

3.その他(特殊病態、補完・代替療法、がんゲノムプロファイル等)
 FRQ9 局所・領域再発切除術後に薬物療法は勧められるか?
 FRQ10 脳転移または髄膜播種を伴う転移・再発乳癌に対して、薬物療法は勧められるか?
 FRQ11 早期乳癌または転移・再発乳癌に対して、運動療法は勧められるか?
 FRQ12 早期乳癌または転移・再発乳癌に対して、補完・代替療法(運動療法以外)は勧められるか?
 FRQ13 転移・再発乳癌に対して、がんゲノムプロファイリング検査は勧められるか?
その他の特殊病態 男性乳癌、高齢者乳癌、妊娠期乳癌、悪性葉状腫瘍、原発不明癌、骨修飾薬(関連書籍、ガイドラインの紹介)

付1 化学療法レジメンの処方例
付2 薬剤一覧

□外科療法

1.乳房手術
総説1 乳癌初期治療における乳房手術
 FRQ1 非浸潤性乳管癌に対して切除をすぐに行わず経過観察や内分泌療法のみを行うことは勧められるか?
 FRQ2 術前化学療法により臨床的に完全奏効(cCR)を得られた浸潤性乳癌に対する非切除は勧められるか?
 FRQ3 Non-surgical ablation(ラジオ波焼灼療法、または凍結療法)は早期乳癌に対する局所療法として勧められるか?
  FRQ3a ラジオ波焼灼療法
  FRQ3b 凍結療法
 BQ1 整容性を重視した乳房全切除術として、皮膚温存乳房全切除術(SSM)や乳頭温存乳房全切除術(NSM)は勧められるか?
 FRQ4 ロボット支援下乳頭温存乳房全切除術(R-NSM)は推奨されるか?

2.腋窩手術
総説2 乳癌初期治療における腋窩手術
 CQ1 乳房温存療法を適用する臨床的リンパ節転移陰性の早期乳癌患者に対してセンチネルリンパ節生検の省略は勧められるか?
 CQ2 cN0患者においてセンチネルリンパ節にマクロ転移を認める場合、腋窩リンパ節郭清省略は勧められるか?
  CQ2a 乳房部分切除術かつ適切な放射線療法を行う場合
  CQ2b 乳房全切除術かつ適切な放射線療法を行う場合
 BQ2 T3/T4a-cN0乳癌に対してセンチネルリンパ節生検による腋窩ステージングを行うことは勧められるか?
 FRQ5 腋窩手術のde-escalationのために臨床的腋窩リンパ節転移陽性患者に対して転移リンパ節へのマーカー留置は勧められるか?
 CQ3 臨床的リンパ節転移陽性乳癌が術前化学療法施行後、臨床的リンパ節転移陰性となった場合、腋窩手術の縮小化は推奨されるか?

3.再建手術
総説3 乳癌初期治療における乳房再建
 FRQ6 人工物の胸筋前留置は勧められるか?
 CQ4 乳房再建法としての脂肪移植は勧められるか?

4.転移・再発
総説4 転移・再発乳癌に対する外科手術
 CQ5 診断時より遠隔転移を有するStage IV乳癌に対して生存期間の延長を目的とした治療早期の原発巣切除は推奨されるか?
 BQ3 乳房部分切除術後の温存乳房内再発に対するセンチネルリンパ節生検は勧められるか?

□放射線療法

総説1 乳癌放射線療法の基本
総説2 乳房手術後放射線療法が勧められない状況
1.乳房手術後放射線療法
 BQ1 StageI-II乳癌に対する乳房部分切除術後の放射線療法として全乳房照射は勧められるか?
 BQ2 非浸潤性乳管癌に対して乳房部分切除術後に放射線療法は勧められるか?
 BQ3 乳房部分切除術後の全乳房照射において中等度寡分割照射は勧められるか?
 FRQ1 乳房部分切除術後の全乳房照射において超寡分割照射は勧められるか?
 CQ1 乳房部分切除術後の照射法として(加速)乳房部分照射は勧められるか?
 FRQ2 T1-2N0乳癌において乳房部分切除術後に放射線療法の省略は勧められるか?
 BQ4 術前化学療法後に病理学的完全奏効(pCR)が得られた乳房部分切除術後患者でも、温存乳房への放射線療法は勧められるか?
 BQ5 乳房部分切除術後に断端陰性の場合、全乳房照射後の腫瘍床に対するブースト照射は勧められるか?
 BQ6 乳房部分切除術と腋窩リンパ節郭清後、転移陽性の患者に領域リンパ節への放射線療法(RNI)は勧められるか?
  BQ6a 腋窩リンパ節転移4個以上の場合
  BQ6b 腋窩リンパ節転移1〜3個の場合
 BQ7 乳房全切除術と腋窩リンパ節郭清後、転移陽性の患者に乳房全切除術後放射線療法(PMRT)は勧められるか?
  BQ7a 腋窩リンパ節転移4個以上の場合
  BQ7b 腋窩リンパ節転移1〜3個の場合
 BQ8 乳房全切除術後放射線療法(PMRT)では胸壁と領域リンパ節を照射野に含めるべきか?
 BQ9 領域リンパ節転移陰性で腫瘍径が大きい場合もしくは手術後断端陽性の場合は乳房全切除術後放射線療法(PMRT)が勧められるか?
 BQ10 乳房全切除術後の再建乳房に対する放射線療法は勧められるか?
 CQ2 cN0で、乳房部分切除術後にセンチネルリンパ節に転移を認めたが腋窩リンパ節郭清が省略された患者に、領域リンパ節への放射線療法(RNI)は勧められるか?〔微小転移の場合〕
 FRQ3 cN0でセンチネルリンパ節に転移を認めたが腋窩リンパ節郭清が省略された患者に、放射線療法は勧められるか?
  FRQ3a 乳房部分切除術後に、全乳房照射に加え領域リンパ節照射(RNI)は必要か? 〔マクロ転移の場合〕(微小転移の場合は放射線CQ2へ)
  FRQ3b 乳房全切除術後に、乳房全切除術後放射線療法(PMRT)は必要か? 〔微小転移の場合〕
  FRQ3c 乳房全切除術後に、乳房全切除術後放射線療法(PMRT)は必要か? 〔マクロ転移の場合〕
 CQ3 領域リンパ節照射(RNI)を伴う乳房手術後放射線療法を行う患者に対して、通常分割照射と同等の治療として中等度寡分割照射は勧められるか?
  CQ3a 乳房部分切除術もしくは乳房全切除術(再建なし)を行った場合
  CQ3b 乳房全切除術(再建あり)を行った場合
 CQ4 領域リンパ節照射(RNI)を伴う乳房手術後放射線療法を行う内胸リンパ節転移陰性の患者に対して、内胸リンパ節領域を含めることが勧められるか?
 FRQ4 術前薬物療法が奏効した場合でも、乳房部分切除術後の領域リンパ節照射(RNI)あるいは乳房全切除術後放射線療法(PMRT)は勧められるか?
 BQ11 乳房手術後放射線療法の適切なタイミングはどのようなものか?
 BQ12 BRCA病的バリアントを有する乳癌患者に対し、乳房手術後の放射線療法は勧められるか?

2.転移・再発乳癌
 FRQ5 乳癌の局所・領域リンパ節再発で、根治を目指した集学的治療の一環として放射線療法を行うことが勧められるか?
 ●脳転移、骨転移、少数個転移に対する放射線療法 → 治療総説 V.5.参照

□疫学・予防

1.疫学総論
総説1 日本人女性の乳癌罹患率、乳癌死亡率の推移
総説2 日本人女性と欧米人女性の乳癌予後の比較
総説3 生理・生殖に関する因子と乳癌発症リスクとの関連

2.乳癌発症リスク―(1)生活習慣・環境因子
総説4 食事関連因子と乳癌発症リスクの関連
 BQ1 アルコール飲料の摂取は乳癌発症リスクを増加させるか?
 BQ2 喫煙(受動喫煙含む)は乳癌発症リスクを増加させるか?
 BQ3 乳製品の摂取は乳癌発症リスクを減少させるか?
 BQ4 コーヒーの摂取は乳癌発症リスクを減少させるか?
 BQ5 大豆、イソフラボンの摂取は乳癌発症リスクを減少させるか?
 BQ6 サプリメントの服用は乳癌発症リスクを減少させるか?
 BQ7 肥満は乳癌発症リスクと関連するか?
 BQ8 運動は乳癌発症リスクを減少させるか?
 BQ9 夜間勤務は乳癌発症リスクを増加させるか?
 BQ10 乳癌発症リスクに関連する心理社会的要因はあるか?

3.乳癌発症リスク―(2)合併疾患・治療薬
 BQ11 低用量経口避妊薬(OC)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)の使用は乳癌発症リスクを増加させるか?
 BQ12 閉経後女性ホルモン補充療法は乳癌発症リスクを増加させるか?
 BQ13 糖尿病は乳癌発症リスクを増加させるか?
 FRQ1 不妊治療における排卵誘発は乳癌発症リスクを増加させるか?

4.乳癌発症リスクの評価と化学予防
 FRQ2 日本人の乳癌発症リスク評価として遺伝子情報を用いたモデルは有用か?
 BQ14 マンモグラフィの乳房濃度は乳癌発症リスクと関連するか?
 BQ15 乳癌未発症者に対し、乳癌発症リスク低減を目的とした予防的内分泌療法は有用か?

5.癌遺伝子診断と乳癌発症予防
総説5 遺伝性乳癌と遺伝学的検査、遺伝カウンセリング
 CQ1 BRCA1あるいはBRCA2に病的バリアントをもつ女性にリスク低減乳房切除術(RRM)は勧められるか?
  CQ1a 既発症者の場合
  CQ1b 未発症者の場合
 CQ2 BRCA1あるいはBRCA2に病的バリアントをもつ女性にリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)は勧められるか?
 CQ3 BRCA1あるいはBRCA2に病的バリアントをもつ乳癌患者に乳房部分切除術は勧められるか?
 FRQ3 BRCA1あるいはBRCA2に病的バリアントをもつ乳癌患者に対し対側乳癌発症予防を目的とした内分泌療法は勧められるか?
 FRQ4 BRCA1あるいはBRCA2に病的バリアントをもつ乳癌未発症者に対し予防的内分泌療法は勧められるか?
 FRQ5 乳癌患者に対し遺伝性腫瘍症候群に関する多遺伝子パネル検査(MGPT)は勧められるか?

6.乳癌患者の生活習慣・環境因子と予後の関連
 CQ4 乳癌診断前後での体重変化は乳癌患者の予後に影響するか?
 CQ5 身体活動は乳癌患者の予後と関連するか?
 CQ6 アルコールの摂取は乳癌患者の予後と関連するか?
 CQ7 喫煙は乳癌患者の予後と関連するか?
 CQ8 乳製品の摂取は乳癌患者の予後に影響を及ぼすか?
 BQ16 妊娠期・授乳期の乳癌は予後が不良か?
  BQ16a 妊娠期の場合
  BQ16b 授乳期の場合
 BQ17 乳癌初期治療後の脂肪の食事摂取は乳癌患者の予後に影響を及ぼすか?
 BQ18 イソフラボン摂取は乳癌患者の予後に影響を及ぼすか?

7.乳癌患者に対する心理的サポート
 BQ19 心理社会的介入は乳癌患者に有用か?

□検診・画像診断

1.検診
 BQ1 日本人女性にはどのような検診マンモグラフィが勧められるか?
 CQ1 マンモグラフィ乳がん検診において読影AIソフトウェアを使用することは推奨されるか?
 FRQ1 乳房超音波検診の補助としてAI(人工知能)を用いることは推奨されるか?
 FRQ2 自動乳房超音波検査(ABUS)による乳がん検診は有効か?
 FRQ3 非造影MRIによる乳がん検診は勧められるか?
 FRQ4 妊娠期に乳がん検診は勧められるか?

2.サーベイランス
 CQ2 BRCA病的バリアント保持者に造影MRIによる乳癌サーベイランスは推奨されるか?

3.診断―(1)精密検査
総説1 診断カテゴリーとPPV3
 BQ2 診断マンモグラフィにおいて乳房トモシンセシスを追加することは勧められるか?
 BQ3 乳房病変の精密検査としてドプラ法を用いた非造影超音波検査による血流評価は勧められるか?
 CQ3 乳房病変の精密検査として乳房超音波エラストグラフィは推奨されるか?
 FRQ5 マンモグラフィ検診で検出される淡い集簇性石灰化病変にマンモグラフィガイド下生検は必須か?
総説2 診断目的の造影乳房MRIの使い方
総説3 組織診の使い分け

4.診断―(2)癌確定後術前(広がり・術前化学療法)
 BQ4 術前造影乳房MRIにおけるMRI検出病変に対するアプローチはどうすべきか?
 BQ5 乳癌の術前にどのような全身検索を行うか?
 BQ6 腋窩リンパ節の評価にどのような画像検査を行うか?
 FRQ6 術前化学療法における効果判定にMRIは勧められるか?
 FRQ7 術前化学療法における効果予測(治療前・中間評価・治療後)にPETは勧められるか?

5.転移・再発乳癌のモニタリング、術後フォローアップ
総説4 転移・再発乳癌に対する全身薬物療法のモニタリングにどのような画像検査を行うか?
総説5 術後の画像診断をどのように行うか?
 FRQ8 神経学的症状のない転移乳癌や再発高リスク乳癌における頭蓋内スクリーニングは推奨されるか?

□病理診断

1.乳癌診療における病理診断―(1)基本項目
総説1 乳癌診療で重要な病理学的情報と診断の概要
総説2 Intrinsic subtype分類、分子生物学的リスク分類と病理診断

2.乳癌診療における病理診断―(2)病理組織学的評価項目
 BQ1 非浸潤性乳管癌(DCIS)で病理学的グレードを評価することは勧められるか?
 BQ2 乳房部分切除検体の断端診断はどのように行うか?
 BQ3 術前薬物療法後、病理組織学的に治療効果を判定することは勧められるか?

3.乳癌診療における病理診断―(3)バイオマーカー検査
 BQ4 乳癌組織におけるホルモン受容体検査はどのように行うか?
 FRQ1 トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)の適応となるHER2 低発現および超低発現乳癌の診断はどのように行うか?
 FRQ2 浸潤性乳癌におけるPD-L1検査はどのように行うか?
 FRQ3 浸潤性乳癌における腫瘍浸潤リンパ球(TILs)の診断は有用か?
 CQ1 穿刺吸引検体から作製された乳癌セルブロック標本での乳癌バイオマーカー検索は推奨されるか?

4.病理診断プロセス
総説3 病理組織検体の適切な取り扱いについて
 BQ5 乳房病変の確定診断のために、穿刺吸引細胞診(FNA)、針生検(CNB)、吸引式乳房組織生検(VAB)のいずれのアプローチを最初に行うのがよいか?
総説4 良悪性の鑑別が困難な病変の病理診断や取り扱いについて
総説5 前駆病変、非浸潤性小葉腫瘍の診断と管理
総説6 乳癌の転移・再発が疑われる病変の病理診断

5.将来展望
 FRQ4 乳腺病理診断におけるAI(人工知能)は有用か?

□QOL・医療経済評価

総説1 乳癌診療ガイドラインにおけるQOL
総説2 乳癌診療ガイドラインにおける医療経済評価
付 薬剤コスト一覧

略語一覧
索引
 このたび、日本乳癌学会編「乳癌診療ガイドライン2026年版」を刊行するにあたり、ご挨拶申し上げます。乳癌診療ガイドラインは、2002年の厚生労働科学研究費補助金研究として作成された「科学的根拠に基づく乳がん診療ガイドライン作成に関する研究」報告書に基づき、2004年より数年に1度のペースで作成されて参りました。
 本ガイドラインの目的は、「わが国における乳癌患者の予後延長と生活の質(QOL)の向上を目指し、乳癌の診断および治療に関するエビデンスならびに推奨を提示することで、医療者と患者が協働して治療方針を決定するプロセス(shared decision making)に資する有用なツールとなること」とされています。患者様やご家族、そして乳癌診療に携わるすべての方々にとりまして、重要な道標となりますことを心より願っております。
 今回の2026年版では、2018年の改訂から導入しました「Minds診療ガイドライン作成マニュアル」に準拠した手順を守りつつ、益と害にもより焦点を当て、「有益性と有害性のバランス」すなわち、「望ましい効果と望ましくない効果のバランス」に基づいた推奨決定会議での議論の詳細も記されている点に特徴があります。臨床試験の結果に基づく科学的根拠にも重きを置きつつ、一方で、治療方針の決定に重要な医療経済・コストや望ましくない効果にも着目している点も、ぜひ、ご活用いただければと願っております。
 本ガイドラインの作成にあたりましては、15段階の細かな手順を踏んだのち、各CQに対する「推奨」と「推奨の強さ」を決定するために、延べ3日間にわたる推奨決定会議が開催されております。推奨決定会議には、診療ガイドライン委員会委員長・副委員長3名、各小委員会の委員長・副委員長20名、小委員会委員30〜40名程度、乳癌経験者1名、薬剤師2名、看護師1名の計55〜65名が参加し、さまざまな立場や視点から詳細な議論がなされております。幅広い領域やテーマにおいて、最新の情報を網羅した、最高品質のガイドラインを皆様にお届けすることができ、大変嬉しく存じております。本ガイドラインの作成に携わってくださいました、すべての皆様に心より敬意を表しますとともに、厚く御礼申し上げます。
 本ガイドラインが、皆様の日常臨床のさまざまな場面で、有用なツールとしてお役に立てますことを心より願っております。

2026年5月
日本乳癌学会 理事長
石田 孝宣