乳がん治療後「疲れやすくなった・脂肪が増えた・筋肉が減った」を改善する本
奥松流おすすめトレーニング&レシピ
| 著 者 |
奥松 功基〔リオールジム代表〕 |
| 定 価 |
2,420円 (2,200円+税) |
| 発行日 |
2026/03/06 |
| ISBN |
978-4-307-20505-4 |
B5変判・168頁・カラー図数:60枚
多くの患者さんが経験する乳がん治療後の「疲労感・肥満・筋力低下」を本書で解決! 医師推奨のパーソナルトレーニングジムを主宰する著者が、オリジナルダイエット法「ABダイエット」やレシピ、またエビデンスに基づいたトレーニング法を伝授する。つらい疲労、なかなか取れない脂肪、落ちてしまった筋力を解決し、乳がん治療後のQOLをぐっと引き上げる、頼もしい味方をぜひお手元に。
Chapter 1 乳がん治療後の疲労感・体力低下でお困りの方へ 〜運動と食事改善のススメ〜
1-1 はじめに
1-2 乳がんと診断された母が教えてくれた「運動と食事」の大切さ
1-3 私がこの本を書く理由“研究と現場の橋渡し役”
1-4 運動腫瘍学(エクササイズ・オンコロジー)とは
1-5 乳がん治療でなぜ疲れやすくなる?
Chapter 2 「疲れやすくなった」を改善 〜持久力アップのススメ〜
2-1 乳がん治療で「10年分の持久力」が下がる?
2-2 持久力を高めるためにウォーキングは効率的?
2-3 疲労改善! 持久力アップのためのオススメ運動法
2-4 持久力はさまざまな病気予防と関連がある
2-5 持久力は体脂肪率や体型にも関係する!?
2-6 劇的に体力が上がったOさんの事例
Chapter 3 「脂肪が増えた」を改善 〜ABダイエット・レシピのススメ〜
3-1 肥満が乳がん再発リスクを高める理由
3-2 ホルモン療法で体重が増える?
3-3 体重を減らすためには食事が重要
3-4 食材を理解したABダイエット法
3-5 意外と気づきにくいB食材
3-6 ABダイエットの実例
3-7 A食材を使ったダイエットの工夫
3-8 B食材を使った増量の工夫
Chapter 4 「筋肉が減った」を改善 〜筋トレのススメ〜
4-1 抗がん剤の影響で10年分の筋肉量が減る!?
4-2 筋肉は血糖コントロールにも重要
4-3 筋肉をつけるなら、筋トレと有酸素運動のどっちが効率的?
4-4 筋肉をつけるための具体的な量と強度について
4-5 プロテインと乳がん
4-6 リンパ浮腫と筋トレ
Chapter 5 よりよい日常生活を過ごすために 〜運動習慣化のススメ〜
5-1 運動を習慣化するコツ
5-2 時間がないときの運動
5-3 術後いつから運動を開始できる?
5-4 抗がん剤や放射線治療中の運動の注意点
おわりに
■Chapter 1-1「はじめに」より
皆さま、こんにちは。奥松功基(おくまつ こうき)と申します。2021年に筑波大学でスポーツ医学の博士号を取得し、東京・築地にある乳腺専門クリニック マンマリアツキジに併設されている「リオールジム」で、主に乳がんや婦人科がんを経験された方などへのトレーニング指導を行っています。専門は、がん経験者向けの運動と食事のサポートです。これまで、各種医学会や学術誌などでさまざまな研究発表を行っており、本書では乳がん経験者向けの運動の重要性について、できるかぎり分かりやすくお伝えしたいと思います。
「がん治療を通して体力が落ちてしまったけれど、何を運動すればよいか分からない…」「運動はちょっと苦手…」という方にも「これならできそう!」と感じていただける内容を目指しています。
■巻末「おわりに」より
本書を最後までご覧いただき、ありがとうございました。本書でお伝えしたかった点は、乳がん診断後のさまざまなお悩みに対して、運動には良い効果があること、治療で落ちた体力も、運動を続けることで着実に回復するということ、そして、体づくりの基本となる日々の食習慣の大切さです。
特に運動には非常に多くの利点があります。予後の改善や日常生活をスムーズに過ごすためにも、運動はできる範囲でトライしたほうがよいと感じています。筆者の施設の利用者の実例として、はじめは低体力で階段を登るのも難しかった方がスイス旅行で1日2万歩を歩いてハイキングを楽しまれた姿や、酸素ボンベが手放せず日常生活に制限があった方が劇的に体力を回復し、今では酸素ボンベなしで元気に過ごされている姿などを見て、運動の力を実感し、胸が熱くなったこともあります。また、毎回のトレーニング後に素敵な笑顔で「今日もありがとうございました!」と言って帰られる姿を見ると、運動は心身ともに良い効果が得られるのだと感じています。
本書執筆の際の細かな工夫として、これまでに行われてきた研究を引用するときは、同じ結論の学術論文が複数ある場合、なるべく分野トップの雑誌を引用するようにしました。研究内容を確認しながら引用文献をつける作業はとても時間がかかりましたが、できるかぎりエビデンスに基づいた内容になるよう、手間を惜しまずに取り組みました。学術論文における研究は、測定法や解析法などにさまざまな工夫がなされており、その運動プログラムを忠実に再現すると、良い効果が得られる可能性が高まります。本書では、そうした信頼できる論文をもとに、無理のない運動プログラムや栄養に関する内容を紹介しました。学術的な根拠を知ることで、運動を続けるモチベーションとなり、日々の食習慣を大切にしていく助けにもなると考えています。
本書を通して、皆さんが運動や良い食習慣を続ける楽しさを感じ、前向きな気持ちで毎日を過ごす励みになれば幸いです。
2026年2月
リオールジム 代表 奥松 功基
山内 英子
乳腺外科医・ハワイ大学がんセンター教授
まさかの乳がんの診断を受けたあなた。背中を押されるように前に進み、やっとの思いで治療を終えた後、ふと気がついてみたら、「体力が落ちている」「体重が増えてきたみたい」「すっかりだるくて、何のやる気もしない」、そんな「困った!」に押しつぶされそうになることがあると思います。
著者の奥松さんは、その乳がん治療後の「困った!」を現場でキャッチし、それを解決するために奔走しています。世界中のあらゆる情報を集め、また自身も自分のアイディアで研究し、私たちと共にずっと乳がん患者さんと走ってきたチームの一員です。この本は、今もこれからもライフワークとして乳がん患者さんのために走り続ける奥松さんだからこそ、伝えることができる内容になっています。
今のあなたは、一生懸命に治療を頑張り、大変だった戦いを乗り越えてきた「誇り高いあなた」です。まずはそれを認めて、褒めてあげて、さあ、そして、次の一歩へ。ぜひ、あなたに寄り添ってくれる伴走者として、この本を手に取ってください!
2026年2月