JASCCがん支持医療ガイドシリーズ がん治療に伴う皮膚障害アトラス&マネジメント 第2版

がん治療の完遂と患者さんのQOL向上に役立つ皮膚障害アトラス

編 集 日本がんサポーティブケア学会
定 価 4,180円
(3,800円+税)
発行日 2025/05/19
ISBN 978-4-307-20492-7

B5判・256頁・図数:10枚・カラー図数:325枚

在庫状況 なし

近年のがん治療ではさまざまな作用機序の薬剤を使用するため、その副作用として生じる皮膚障害も多様化している。皮膚障害への対応の遅れは薬物療法の完遂率低下や患者さんのQOL低下につながる可能性もあり早期の対応が求められる。本書では各治療で生じる皮膚障害を初版と同様にアトラスを用いてわかりやすくまとめるとともに、新たに放射線皮膚炎、感染症、支持療法の副作用についても記載した。予定通りのがん治療の完遂と患者さんのQOL維持・向上のために、臨床現場で役立つ一冊。
■本アトラスについて
■第2版について
■本アトラスの症例からみた支持療法のアルゴリズム

第1章 分子標的薬
1 EGFR 阻害薬
 1 ざ瘡様皮疹 (症例1〜4)
  スキンケアのポイント(ざ瘡様皮疹)
 2 皮膚乾燥(症例1〜5)
  スキンケアのポイント(皮膚乾燥)
 3 血管障害、びらん・潰瘍(症例1〜7)
  スキンケアのポイント(びらん・潰瘍)
 4 爪囲炎(症例1〜5)
  スキンケアのポイント(EGFR 阻害薬による爪囲炎)
 5 毛髪・睫毛異常(症例1〜2)

2 マルチキナーゼ阻害薬
 1 手足症候群(症例1〜4)
  スキンケアのポイント(手足症候群)
 2 多形紅斑(症例1)
  スキンケアのポイント(多形紅斑)
3 その他の小分子性阻害薬
 1 皮膚障害(症例1〜9)
  スキンケアのポイント(脱毛)

第2章 殺細胞性抗がん薬
1 代謝拮抗薬、アントラサイクリン系、微小管阻害薬
 1 皮膚障害(症例1〜10)
  スキンケアのポイント(殺細胞性抗がん薬による爪障害)

第3章 ホルモン療法薬
1 皮膚の生理的および病的変化(症例1)

第4章 免疫チェックポイント阻害薬
1 皮膚障害(症例1〜10)
  スキンケアのポイント(免疫チェックポイント阻害薬による皮膚免疫関連有害事象におけるスキンケア)

第5章 免疫チェックポイント阻害薬併用・逐次的薬物療法
1 皮膚障害 (症例1〜5)

第6章 がん治療に伴う合併症
1 放射線皮膚炎(症例1〜5)
  スキンケアのポイント(放射線皮膚炎)
2 感染症(症例1〜4)
  スキンケアのポイント(帯状疱疹)
3 血管・血栓症に関連した有害事象(症例1〜3)
4 支持医療の副作用(症例1〜6)

■まとめの言葉
■索引
 日本がんサポーティブケア学会Oncodermatology 部会作成の、「がん治療に伴う皮膚障害アトラス& マネジメント 第2版」が発刊となりました。第1版から7年ぶりの改訂となります。がんサポーティブケアは、手術・放射線治療・抗がん薬治療等と異なり、その性格上、速やかな対応が必要になることが多いため、自宅近くの医療機関で受けることが望ましく、また、患者自身のセルフアセスメント・マネジメントも重要です。そのため、サポーティブケア関連の成書は、専門医だけではなく、一般の医療者や、できれば当事者である患者・その家族にも参照可能な内容であることが望ましいと考えます。そのなかでも皮疹については、その種類・程度を判定するために、その見た目が大きな判断材料になるため、実際の皮疹の画像が豊富に収載された書物は非常に有用です。
 この「がん治療に伴う皮膚障害アトラス&マネジメント」は、がん薬物療法で生じる皮疹を、薬剤種類別・皮疹のタイプ別に解説しており、それぞれの皮疹には、実際の経過・治療方法が豊富な画像とともに記載されております。また、スキンケアのポイントの項が設けられており、そこでは、専門家からの助言がわかりやすく述べられ、実臨床にすぐに役立つ内容となっております。さて、本書の内容で、私自身が特に重要だと考えるのは、この本の執筆・作成に医師・看護師・薬剤師の多職種が関わっている点です。チーム医療の重要性が言われて久しいですが、特にがんサポーティブケアでは、それを成功させるためには、チーム治療が必須となります。そのため、日本がんサポーティブケア学会では、職種横断的な認定・専門制度に取り組んでおり、今年度(2025年)から来年までには最初の認定者が出る予定です。本書の内容は、患者およびその関係者から見ると決して平易ではありませんが、医師・看護師・薬剤師という複数の目線で作成されていることで、より患者目線に配慮したものになっているものと感じております。
 日本がんサポーティブケア学会が自信をもって世に送り出す書物でございますので、ぜひ、手にとっていただけますと幸いです。
 末筆とはなりましたが、本書の作成にあたりご多大な尽力をいただきました、Oncodermatology部会の現部会長の平川聡史先生、前部会長の山崎直也先生、部会員の皆様方、執筆者の方々、さらに金原出版の関係者の皆様方に、深甚なる感謝の意を表します。

2025年4月
日本がんサポーティブケア学会
理事長 山本 信之