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臨床・病理 肺癌取扱い規約 第9版
WHO第5版を踏まえ、TNM分類第9版を見据え、大改訂!

編 集 | 日本肺癌学会 |
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定 価 | 7,920円 (7,200円+税) |
発行日 | 2025/01/01 |
ISBN | 978-4-307-20485-9 |
B5判・276頁・図数:61枚・カラー図数:115枚
在庫状況 | あり |
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1)TNM分類;TNM分類第9版を見据えて改訂した。主な変更点はN分類とM分類であり、それに応じて病期分類が変更された。
2)病理診断;WHO第5版に基づき「歴史的背景」、「コメント・本邦での状況」について重要な部分のみを抜粋した。切除肺の固定や切り出しの方法に関するマニュアルをさらに充実させた。
3)原発性肺腫瘍の治療効果の病理学的判定基準;IASLCの治療効果判定法に沿った内容に改稿した。
2)病理診断;WHO第5版に基づき「歴史的背景」、「コメント・本邦での状況」について重要な部分のみを抜粋した。切除肺の固定や切り出しの方法に関するマニュアルをさらに充実させた。
3)原発性肺腫瘍の治療効果の病理学的判定基準;IASLCの治療効果判定法に沿った内容に改稿した。
1.TNM分類
はじめに
I.TNM分類(2024)
1.分類規約の適用範囲
2.解剖学的亜部位
3.所属リンパ節の定義
4.TNM臨床分類(cTNM)
5.TNM病理学的分類(pTNM)
6.G-病理組織学的分化度分類
7.R分類-治療後の遺残腫瘍の有無
8.病期分類
9.第9版要約
II.TNM分類・補足
1.T分類に関して
2.N分類に関して
3.M分類に関して
4.その他
5.小細胞癌
2.画像診断分類
I.cTNM分類を行うための画像診断指針
II.胸部CTの撮影指針
1.診療における胸部CTの撮影法と画像表示法
2.高分解能CTの撮影指針
III.記載の実際
1.cT因子
2.cN因子
3.cM因子
IV.cTis-cT1cのCT図譜
V.リンパ節部位のCT読影基準
1.基準作成の方針
VI.リンパ節部位CT読影の実際
VII.画像所見と分類
VIII.画像所見表現の実例
補遺.肺結節・腫瘤に関するCT所見用語集
1.結節・腫瘤のサイズ
2.結節・腫瘤の辺縁性状
3.吸収値による基本型
4.内部構造
5.周囲の既存構造との関係
6.その他
3.肺癌手術記載
I.肺癌手術記載
1.肺癌手術記載の対象
2.手術
3.肺癌占居部位および初発部位
4.原発巣の大きさ
5.胸膜浸潤
6.胸膜播種
7.胸水
8.胸腔内洗浄細胞診
9.肺内転移
10.リンパ節転移の分類
11.リンパ節郭清(Nodal Dissection)の範囲
12.切除断端および合併切除臓器における癌浸潤の有無の判定
13.切除術の根治性(R因子)の評価
14.胸膜プラーク
15.手術関連死亡
16.生存解析
17.肺癌の進行程度(Stage)
18.組織学的分類
19.リンパ節の部位と規定
20.追記
4.病理診断
I.組織分類の方針
II.分類表
III.肺癌の生検診断
IV.切り出しマニュアル
V.定義と解説
1.気管支乳頭腫
2.腺腫
3.腺系前浸潤性病変
4.上皮内腺癌
5.微少浸潤性腺癌
6.浸潤性非粘液性腺癌
7.浸潤性粘液性腺癌
8.その他の腺癌
9.扁平上皮系前浸潤性病変
10.扁平上皮癌
11.大細胞癌
12.腺扁平上皮癌
13.肉腫様癌
14.その他の上皮性腫瘍
15.唾液腺型腫瘍
16.前駆病変
17.神経内分泌腫瘍
18.神経内分泌癌
19.組織異所性腫瘍
20.肺間葉系腫瘍
21.血管周囲類上皮細胞系腫瘍
22.血液リンパ球性腫瘍
VI.切除標本における病理記載
5.細胞診
緒言
I.検査方法
1.喀痰検査法
2.病巣から採取した材料の検査法
3.迅速細胞診
4.遺伝子パネル検査
II.成績の報告と細胞判定基準
1.報告様式
2.肺がん検診
3.異型扁平上皮細胞の判定基準
4.胸膜中皮腫
6.気管支鏡診断
I.気管支分岐と分岐次数について
II.正常気管支鏡所見
III.気管支鏡による病変の観察項目と所見
IV.内視鏡的早期肺癌の診断基準および内視鏡所見
1.内視鏡的早期肺癌の診断基準
2.内視鏡的早期癌の基本型
3.内視鏡的早期癌の気管支鏡所見
4.画像強調内視鏡
V.非早期肺癌の内視鏡所見分類
VI.気管支腔内超音波断層法
7.RECISTガイドラインを用いた治療効果判定の手引き
はじめに
I.目的と対象
II.治療効果判定規準
1.ベースラインにおける腫瘍の測定可能性
2.腫瘍縮小効果の判定
8.原発性肺腫瘍の治療効果の病理学的判定基準
I.原発性肺腫瘍の治療効果の組織学的判定基準
1.検索対象
2.臨床的事項
3.検索方法
4.判定方法
5.評価基準
6.標準的記載様式
7.治療効果評価シート
9.肺がん検診の手引き―標準的な検診方法・精密検査手順・精度管理―
はじめに
I.胸部X線検査と高危険群に対する喀痰細胞診併用法
1.総論
2.検診対象者
3.検診間隔
4.検診方法
5.精度管理
6.現行検診に関するインフォームドコンセント
参考:喀痰細胞診による肺がん検診の知見
II.低線量CT肺がん検診
1.総論
2.検診対象者と検診間隔
3.撮影
4.読影
5.精密検査
6.精度管理
7.低線量CT肺がん検診に関するインフォームドコンセント
III.有効性評価研究に関する過去の文献
附.低線量CTによる肺がん検診受診者のみなさまへ(説明と同意書)
索引
はじめに
I.TNM分類(2024)
1.分類規約の適用範囲
2.解剖学的亜部位
3.所属リンパ節の定義
4.TNM臨床分類(cTNM)
5.TNM病理学的分類(pTNM)
6.G-病理組織学的分化度分類
7.R分類-治療後の遺残腫瘍の有無
8.病期分類
9.第9版要約
II.TNM分類・補足
1.T分類に関して
2.N分類に関して
3.M分類に関して
4.その他
5.小細胞癌
2.画像診断分類
I.cTNM分類を行うための画像診断指針
II.胸部CTの撮影指針
1.診療における胸部CTの撮影法と画像表示法
2.高分解能CTの撮影指針
III.記載の実際
1.cT因子
2.cN因子
3.cM因子
IV.cTis-cT1cのCT図譜
V.リンパ節部位のCT読影基準
1.基準作成の方針
VI.リンパ節部位CT読影の実際
VII.画像所見と分類
VIII.画像所見表現の実例
補遺.肺結節・腫瘤に関するCT所見用語集
1.結節・腫瘤のサイズ
2.結節・腫瘤の辺縁性状
3.吸収値による基本型
4.内部構造
5.周囲の既存構造との関係
6.その他
3.肺癌手術記載
I.肺癌手術記載
1.肺癌手術記載の対象
2.手術
3.肺癌占居部位および初発部位
4.原発巣の大きさ
5.胸膜浸潤
6.胸膜播種
7.胸水
8.胸腔内洗浄細胞診
9.肺内転移
10.リンパ節転移の分類
11.リンパ節郭清(Nodal Dissection)の範囲
12.切除断端および合併切除臓器における癌浸潤の有無の判定
13.切除術の根治性(R因子)の評価
14.胸膜プラーク
15.手術関連死亡
16.生存解析
17.肺癌の進行程度(Stage)
18.組織学的分類
19.リンパ節の部位と規定
20.追記
4.病理診断
I.組織分類の方針
II.分類表
III.肺癌の生検診断
IV.切り出しマニュアル
V.定義と解説
1.気管支乳頭腫
2.腺腫
3.腺系前浸潤性病変
4.上皮内腺癌
5.微少浸潤性腺癌
6.浸潤性非粘液性腺癌
7.浸潤性粘液性腺癌
8.その他の腺癌
9.扁平上皮系前浸潤性病変
10.扁平上皮癌
11.大細胞癌
12.腺扁平上皮癌
13.肉腫様癌
14.その他の上皮性腫瘍
15.唾液腺型腫瘍
16.前駆病変
17.神経内分泌腫瘍
18.神経内分泌癌
19.組織異所性腫瘍
20.肺間葉系腫瘍
21.血管周囲類上皮細胞系腫瘍
22.血液リンパ球性腫瘍
VI.切除標本における病理記載
5.細胞診
緒言
I.検査方法
1.喀痰検査法
2.病巣から採取した材料の検査法
3.迅速細胞診
4.遺伝子パネル検査
II.成績の報告と細胞判定基準
1.報告様式
2.肺がん検診
3.異型扁平上皮細胞の判定基準
4.胸膜中皮腫
6.気管支鏡診断
I.気管支分岐と分岐次数について
II.正常気管支鏡所見
III.気管支鏡による病変の観察項目と所見
IV.内視鏡的早期肺癌の診断基準および内視鏡所見
1.内視鏡的早期肺癌の診断基準
2.内視鏡的早期癌の基本型
3.内視鏡的早期癌の気管支鏡所見
4.画像強調内視鏡
V.非早期肺癌の内視鏡所見分類
VI.気管支腔内超音波断層法
7.RECISTガイドラインを用いた治療効果判定の手引き
はじめに
I.目的と対象
II.治療効果判定規準
1.ベースラインにおける腫瘍の測定可能性
2.腫瘍縮小効果の判定
8.原発性肺腫瘍の治療効果の病理学的判定基準
I.原発性肺腫瘍の治療効果の組織学的判定基準
1.検索対象
2.臨床的事項
3.検索方法
4.判定方法
5.評価基準
6.標準的記載様式
7.治療効果評価シート
9.肺がん検診の手引き―標準的な検診方法・精密検査手順・精度管理―
はじめに
I.胸部X線検査と高危険群に対する喀痰細胞診併用法
1.総論
2.検診対象者
3.検診間隔
4.検診方法
5.精度管理
6.現行検診に関するインフォームドコンセント
参考:喀痰細胞診による肺がん検診の知見
II.低線量CT肺がん検診
1.総論
2.検診対象者と検診間隔
3.撮影
4.読影
5.精密検査
6.精度管理
7.低線量CT肺がん検診に関するインフォームドコンセント
III.有効性評価研究に関する過去の文献
附.低線量CTによる肺がん検診受診者のみなさまへ(説明と同意書)
索引
第9版の序
近年の肺癌治療、早期癌に対する低侵襲治療分子標的薬、免疫療法などの新規薬剤の開発、さらにこれらを駆使した周術期治療の進歩は目覚ましく、多くの肺癌患者を治癒できる時代となりました。正しい治療戦略を選択するうえでも、肺癌取扱い規約の改訂は必須であります。
肺癌診療レベルの向上によって治療適応や治療手段にも変化があり、精緻化した診療に対応するため、病期分類や病理、細胞診などの形態学、画像解析も見直す必要が出てまいりました。このたびUICC/AJCCによって肺癌の病期分類については第8版から第9版に改訂されることとなり、これを機に、日常診療に益するよう、肺癌取扱い規約第9版を発刊することとなりました。
第9版の主な変更点をまとめると以下のようになります。
第9版のTNM分類に関しては、第8版で大きく変更があったT分類については変更がなく、主な変更点は、N分類とM分類でした。N分類については、N2が、単一ステーションへの転移の場合にはN2a、複数ステーションへの転移の場合にはN2bに細分化されました。M分類については、M1cにおいて、胸腔外一臓器への多発転移の場合はM1c1に、胸腔外多臓器への多発転移の場合はM1c2に細分化されました。以上のTNM分類の変更に伴い、病期分類の変更がなされました。
病理診断の項目では、すでに2021年にWeb公開されている「新WHO分類に準拠した病理組織分類」を踏襲し、2021年に改訂されたWHO分類に沿った内容としたほか、縮小手術に対応した切り出しマニュアルの記載を追加しました。さらに、国際的な標準に準拠すべく「病理学的効果判定基準」を改訂しました。
細胞診の項目では、2022年に発刊されたWHO呼吸器細胞診報告様式に基づき、従来の肺癌細胞診判定区分を大幅に見直し、全面的な改訂を行いました。主たる改訂点は、判定区分を従来の3カテゴリーから5カテゴリー(不適正、陰性、異型、悪性疑い、悪性)に変更したことと、判定区分ごとに悪性の危険性risk of malignancy(ROM)と推奨対処法について言及したことです。
画像診断分類においては、TNM分類の変更に対応した記載とし、画像所見実例を追加しました。
RECISTガイドラインを用いた治療効果判定の手引きの項目では、“附.Modified RECIST criteriaを用いた悪性胸膜中皮腫の治療効果判定の手引き”を中皮腫瘍取扱い規約に移管しました。
第9版の改訂にあたりましてご尽力いただきました各関係委員会の皆様に心より感謝申し上げるとともに、本冊子が日本の肺がん治療および研究のさらなる飛躍に貢献することを祈念しております。
2024年(令和6年)11月
特定非営利活動法人日本肺癌学会
理事長 山本 信之
前理事長 池田 徳彦
肺癌取扱い規約委員会
委員長 渡辺 俊一
前委員長 伊達 洋至
近年の肺癌治療、早期癌に対する低侵襲治療分子標的薬、免疫療法などの新規薬剤の開発、さらにこれらを駆使した周術期治療の進歩は目覚ましく、多くの肺癌患者を治癒できる時代となりました。正しい治療戦略を選択するうえでも、肺癌取扱い規約の改訂は必須であります。
肺癌診療レベルの向上によって治療適応や治療手段にも変化があり、精緻化した診療に対応するため、病期分類や病理、細胞診などの形態学、画像解析も見直す必要が出てまいりました。このたびUICC/AJCCによって肺癌の病期分類については第8版から第9版に改訂されることとなり、これを機に、日常診療に益するよう、肺癌取扱い規約第9版を発刊することとなりました。
第9版の主な変更点をまとめると以下のようになります。
第9版のTNM分類に関しては、第8版で大きく変更があったT分類については変更がなく、主な変更点は、N分類とM分類でした。N分類については、N2が、単一ステーションへの転移の場合にはN2a、複数ステーションへの転移の場合にはN2bに細分化されました。M分類については、M1cにおいて、胸腔外一臓器への多発転移の場合はM1c1に、胸腔外多臓器への多発転移の場合はM1c2に細分化されました。以上のTNM分類の変更に伴い、病期分類の変更がなされました。
病理診断の項目では、すでに2021年にWeb公開されている「新WHO分類に準拠した病理組織分類」を踏襲し、2021年に改訂されたWHO分類に沿った内容としたほか、縮小手術に対応した切り出しマニュアルの記載を追加しました。さらに、国際的な標準に準拠すべく「病理学的効果判定基準」を改訂しました。
細胞診の項目では、2022年に発刊されたWHO呼吸器細胞診報告様式に基づき、従来の肺癌細胞診判定区分を大幅に見直し、全面的な改訂を行いました。主たる改訂点は、判定区分を従来の3カテゴリーから5カテゴリー(不適正、陰性、異型、悪性疑い、悪性)に変更したことと、判定区分ごとに悪性の危険性risk of malignancy(ROM)と推奨対処法について言及したことです。
画像診断分類においては、TNM分類の変更に対応した記載とし、画像所見実例を追加しました。
RECISTガイドラインを用いた治療効果判定の手引きの項目では、“附.Modified RECIST criteriaを用いた悪性胸膜中皮腫の治療効果判定の手引き”を中皮腫瘍取扱い規約に移管しました。
第9版の改訂にあたりましてご尽力いただきました各関係委員会の皆様に心より感謝申し上げるとともに、本冊子が日本の肺がん治療および研究のさらなる飛躍に貢献することを祈念しております。
2024年(令和6年)11月
特定非営利活動法人日本肺癌学会
理事長 山本 信之
前理事長 池田 徳彦
肺癌取扱い規約委員会
委員長 渡辺 俊一
前委員長 伊達 洋至