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小腸癌取扱い規約
小腸癌の取扱い規約がついに発刊! 治療成績のさらなる向上へ

本邦における小腸癌治療成績のさらなる向上に資する、という規約の基本理念を踏まえ、TNM分類第8版および他臓器の癌取扱い規約との整合性を重視して作成した。TNM分類第8版と大腸癌取扱い規約第9版を参考とし、Treitz靭帯以下の小腸の解剖学的構造を考慮したが、領域リンパ節の定義、進行度分類はTNM分類と異なっている。また、希少な病理画像を数多く掲載した。
基本理念
I.規約
1 目的と対象
1.1 目的
1.2 対象
2 記載法の原則
2.1 臨床所見、術中所見、病理所見
2.2 術前治療後の所見
2.3 再発癌の所見
3 所見の記載法
3.1 原発巣
3.1.1 癌の占居部位
3.1.2 小腸の区分
3.1.3 腸壁の区分
3.1.4 病巣の数、大きさ、環周率
3.1.5 肉眼型分類
3.1.5.1 基本分類
3.1.5.2 0 型(表在型)の亜分類
3.1.6 壁深達度〔T〕
3.2 転移
3.2.1 リンパ節転移
3.2.1.1 リンパ節の群分類と名称
3.2.1.2 リンパ節番号
3.2.1.3 領域リンパ節
3.2.1.4 リンパ節転移〔N〕
3.2.2 遠隔転移〔M〕
3.2.2.1 肝転移〔H〕
3.2.2.2 腹膜転移〔P〕
3.2.2.3 肺転移〔PUL〕
3.3 進行度分類(Stage)
3.3.1 進行度の臨床分類と病理分類
3.3.2 術前治療後の進行度分類
3.4 多発癌、重複がん、多重がん
3.5 家族歴および遺伝性疾患
4 内視鏡治療、手術治療
4.1 内視鏡治療
4.1.1 内視鏡治療の方法
4.2 手術治療
4.2.1 到達法
4.2.2 手術の種類
4.2.3 リンパ節の郭清
4.2.3.1 リンパ節郭清度〔D〕
4.2.4 吻合法
4.2.4.1 吻合形態
4.2.4.2 吻合手段
4.2.5 合併切除臓器
5 切除断端における癌浸潤、癌遺残、根治度の判定
5.1 切除断端における癌浸潤
5.1.1 内視鏡切除標本
5.1.1.1 水平断端(粘膜断端)〔HM〕
5.1.1.2 垂直断端(粘膜下層断端)〔VM〕
5.1.2 手術切除標本
5.1.2.1 近位(口側)切離端〔PM〕
5.1.2.2 遠位(肛門側)切離端〔DM〕
5.1.2.3 外科?離面〔RM〕
5.2 癌遺残
5.2.1 内視鏡治療後の癌遺残〔ER〕
5.2.2 手術治療後の癌遺残〔R〕
5.3 手術治療後の根治度〔Cur〕
6 薬物治療、放射線治療
6.1 薬物治療の記載事項
6.2 放射線治療の記載事項
6.2.1 治療目的
6.2.2 照射条件
6.2.3 照射部位
7 切除標本の取扱い
7.1 肉眼的所見
7.1.1 占居部位
7.1.2 肉眼型分類
7.1.3 大きさ
7.1.3.1 腫瘍の大きさ
7.1.3.2 粘膜内腫瘍部分の大きさ
7.1.3.3 潰瘍の大きさ
7.1.4 腸管環周率
7.1.5 病巣から切除断端までの距離
7.1.6 浸潤・転移の広がりの性状・距離
7.1.7 壁深達度
7.1.8 リンパ節転移とその部位
7.2 組織学的所見
7.2.1 組織型
7.2.2 浸潤増殖様式〔INF〕
7.2.3 脈管侵襲
7.2.3.1 リンパ管侵襲〔Ly〕
7.2.3.2 静脈侵襲〔V〕
7.2.4 簇出〔BD〕
7.2.5 リンパ節構造のない壁外非連続性癌進展病巣〔EX〕
7.2.6 神経侵襲〔Pn〕
7.3 薬物治療、放射線治療の組織学的効果判定基準
7.4 小腸生検組織診断分類(Group 分類)
7.5 T1 癌における浸潤距離の測定法
8 治療成績の記載事項
8.1 患者数
8.2 多発癌、重複がん、多重がん
8.3 主たる治療法および補助療法
8.4 小腸癌治療総数および治療の種類別の例数および率
8.4.1 切除率
8.4.2 内視鏡治療
8.4.3 薬物治療、放射線治療
8.5 手術直接死亡数および率
8.6 在院死亡数および率
8.7 生存解析
8.7.1 生死
8.7.2 再発の有無、再発部位および形式
8.7.3 生存解析の方法
附-リンパ節の分類と名称
附-肉眼型図譜
附-T1癌における浸潤距離の測定法
II.薬物治療・放射線治療の効果判定
1 効果判定
2 有効性のエンドポイントの定義
2.1 奏効割合(Response rate)
2.2 全生存期間、無増悪生存期間、無再発生存期間、無病生存期間、治療成功期間
3 有害事象の記載法
III.病理学的事項の説明[附-組織図譜]
1 組織型
2 小腸生検組織診断分類(Group 分類)
3 検体の取扱い
3.1 生検材料の取扱い
3.2 外科切除標本の肉眼観察と処理方法
3.3 内視鏡切除検体の取扱い
附-組織図譜
附- TNM 分類・所見の要約・切除標本の病理学的記載事項(チェックリスト)・略語表
附-1 TNM 分類(UICC 8th edition)4
附1-1 小腸のTNM 分類
附1-2 小腸神経内分泌腫瘍のTNM 分類
附-2 所見の要約
附-3 切除標本の病理学的記載事項(チェックリスト)
附-4 略語表
I.規約
1 目的と対象
1.1 目的
1.2 対象
2 記載法の原則
2.1 臨床所見、術中所見、病理所見
2.2 術前治療後の所見
2.3 再発癌の所見
3 所見の記載法
3.1 原発巣
3.1.1 癌の占居部位
3.1.2 小腸の区分
3.1.3 腸壁の区分
3.1.4 病巣の数、大きさ、環周率
3.1.5 肉眼型分類
3.1.5.1 基本分類
3.1.5.2 0 型(表在型)の亜分類
3.1.6 壁深達度〔T〕
3.2 転移
3.2.1 リンパ節転移
3.2.1.1 リンパ節の群分類と名称
3.2.1.2 リンパ節番号
3.2.1.3 領域リンパ節
3.2.1.4 リンパ節転移〔N〕
3.2.2 遠隔転移〔M〕
3.2.2.1 肝転移〔H〕
3.2.2.2 腹膜転移〔P〕
3.2.2.3 肺転移〔PUL〕
3.3 進行度分類(Stage)
3.3.1 進行度の臨床分類と病理分類
3.3.2 術前治療後の進行度分類
3.4 多発癌、重複がん、多重がん
3.5 家族歴および遺伝性疾患
4 内視鏡治療、手術治療
4.1 内視鏡治療
4.1.1 内視鏡治療の方法
4.2 手術治療
4.2.1 到達法
4.2.2 手術の種類
4.2.3 リンパ節の郭清
4.2.3.1 リンパ節郭清度〔D〕
4.2.4 吻合法
4.2.4.1 吻合形態
4.2.4.2 吻合手段
4.2.5 合併切除臓器
5 切除断端における癌浸潤、癌遺残、根治度の判定
5.1 切除断端における癌浸潤
5.1.1 内視鏡切除標本
5.1.1.1 水平断端(粘膜断端)〔HM〕
5.1.1.2 垂直断端(粘膜下層断端)〔VM〕
5.1.2 手術切除標本
5.1.2.1 近位(口側)切離端〔PM〕
5.1.2.2 遠位(肛門側)切離端〔DM〕
5.1.2.3 外科?離面〔RM〕
5.2 癌遺残
5.2.1 内視鏡治療後の癌遺残〔ER〕
5.2.2 手術治療後の癌遺残〔R〕
5.3 手術治療後の根治度〔Cur〕
6 薬物治療、放射線治療
6.1 薬物治療の記載事項
6.2 放射線治療の記載事項
6.2.1 治療目的
6.2.2 照射条件
6.2.3 照射部位
7 切除標本の取扱い
7.1 肉眼的所見
7.1.1 占居部位
7.1.2 肉眼型分類
7.1.3 大きさ
7.1.3.1 腫瘍の大きさ
7.1.3.2 粘膜内腫瘍部分の大きさ
7.1.3.3 潰瘍の大きさ
7.1.4 腸管環周率
7.1.5 病巣から切除断端までの距離
7.1.6 浸潤・転移の広がりの性状・距離
7.1.7 壁深達度
7.1.8 リンパ節転移とその部位
7.2 組織学的所見
7.2.1 組織型
7.2.2 浸潤増殖様式〔INF〕
7.2.3 脈管侵襲
7.2.3.1 リンパ管侵襲〔Ly〕
7.2.3.2 静脈侵襲〔V〕
7.2.4 簇出〔BD〕
7.2.5 リンパ節構造のない壁外非連続性癌進展病巣〔EX〕
7.2.6 神経侵襲〔Pn〕
7.3 薬物治療、放射線治療の組織学的効果判定基準
7.4 小腸生検組織診断分類(Group 分類)
7.5 T1 癌における浸潤距離の測定法
8 治療成績の記載事項
8.1 患者数
8.2 多発癌、重複がん、多重がん
8.3 主たる治療法および補助療法
8.4 小腸癌治療総数および治療の種類別の例数および率
8.4.1 切除率
8.4.2 内視鏡治療
8.4.3 薬物治療、放射線治療
8.5 手術直接死亡数および率
8.6 在院死亡数および率
8.7 生存解析
8.7.1 生死
8.7.2 再発の有無、再発部位および形式
8.7.3 生存解析の方法
附-リンパ節の分類と名称
附-肉眼型図譜
附-T1癌における浸潤距離の測定法
II.薬物治療・放射線治療の効果判定
1 効果判定
2 有効性のエンドポイントの定義
2.1 奏効割合(Response rate)
2.2 全生存期間、無増悪生存期間、無再発生存期間、無病生存期間、治療成功期間
3 有害事象の記載法
III.病理学的事項の説明[附-組織図譜]
1 組織型
2 小腸生検組織診断分類(Group 分類)
3 検体の取扱い
3.1 生検材料の取扱い
3.2 外科切除標本の肉眼観察と処理方法
3.3 内視鏡切除検体の取扱い
附-組織図譜
附- TNM 分類・所見の要約・切除標本の病理学的記載事項(チェックリスト)・略語表
附-1 TNM 分類(UICC 8th edition)4
附1-1 小腸のTNM 分類
附1-2 小腸神経内分泌腫瘍のTNM 分類
附-2 所見の要約
附-3 切除標本の病理学的記載事項(チェックリスト)
附-4 略語表
初版 序
このたび、「小腸癌取扱い規約 第1版」を刊行する運びとなりました。小腸癌は全消化管腫瘍の中でも発生頻度が極めて低く、希少癌に分類される疾患です。これまで本邦において、小腸癌に特化した臨床・病理の所見記載および診療の標準化を目的とした統一的な規約は存在せず、診断・治療の在り方が各施設に委ねられてきたのが現状です。しかしながら、近年の内視鏡診断技術の進歩により、小腸病変への到達性が飛躍的に向上し、従来は困難であった小腸癌の早期発見例が増加しています。このような時代の流れの中で、小腸癌の診断・治療に関するルールを定め、所見を標準化し、質の高いデータの蓄積・解析を通じて本邦の小腸癌診療の質的向上を図ることは、極めて重要な課題であると考えます。
本規約の目的は、(1)観察された臨床的・病理学的所見や実施された治療を、統一された定義・用語に基づいて記載すること、(2)記載された情報を系統的に蓄積・分析することにより、小腸癌診療の現状を把握し、今後の診断・治療法の改善に資することです。今回の規約作成にあたっては、その前段階として大腸癌研究会のもとに設置された「小腸悪性腫瘍プロジェクト研究」で本邦における小腸腫瘍の疫学、診断、病態、治療などの実態についてのアンケート調査を行いました。その上で、国際的なTNM分類 第8版(2017年)との整合性を意識しつつも、小腸特有の解剖学的特徴や、わが国における臨床実態を考慮し、大腸癌取扱い規約 第9版および他臓器の癌取扱い規約との整合性も重視しました。とくに、Treitz靭帯以下の小腸の構造を前提とした部位分類、ならびに領域リンパ節の定義や進行度分類については、TNM分類と異なる日本独自の視点を取り入れ、臨床実用性を重視した構成としています。
本規約は、大腸癌研究会の「小腸癌取扱い規約作成委員会」が起草し、規約委員会内での議論と合意形成を経て策定されたものです。今後は、本規約を基盤として小腸癌治療ガイドラインの整備を進め、診療現場における治療体系のさらなる確立と、全国的な診療の質の均てん化を目指してまいります。
本規約が、小腸癌という希少疾患に対する理解と診療の進歩に貢献する一助となることを願ってやみません。
令和7年7月
大腸癌研究会
会長 味岡 洋一
小腸癌取扱い規約作成委員会
委員長 橋口 陽二郎
このたび、「小腸癌取扱い規約 第1版」を刊行する運びとなりました。小腸癌は全消化管腫瘍の中でも発生頻度が極めて低く、希少癌に分類される疾患です。これまで本邦において、小腸癌に特化した臨床・病理の所見記載および診療の標準化を目的とした統一的な規約は存在せず、診断・治療の在り方が各施設に委ねられてきたのが現状です。しかしながら、近年の内視鏡診断技術の進歩により、小腸病変への到達性が飛躍的に向上し、従来は困難であった小腸癌の早期発見例が増加しています。このような時代の流れの中で、小腸癌の診断・治療に関するルールを定め、所見を標準化し、質の高いデータの蓄積・解析を通じて本邦の小腸癌診療の質的向上を図ることは、極めて重要な課題であると考えます。
本規約の目的は、(1)観察された臨床的・病理学的所見や実施された治療を、統一された定義・用語に基づいて記載すること、(2)記載された情報を系統的に蓄積・分析することにより、小腸癌診療の現状を把握し、今後の診断・治療法の改善に資することです。今回の規約作成にあたっては、その前段階として大腸癌研究会のもとに設置された「小腸悪性腫瘍プロジェクト研究」で本邦における小腸腫瘍の疫学、診断、病態、治療などの実態についてのアンケート調査を行いました。その上で、国際的なTNM分類 第8版(2017年)との整合性を意識しつつも、小腸特有の解剖学的特徴や、わが国における臨床実態を考慮し、大腸癌取扱い規約 第9版および他臓器の癌取扱い規約との整合性も重視しました。とくに、Treitz靭帯以下の小腸の構造を前提とした部位分類、ならびに領域リンパ節の定義や進行度分類については、TNM分類と異なる日本独自の視点を取り入れ、臨床実用性を重視した構成としています。
本規約は、大腸癌研究会の「小腸癌取扱い規約作成委員会」が起草し、規約委員会内での議論と合意形成を経て策定されたものです。今後は、本規約を基盤として小腸癌治療ガイドラインの整備を進め、診療現場における治療体系のさらなる確立と、全国的な診療の質の均てん化を目指してまいります。
本規約が、小腸癌という希少疾患に対する理解と診療の進歩に貢献する一助となることを願ってやみません。
令和7年7月
大腸癌研究会
会長 味岡 洋一
小腸癌取扱い規約作成委員会
委員長 橋口 陽二郎
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