大腸癌治療ガイドライン 医師用 2024年版

大腸癌治療の最新研究を踏まえ、5年ぶりの全面改訂!

編 集 大腸癌研究会
定 価 2,750円
(2,500円+税)
発行日 2024/07/17
ISBN 978-4-307-20482-8

B5判・188頁

在庫状況 あり

前版の薬物療法領域の部分改訂を経て、今版ではすべての領域を刷新。内視鏡治療におけるunderwaterEMR(UEMR)、外科治療におけるロボット支援手術、薬物療法におけるアルゴリズム・レジメン、放射線療法における粒子線治療、直腸癌に対するTotal Neoadjuvant Therapy(TNT)など、最新の研究成果をもとに記載。巻末資料も「大腸癌取扱い規約 第9版」に準拠し更新された。
はじめに
2022年版 序
2019年版 序
2016年版 序
2014年版 序
2010年版 序
2009年版 序
初版 序
『大腸癌治療ガイドライン医師用2024 年版』 主な改訂点

【総論】
1.目的
2.使用法
3.対象
4.作成法
5.文献検索法
6.改訂
7.公開
8.一般向けの解説
9.資金
10.利益相反
11.文献
12.ガイドライン委員会

【各論】
1.Stage0〜StageIII大腸癌の治療方針
 1)内視鏡治療
 2)手術治療
・サイドメモ虫垂癌の治療方針
2.StageIV大腸癌の治療方針
3.再発大腸癌の治療方針
4.血行性転移の治療方針
 1)肝転移の治療方針
 2)肺転移の治療方針
 3)骨転移の治療方針
 4)脳転移の治療方針
 5)その他の血行性転移の治療方針
5.薬物療法
 1)補助化学療法
 2)切除不能進行・再発大腸癌に対する薬物療法
6.放射線療法
 1)補助放射線療法
 2)緩和的放射線療法
7.緩和医療・ケア
8.大腸癌手術後のサーベイランス
 1)大腸癌根治度A切除後の再発に関するサーベイランス
 2)大腸癌根治度B切除後および再発巣切除後のサーベイランス
 3)異時性多重がんのサーベイランス

【ClinicalQuestions】
CQ1:内視鏡切除されたpT1大腸癌の追加治療の適応基準は何か?
CQ2:早期大腸癌の内視鏡切除後にサーベイランスは推奨されるか?
CQ3:大腸癌に対するロボット支援手術は推奨されるか?
CQ4:閉塞性大腸癌にステント治療は推奨されるか?
CQ5:切除不能な遠隔転移を有するStageIV大腸癌に対する原発巣切除は推奨されるか?
CQ6:StageIII大腸癌に術後補助化学療法は推奨されるか?
CQ7:StageII大腸癌に術後補助化学療法は推奨されるか?
CQ8:80歳以上の高齢者に術後補助化学療法は推奨されるか?
CQ9:周術期薬物療法の前にバイオマーカー検査は推奨されるか?
CQ10:直腸癌に対して側方郭清は推奨されるか?
CQ11:切除可能な直腸癌に対して術前治療は推奨されるか?
CQ12:直腸癌に対するTotal Neoadjuvant Therapy(TNT)は推奨されるか?
CQ13:直腸癌術前治療後cCR症例に対するNon-Operative Management(NOM)は推奨されるか?
CQ14:直腸癌局所再発の切除は推奨されるか?
CQ15:遠隔転移のない切除不能直腸癌局所再発に対する放射線治療は推奨されるか?
CQ16:薬物療法が奏効して画像上消失した肝転移巣の切除は推奨されるか?
CQ17:大腸癌肝転移に対する低侵襲手術は推奨されるか?
CQ18:肝転移巣に対する熱凝固療法は推奨されるか?
CQ19:切除可能な肝転移に対する術前補助化学療法は推奨されるか?
CQ20:肝転移巣切除後の術後補助化学療法は推奨されるか?
CQ21:肝転移以外の遠隔転移巣切除後の術後補助化学療法は推奨されるか?
CQ22:大腸癌の卵巣転移に対して卵巣切除は推奨されるか?
CQ23:切除不能大腸癌に対する免疫チェックポイント阻害薬は推奨されるか?
CQ24:切除不能大腸癌に対する後方治療は推奨されるか?
CQ25:切除不能大腸癌に対する導入薬物療法後の維持療法は推奨されるか?
CQ26:切除不能大腸癌に対する包括的がんゲノムプロファイリング検査は推奨されるか?
CQ27:大腸癌治癒切除後に多重がん(多発癌および重複がん)のサーベイランスは推奨されるか?
CQ28:肛門管扁平上皮癌に対して化学放射線療法は推奨されるか?

大腸癌治療ガイドライン2024年版に対する外部評価
資料
索引
はじめに

 この度「大腸癌治療ガイドライン医師用2024 年版」を刊行しました。2022 年版ではJCOG で行われた二つの第III相試験の結果とMSI-H 大腸癌やBRAF 遺伝子異常大腸癌に対して有効な薬剤が登場したことをもとにした部分改訂でしたが、今回は、大腸癌の治療にかかわるすべての領域(内視鏡治療領域、外科治療領域、薬物療法領域、放射線療法領域)の改訂と、CQ を刷新したこと、資料を刷新したことが主な変更点です。
 近年、直腸癌治療においてTotal Neoadjuvant Therapy(TNT)や、Non-Operative Management(NOM、Watch and Wait 療法)が欧米を中心に行われるようになっており、国内からの報告も増加していますが、直腸癌治療の背景が欧米と大きく異なる本邦における位置付けは不明で、引き続き重要な検討課題となります。一方で、新たな薬物療法の登場や、切除困難な直腸癌術後局所再発に対する粒子線治療が保険適用になったことは、患者さんにとっても医療者にとっても朗報です。
 さらに、資料の一部が刷新されました。大腸癌研究会の全国登録のデータを用いて2008〜2013 年に手術が行われた大腸癌の部位別・壁深達度別リンパ節転移頻度、Stage 別治癒切除率、部位別5 年生存率、同時性遠隔転移頻度、が「大腸癌取扱い規約第9 版」に準拠して記載されています。2019 年版では「大腸癌取扱い規約第8 版」に沿って記載されていましたが、規約第9 版では第8 版と比べ、リンパ節転移、遠隔転移、進行度の分類に大きな変更があったことから、全国登録委員会に依頼して第9 版に準拠したデータとして作成してもらいました。これを用いて、患者さんへの説明や英文論文作成の際の資料として役立てることができると思います。
 これまでの本ガイドラインの根幹である「エビデンスはあくまでも治療法を選択する際の判断材料の一つであり、ガイドライン作成の際はエビデンスを中心にすえながら、医療環境、治療法の難易、利益と不利益のバランス、患者さんの状態、などを考慮しながら専門医たちが合意のうえ推奨度を決める」ことを踏襲し、本改訂作業においては、委員のvoting 結果も分かるようにして、委員内での意見の相違等も透明性を持って分かるようにする(合意率の記載)、補助療法に関しては、関連領域が合同で原案作成、推奨度の決定を行ったことが、大きな変更点となります。特にCQ に取り上げられるような治療方針は、専門家でも意見が分かれることを理解し、臨床現場では、その推奨度とエビデンスを参考にしながら、患者さんの健康状態・考え・環境、医療費、交通の便などを考慮して、患者さんとその家族とともに治療法を決めるのが基本だと思います。

2024 年1 月25 日
大腸癌研究会会長
味岡 洋一