膵癌取扱い規約 第8版

日々進歩する膵癌診療の最新情報に即したアップデート版!

編 集 日本膵臓学会
定 価 4,400円
(4,000円+税)
発行日 2023/07/20
ISBN 978-4-307-20473-6

B5判・160頁・図数:27枚・カラー図数:135枚

在庫状況 あり

今回の改訂では、局所進展因子によるこれまでのT分類を引き継ぎつつ、リンパ節の名称の変更、領域リンパ節の部位別の定義を行い、腹腔細胞診(CY)陽性を遠隔転移(M)に含めるなどの変更を加えた。また、超音波内視鏡下穿刺吸引生検法(EUS-FNAB)の病理診断の記載、薬物・放射線治療後の組織学的効果判定基準の記載を追加するとともに、生検図譜の画像も一新した。膵癌診療に携わる医療者必携の一冊。
略語
規約摘記
規約記載上の病理チェックリスト
I.緒言(目的および対象を含む)
II.記載法の原則
III.所見の記載法
 1.原発巣の記載
  1)腫瘍占居部位
  2)病巣の数と大きさ(TS)
  3)肉眼型分類
  4)膵局所進展度(T)
   (1)T分類
   (2)T因子記載における画像診断指針
   (3)T因子のCT画像の実際(病理との対比)
 2.リンパ節転移の記載
  1)リンパ節の名称
   (1)膵臓に関連するリンパ節の番号・名称・境界
   (2)膵臓に関連するリンパ節の番号とリンパ節転移のCT診断基準
  2)領域リンパ節
  3)リンパ節転移の記載法
   (1)リンパ節転移の程度(N)
   (2)リンパ節転移度
 3.遠隔転移の記載(M)
  1)遠隔転移の記載法
   (1)腹膜播種(P)
   (2)肝転移(H)
   (3)腹腔細胞診(CY)
  2)遠隔転移の画像の実際
   (1)膵癌の肺転移
   (2)膵癌の肝転移
   (3)膵癌の腹膜播種
 4.進行度(Stage)
 5.切除可能性分類
  1)切除可能性分類の基準
  2)切除可能性分類におけるCT画像の実際
IV.外科的治療
 1.手術の種類
  1)手術の内容
  2)手術の到達法
 2.膵切除術式の記載
  1)切除術式の種類
  2)合併切除臓器
  3)再建術式の種類
   (1)PD、PPPD、SSPPD後の再建術式
   (2)膵再建法の種類
 3.領域リンパ節の分類
 4.腫瘍遺残度の評価(R)
  1)膵切除断端(PCM)
  2)胆管切除断端(BCM)
  3)膵周囲剥離面(DPM)
V.治療成績
 1.患者数
 2.予後調査
 3.死因
 4.再発形式
 5.生存率
VI.切除材料の取扱いと検索方法
 1.切除膵(または摘出膵)の取扱い
 2.切り出し方法
  1)膵頭十二指腸切除標本の場合
  2)膵体尾部切除標本の場合
  3)膵全摘標本の場合
 3.腹腔細胞診の実施方法
VII.膵腫瘍の組織所見
 1.膵腫瘍の組織型分類
  [1]上皮性腫瘍
  [2]非上皮性腫瘍
 2.癌の間質量
 3.癌の浸潤増殖様式(INF)
 4.リンパ管侵襲(Ly)
 5.静脈侵襲(V)
 6.神経浸潤(Pn)
 7.主膵管内進展(mpd)
 8.組織学的分類の説明
  [1]上皮性腫瘍
  [2]非上皮性腫瘍
  病理図譜
   外分泌腫瘍
    漿液性腫瘍
    粘液性嚢胞腫瘍
    膵管内腫瘍
    膵上皮内腫瘍性病変
    浸潤性膵管癌
    腺房細胞腫瘍
   神経内分泌腫瘍
   分化方向の不明な上皮性腫瘍
VIII.膵腫瘍の生検・細胞診所見
 1.膵生検組織診断報告
  生検図譜
 2.膵細胞診断報告
  1)報告様式と判定
  2)腹腔細胞診(CY)の判定区分
  3)疾患、各膵腫瘍
  細胞診図譜
IX.術前治療後の組織学的評価
 薬物・放射線治療後の組織学的効果判定基準
 薬物・放射線治療後の組織学的所見
 組織学的治療効果判定例(Grade2)
付.TNM分類(UICC)第8版(2017)
第8版 序

 本邦の膵癌取扱い規約は1980年に第1版が刊行され、その後も定期的に改訂が進められた。最近では2016年に規約第7版に改訂され、それまでの日本独自であった規約がより国際標準に沿ったものになった。第7版は新規項目の追加を含む大幅な改訂であったため、2020年の改訂は、腹腔鏡手術・ロボット支援手術、がんゲノム医療などに関する追加記載など、小範囲のものに止め、第7版増補版として出版された。しかしながら膵癌診療の進化は著しく、術前治療の導入、腹腔細胞診陽性症例への対応、予防的リンパ節郭清の是非などが検討され、今回の改訂に至った。
 第8版改訂では、
 1)リンパ節の名称を変更し、領域リンパ節を部位別に定義し、あわせて1群、2群リンパ節という分類を中止した。
 2)腹腔細胞診(CY)を遠隔転移(M)と定義した。
 3)超音波内視鏡下穿刺吸引生検法(EUS-FNAB)の病理診断の記載、薬物・放射線治療後の組織学的効果判定基準の記載を変更・追記した。
 その他にも、より記載をわかりやすく改め、写真を多用することに努めた。
 本改訂がさらなる膵癌治療成績向上の礎になることを祈って止まない。
 
2023年6月
日本膵臓学会 膵癌取扱い規約検討委員会
委員長 海野 倫明