手術室デバイスカタログ 外科医視点による性能比較・解説

基礎知識から性能比較まで手術デバイスの情報を一冊に集約!

編 集 NPO法人国際健康福祉センターデバイス研究会
定 価 8,250円
(7,500円+税)
発行日 2022/04/15
ISBN 978-4-307-20432-3

B5判・440頁・カラー図数:430枚

在庫状況 あり

外科手術の成否は術者の習熟度が大きく影響する。習熟した外科医は武器となる様々な手術デバイスの長所・短所を理解し、適切に使用できる。一方、手術デバイスの基礎知識を得るための客観的な教科書は存在せず、情報を得る機会は限定的である。そこで本書では、手術デバイスの基礎知識、基本性能の解説、各メーカーの性能比較等、外科医が注目したい観点から記載し、手術成績の向上に貢献する有益な情報を提供したい。

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序文
「デバイスカタログプロジェクト」について
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本書の見方・注意点

第1部 エネルギーデバイス・電子機器
1-01 電気メスジェネレーター
1-02 超音波凝固切開装置(USAD)
1-03 ベッセルシーリングシステム(VSS)
1-04 電磁波による焼灼療法機器
特別編 正しい超音波破砕吸引装置の使い方―誤解されたイメージを払拭しよう。
1-05 肝実質破砕装置(超音波破砕吸引装置 ultrasonic aspirator)
1-06 術中超音波装置
1-07 シミュレーションソフト(肝臓)

第2部 大型機器・基本鋼製機器
2-01 手術台
2-02 体位固定具
2-03 開創器
2-04 剪刀
2-05 鑷子
2-06 鉗子
2-07 持針器
2-08 筋鈎
2-09 肛門開創器

第3部 内視鏡手術機器
3-01 内視鏡システム
3-02 気腹・排煙装置
3-03 トロッカー
3-04 内視鏡手術鉗子
3-05 クリップ
3-06 自動吻合器
3-07 自動縫合器
3-08 特殊器具

第4部 内視鏡手術消耗品
4-01 小切開創縁保護・開創部密閉器具
4-02 検体回収袋
4-03 組織圧排子・リトラクター
4-04 内視鏡スコープ曇り止め・トロカー清拭
4-05 鏡視下手術用ガーゼ・スポンジ

第5部 消耗品
5-01 ドレーン/ドレーンバッグ
5-02 イレウス管
5-03 肝胆膵手術で用いるチューブ
5-04 縫合糸
5-05 鼠径ヘルニア用メッシュ
5-06 CVポート
5-07 胃瘻造設キット
5-08 デンバーシャント

第6部 手術中に使う薬品
6-01 癒着防止材
6-02 止血材
6-03 組織接着剤
6-04 消毒液

謝辞
 現在、科学技術の進歩により様々な新しい手術用デバイスが開発され、また改良がおこなわれています。それに伴って手術を含む外科手技は年々高度化し、様々なデバイスを適切に使用することが重要となっています。また新しい外科治療法を開発するためにも、現在のデバイスをその理論から理解し、長所、欠点を把握することが不可欠です。
 しかし、その情報を得る方法はいままで著しく制限されてきました。ほとんどの外科医は、もともと病院にある機器の使い方を先輩から教わり、新しいデバイスについての情報は学会や時に各メーカーの営業の方より仕入れて、その長所のみの情報を仕入れるしかありません。使ってみてわかる短所を他の外科医と情報交換する場所もありませんし、他の競合デバイスとの客観的な比較をする機会もありません。
 病院の購買担当部署にとっても、手術用デバイス選定と購入は大きな仕事と思われます。現在は、各外科医が自分の好みによって値段を考慮せずに購入希望を出してくる場合がほとんどだと思われます。そのデバイスは本当に必要なのか、すでに購入している機器では代用できないのか、実際の売り上げから言ってペイ可能なのか、業者からの提示金額は本当に妥当か、など様々な要素に対して、検討する資料がありません。
 本企画では、上記のような問題を解決するため、各手術デバイスを種類別にその機能と価格を比較するカタログをつくることにしました。各デバイスの項の初めには、その基本性能の簡単な解説をつけ、手術デバイスの基本知識を得るための教科書的な役割ももたせました。その後に各商品のサイズや性能、価格、グレード別の違いなどの商品情報の詳細と競合商品との比較を記載し、実際に現場で使用している外科医の意見による具体的な評価を加えました。これにより、使用する医師、看護師、臨床工学士の皆さんや病院管理部門の購入の際に、欠かすことのできない情報ソースが出来上がったと確信しております。
 今回の初版作成にあたり、なるべく医療現場で必要とされているデバイスを網羅し、公平かつ客観的な評価を行うように努めましたが、膨大な作業量と時間の制約の中、まだまだ不十分なところ否めません。読者の方には、内容に異論がある方もいらっしゃると思います。このプロジェクトは、これをスタートとして今後全国の全ての医療関係者の方より情報、意見をいただき、よりよい情報ソースと進化させていきたいと考えております。ご興味のある方は是非、後に募集しているデバイス研究会に参加して、活動のご協力いただければと存じます。
 最後に、本書作成にあたり、情報提供に快くご協力いただいた企業の方々に心より御礼申し上げます。

国際健康福祉センター(IHWC)
デバイス研究会 代表世話人 
板野 理