FUJITA'S TEXT2 ロボット支援下幽門側胃切除D1+[Web動画付き] セットアップの基本から実際の手術手技のコツまで

ロボット手術を先導するFUJITAの技術が写真と動画で判る!

監 修 宇山 一朗
編 著 柴崎 晋 / 須田 康一 / 菊地 健司 / 中内 雅也
定 価 11,000円
(10,000円+税)
発行日 2019/12/09
ISBN 978-4-307-20402-6

A4判・136頁・カラー図数:391枚

在庫状況 なし

既刊『FUJITA’S TEXT 1:腹腔鏡下幽門側胃切除』のコンセプトを基本とし、手術手順、場の展開方法、ロボット特有の操作やその細かいコツなどを300枚以上の静止画と84本のweb動画を用いて余すところなく解説。また、手術をスムーズに行うための用具の選定や機器のセッティングについても多数の写真と図解で示した。ロボットを導入済みの施設はもちろん、導入予定の施設にも最適のテキストである。




【FUJITA'S TEXT2 ロボット支援下幽門側胃切除 サンプル動画】



【関連書籍】FUJITA’S TEXT1 腹腔鏡下幽門側胃切除


第1章 RDG: robotic distal gastrectomy(ロボット支援下幽門側胃切除)に必要な器具
1-1 器具
 1 用具一覧
 2 ポート
 3 右手の基本
 4 左手
 5 右手(エネルギーデバイスなど)
 6 右手(持針器)
 7 クリップ
 8 ステープラー(EndoWrist stapler 45)
 9 ステープラー(SureForm 60)
 10 その他

第2章 RDGのセットアップ
2-1 DVSS(da Vinci Surgical System)-Siのセットアップ
 1 レイアウト
 2 DVSS-Siのセッティングのポイント
 3 One hand, four fingers theoryに基づいたポート配置
 4 ポート配置の実際
 5 da Vinciの軸理論(体腔外でのロボットアームの干渉予防)
 6 da Vinciの軸理論に基づいたロールインの実際
2-2 DVSS-Xiのセットアップ
 1 DVSS-XiのPatient cartの構造上の特徴
 2 レイアウト
 3 Xiのセットアップ手順
 4 ポート配置
 5 Patient cartのロールイン
 6 Target anatomyの設定
 7 Target anatomyの軸と2nd-armの軸合わせ
 8 各アームのとりつけ、セッティング
 9 その他の干渉予防法1(画面4分割法)
 10 その他の干渉予防法2(関節の曲げる向きによる調整)
 11 実際の手術風景
2-3 エネルギーデバイス
 1 エネルギーデバイスの選択
 2 Double bipolar methodの右手
 3 Double bipolar methodの左手
4 Double bipolar methodのknacks

第3章 胃大弯側の郭清
3-1 #4sbリンパ節郭清
 1 大網切離の展開
 2 大網切離ならびに胃後壁と結腸間膜の生理的癒着剥離
 3 左側大網切離時の展開
 4 LGEA/LGEVの切離
 5 胃大弯壁沿いの郭清の展開
 6 胃大弯壁沿いの郭清組織の剥離
3-2 #6リンパ節郭清
 1 右側大網の側切離
 2 膵頭部下縁における横行結腸間膜の剥離授動操作の起点
 3 横行結腸間膜の授動操作時の展開
 4 膵前筋膜前面の層での剥離操作
 5 膵前筋膜腹側の大網切離
 6 膵頚部での膵上縁に沿った剥離
 7 デルタ地帯の展開ならびに同定
 8 デルタ地帯でのRGEA右側のoutermost layerの同定
 9 #6vリンパ節背側剥離と膵からの静脈枝処理
 10 ASPDAとそのoutermost layerの同定
 11 RGEV根部郭清
 12 RGEV切離とASPDVに沿った#6vリンパ節外側縁の切離
 13 RGEAの両側神経に沿った郭清
 14 IPAの同定ならびに根部郭清
 15 IPAの切離
 16 RGEAの切離
 17 十二指腸球部大弯側の背側郭清
 18 十二指腸球部大弯側の腹側郭清
 19 十二指腸球部小弯側の背側郭清
 20 十二指腸球部小弯側の腹側郭清
 21 十二指腸球部の前後壁方向への展開58
 22 十二指腸球部を前後壁方向に離断

第4章 胃小弯側の郭清
4-1 小網切離/処理
 1 GDA/PHAに沿った肝十二指腸間膜の漿膜切開
 2 小網切離
 3 横隔膜脚に沿った後腹膜切離
 4 胃小弯側(#3aリンパ節)腹側郭清
 5 胃小弯側(#1リンパ節)腹側郭清
4-2 膵上縁左側郭清
 1 胃のroll-upならびに膵転がし
 2 膵上縁に沿った漿膜切開
 3 膵上縁におけるoutermost layerの同定
 4 LGA左側での内側アプローチ
 5 SPA/膵上縁での#9Lリンパ節外側切離
 6 #9Lリンパ節郭清終了
4-3 膵上縁右側郭清
 1 CHAのoutermost layerに沿った剥離
 2 RGA根部(#5リンパ節)背側の剥離
 3 RGA根部周囲の郭清
 4 RGA切離
 5 PHAのoutermost layerに沿った剥離
 6 CHA/PHAの神経の牽引ならびに剥離
 7 #12aと#5リンパ節の境界を離断
 8 #8aリンパ節外側縁を切離
 9 #9Rリンパ節頭側縁を切離
4-4 LGA周囲郭清
 1 LGA右側のoutermost layerの同定
 2 LGA右側における内側アプローチ
 3 LGV切離
 4 #9Rリンパ節郭清時の神経転がし
 5 #9Rリンパ節背側の郭清
 6 #9Rリンパ節背側縁の切離
 7 LGA神経鞘の切離
 8 LGAの切離
4-5 小弯側郭清/切離
 1 #1/#3aリンパ節背側郭清の展開
 2 #1/#3aリンパ節背側郭清
 3 胃切除予定部位のマーキング
 4 胃幽門側2/3切除

第5章 再建
5-1 Billroth-I(デルタ)法再建
 1 デルタチェックならびに胃大弯側断端での小孔作成
 2 胃大弯側小孔の固定
 3 十二指腸後壁側断端での小孔作成
 4 十二指腸後壁側小孔の固定
 5 胃側へのステープラー挿入
 6 ステープラー挿入状態で十二指腸側へ移動
 7 十二指腸側へのステープラー挿入ならびに1st-fire
 8 共通孔の内腔確認ならびに仮閉鎖
 9 ステープラーによる共通孔閉鎖
 10 吻合終了後
5-2 Billroth-II法再建
 1 十二指腸断端の埋没
 2 空腸側吻合予定部位のマーキング
 3 空腸腸間膜対側での小孔作成
 4 胃大弯側断端での小孔作成
 5 空腸小孔へのステープラー挿入
 6 胃小孔へのステープラー挿入
 7 1st-fire
 8 共通孔の内腔確認ならびに仮閉鎖
 9 ステープラーによる共通孔閉鎖
 10 輸入脚吊り上げ
 2008年7月に、親交がありロボット手術の世界的第一人者であるYonsei大学のHyung先生によるロボット支援下胃切除のライブサージェリーを生で見る機会に恵まれました。ロボットによる繊細かつ安定した手術手技を目の当たりにし大きな感銘をうけるとともに、ロボット手術時代の到来を、強く確信いたしました。なんとしても日本で導入したいと感じ、da Vinci Surgical System Sを個人輸入したのが2008年12月1日でした。関西国際空港まで迎えにいき、対面したときの感動は今も鮮明に覚えております。その当時はまだ薬事法の承認もされていなかったため、院内での倫理委員会を含めた諸手続はもちろん、患者さんに対してもリスク等も含めた説明を十分に行い、同意が得られた後、2009年1月14日に第1例目のロボット支援下幽門側胃切除を施行いたしました。その時は398分もかかってしまいましたが、合併症はなく術後11日で退院いたしました。しばらくは手探り状態ではあったものの、医局員と連日連夜議論を交わしながら症例を重ねていくうちに、「軸理論」「画面四分割法」「ダブルバイポーラー法」など、ロボットの性能を十二分に発揮できる基本セットアップのコンセプトが次々と確立していき、またSからSi、Xiへとda Vinciの改良に伴ってロボット自体の性能が大きく向上したことも相まって、ロボット支援下胃切除は発展し徐々に日本国内にも広がっていきました。そして2014年10月にはcStageI/II胃癌を対象としたロボット支援胃切除術の安全性、有効性、経済性に関する多施設共同前向き単群臨床試験が先進医療B「内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下胃切除術」として承認され、多数の先生方にご協力・ご尽力頂き、2017年1月に無事終了いたしました。この臨床試験の結果ロボット支援下胃切除の優越性が証明され、2018年4月にはロボット支援下胃切除術が、条件付きではあるもののついに保険適応となりました。小生がライフワークとして取り組んできて、個人輸入をしてから10年の月日を経てこのような形となりましたことは感慨深いものがあります。しかし、これはロボット手術時代の到来、という観点からはスタート地点に立ったにすぎず、これからの更なる発展・普及に努めてまいりたい所存です。
 この度、「FUJITA’S TEXT 2: ロボット支援下幽門側胃切除D1+ ―セットアップの基本から実際の手術手技のコツまで―」を上梓する運びとなりました。前作の「FUJITA’S TEXT 1: 腹腔鏡下幽門側胃切除―outermost layerに基づくこだわりの手術―」では当科で確立したoutermost layerに基づいた郭清手技、ならびに体腔内吻合について、イラストを用いて解説してきました。今回はその手術手技コンセプトを基本とし、手術手順、場の展開方法、さらにはロボット特有の操作やその細かいコツ等において、豊富な静止画ならびにそれに対応する動画を用いて余すところなく盛り込んでおり、手前みそではありますが充実した内容に仕上がっていると自負しております。我々が長年をかけて取り組み確立してきたロボット支援下胃切除のノウハウを、本書を通じて理解し、吸収して頂くことを切に望んでおります。さらには、本書が、次世代を担う先生方にとってまだまだ課題の多いロボット手術の更なる発展の足がかりの一助となることを期待しています。最後に、本書の作成にあたり、激務の中執筆してくれた現医局員、元医局員の先生方、内視鏡手術手技確立・向上のため長年ともに切磋琢磨してきた多くの先生方、そして企画・校正などで大変お世話になりました金原出版株式会社の森崇氏、片山晴一氏、宮崎麻衣氏に深謝いたします。

2019年10月吉日

藤田医科大学 総合消化器外科 主任教授
宇山 一朗