新訂版 小児腫瘍組織分類図譜 第5篇 小児胚細胞腫瘍群腫瘍

日本病理学会小児腫瘍組織分類委員会
定 価 6,380円
(5,800円+税)
発行日 1999/09/01
ISBN 978-4-307-17044-4

B5判・80頁・図数:2枚・カラー図数:76枚

在庫状況 あり

序:
 小児腫瘍組織分類図譜は、わが国の小児がんの病理学的診断の統一とともに日本小児科学会、日本小児外科学会からの要請による全国登録の基準の策定のために刊行されている。その作業は日本病理学会の委員会の一つとして設置された小児腫瘍組織分類委員会で行われている。
 成長と発達の著しい小児期においては、多種類の腫瘍が発生する。中でも新生児期から幼児ないし学童期前半にかけては、小児腫瘍の特徴を最もよく表している胎児性腫瘍が発生する。胎児性腫瘍の発生母地は器官または組織の原基であり、腫瘍細胞が発生母地の有する分化・成熟能を形態学的にも機能的にも保持している。今回取り上げた胚細胞腫瘍は、原始胚細胞(原始生殖細胞、primordial germ cell)が胎生期に出現し、成熟した胚細胞(配偶子)になるまでの時期に発生した腫瘍の総称で、胚細胞腫瘍群と称されるべきものである。組織分類については、腫瘍発生論の変遷や組織像の多彩性から、多くの分類法が提唱されてきた。1978年に刊行された最初のシリーズでは「奇形腫群腫瘍」としてまとめられた。しかしながら、その後の発生生物学的研究によって腫瘍の起源が明確となると同時に、国際的な分類法の統一の要請もあり胚細胞腫瘍(germ cell tumors)と称するのが一般的になってきた(WHO分類)。従って、新しいシリーズ(新訂版)では胚細胞腫瘍として統一した。胚細胞腫瘍は新生児期から成人に至るまで幅広く発生する。中でも新生児・小児期の胚細胞腫瘍は生殖器のみならず、ほぼ全身から発生し、発生部位により腫瘍の種類、生物学的特徴が異なる。これらを理解することは本腫瘍を臨床的に取り扱う上できわめて重要である。本編ではこれら小児の胚細胞腫瘍の特徴を強く意識して記述した。また、原始胚細胞が
成熟した配偶子へ発達するには生殖隆起由来の間質系細胞(sex cord / stromal cells)が必須とされている。このような観点から、本編では間質系細胞に由来する腫瘍を含めたが、小児期に好発するものを中心に取り上げた。
 新訂版「小児胚細胞腫瘍群腫瘍」によって病理医のみならず、小児科、小児外科の腫瘍学に携わる諸家が小児胚細胞腫瘍と間質系腫瘍への興味と理解を深めて頂くことを心から望むものである。
■検体の取り扱い方法
■胚細胞腫瘍および関連腫瘍の組織学的分類
胚細胞腫瘍
性索間質性腫瘍
性腺芽腫
性腺発育異常
その他の腫瘍
■組織学的分類の説明
胚細胞腫瘍
性索間質性腫瘍
性腺芽腫
性腺発育異常
その他の腫瘍
■付録
小児固形悪性腫瘍治療効果の組織学的判定基準
小児胚細胞腫瘍記載用紙