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よくわかる老年腫瘍学
これからの高齢者がん診療のスタンダードとなる一冊!
高齢がん患者の「特徴(疫学、症状、社会経済的背景)」、機能評価の方法や治療法の選択、悪化を防ぐアプローチなどの「主治医として知っておきたいポイント」、「QOL・QOD(quality of death)」、老年腫瘍学の「教育」、高齢者を対象とした「臨床研究」など、“高齢者のがん”にまつわるトピックを網羅した。症例提示では、医療現場での実際のアプローチが理解できる。本書は老年腫瘍学を学ぼうとするすべての学生・医療者のためのテキストを目指し、老年医学・臨床腫瘍学・支持医療のエキスパートが協力して編集、執筆、原稿チェックに当たった。高齢者のがん診療に携わる医療関係者必読の一冊。
第1章 高齢がん患者の特徴?非高齢者と何が違うのか?
1)疫学
1 病因
2 高齢者に多いがん、予後
2)症状
3)個人差
4)臓器・細胞レベル
1 細胞老化とがん化の関係
2 がんが及ぼす影響-悪液質
3 高齢者における薬物動態および感受性の変化
5)社会・経済的背景
第2章 高齢がん患者の主治医になったら?
[症例提示]
症例1 fit(卵巣がん、StageIII)
症例2 vulnerable/pre―frail(小細胞肺がん、cT3N2M0、StageIIIB、LD―Stage)
症例3 vulnerable/pre―frail(EGFR 遺伝子変異陽性肺腺がん、cT1bN0M1c、Stage IVB)
症例4 frail(食道がん、cT4bN2M0、StageIVA)
症例5 frail(直腸がん、T3N1aM1(肝)、StageIVA、中分化腺がん)
1)機能評価
2)診断・検査
3)機能評価の応用と結果に基づく目標設定
4)機能評価に基づく治療法の選択
1 意思決定支援
2 手術
[COLUMN] 外科での評価の実例
3 がん薬物療法の工夫
4 放射線療法
5)治療による悪化を防ぐアプローチ
1 栄養面
2 運動面(リハビリテーション)
3 心理・精神面
4 歯科口腔ケア
6)高齢者に多い併存疾患への対応
1 糖尿病
2 循環器疾患
3 腎臓病
4 呼吸器疾患
第3章 がんを抱えながら生きる高齢者への対応
1)QOL(quality of life)
1 栄養療法
2 運動療法
3 緩和ケア(痛み)
2)QOD(quality of death)
1 アドバンス・ケア・プランニング
2 NBM(narrative-based medicine)
3 介護保険制度・自治体の保健事業の利用
第4章 老年腫瘍学の教育・研修プログラムのあり方
第5章 老年腫瘍学領域における研究手法
1)高齢者を対象としたがんの臨床試験
2)実例紹介
付録
索引
1)疫学
1 病因
2 高齢者に多いがん、予後
2)症状
3)個人差
4)臓器・細胞レベル
1 細胞老化とがん化の関係
2 がんが及ぼす影響-悪液質
3 高齢者における薬物動態および感受性の変化
5)社会・経済的背景
第2章 高齢がん患者の主治医になったら?
[症例提示]
症例1 fit(卵巣がん、StageIII)
症例2 vulnerable/pre―frail(小細胞肺がん、cT3N2M0、StageIIIB、LD―Stage)
症例3 vulnerable/pre―frail(EGFR 遺伝子変異陽性肺腺がん、cT1bN0M1c、Stage IVB)
症例4 frail(食道がん、cT4bN2M0、StageIVA)
症例5 frail(直腸がん、T3N1aM1(肝)、StageIVA、中分化腺がん)
1)機能評価
2)診断・検査
3)機能評価の応用と結果に基づく目標設定
4)機能評価に基づく治療法の選択
1 意思決定支援
2 手術
[COLUMN] 外科での評価の実例
3 がん薬物療法の工夫
4 放射線療法
5)治療による悪化を防ぐアプローチ
1 栄養面
2 運動面(リハビリテーション)
3 心理・精神面
4 歯科口腔ケア
6)高齢者に多い併存疾患への対応
1 糖尿病
2 循環器疾患
3 腎臓病
4 呼吸器疾患
第3章 がんを抱えながら生きる高齢者への対応
1)QOL(quality of life)
1 栄養療法
2 運動療法
3 緩和ケア(痛み)
2)QOD(quality of death)
1 アドバンス・ケア・プランニング
2 NBM(narrative-based medicine)
3 介護保険制度・自治体の保健事業の利用
第4章 老年腫瘍学の教育・研修プログラムのあり方
第5章 老年腫瘍学領域における研究手法
1)高齢者を対象としたがんの臨床試験
2)実例紹介
付録
索引
わが国のがん患者に占める高齢者の割合は7割以上、がん死における高齢者の割合は8割以上であり、年々増加している。一方、臨床腫瘍学の高等教育、臨床現場の診療ガイドラインの多くは、健常成人を標準としており、患者の大半が高齢者であるという現実とのギャップが増す一方である。
老年医学は、高齢化が進行するわが国において、すべての医療者が学ぶべき重要な学問分野である。しかるに、老年医学講座を有する医学部・医科大学は多くなく、ここでも現実とのギャップが生じている。
本書は、そのような現実のなかで、老年腫瘍学を学ぼうとするすべての学生・医療者のためのテキストを目指し、老年科・腫瘍関連各科・支持医療などそれぞれの分野の専門家が協力して編集、執筆、原稿チェックに当たった。
本書は5章からなっている。第1章では、高齢がん患者の特徴、何が非高齢者と違うのかを細胞レベルから社会・経済学的背景まで記載し、第2章では、高齢がん患者の主治医として考慮すべき点を、機能評価、機能評価に基づく目標設定と治療法の選択、支持医療、併存疾患への対応にわたって記載した。第3章では、がんをもつ高齢者への対応を、QOL とQOD(qualityof death)の視点から記載し、第4章では教育研修制度、第5章では老年腫瘍学領域の研究手法について記載している。原稿は、高齢者がん診療ガイドライン作成委員、高齢者がん医療協議会(コンソーシアム)委員、関連学会の会員の協力により内容のチェックを受けた。
また本書では、老年医学と腫瘍学の間の用語の相違などにも配慮した。例えば「フレイル」という用語は、老年医学領域では加齢に伴う生理的予備能の低下によって心身機能障害に陥りやすい状態、すなわち要介護状態の前段階として位置づけられ、介入によって再び健常な状態に戻るという可逆性がある状態とされている。しかし、老年腫瘍学においては、積極的な治療介入が困難な治療にunfitな状態として使われる。本書では、老年腫瘍学におけるunfitの状態は「frail」と記載して、老年医学領域の「フレイル」と区別した。
本書により多くの学生、医療者が老年腫瘍学を理解し、わが国の高齢者がん医療がよりよいものとなることを期待している。
2023年1月
「よくわかる老年腫瘍学」編者代表
唐澤 久美子
杉本 研
老年医学は、高齢化が進行するわが国において、すべての医療者が学ぶべき重要な学問分野である。しかるに、老年医学講座を有する医学部・医科大学は多くなく、ここでも現実とのギャップが生じている。
本書は、そのような現実のなかで、老年腫瘍学を学ぼうとするすべての学生・医療者のためのテキストを目指し、老年科・腫瘍関連各科・支持医療などそれぞれの分野の専門家が協力して編集、執筆、原稿チェックに当たった。
本書は5章からなっている。第1章では、高齢がん患者の特徴、何が非高齢者と違うのかを細胞レベルから社会・経済学的背景まで記載し、第2章では、高齢がん患者の主治医として考慮すべき点を、機能評価、機能評価に基づく目標設定と治療法の選択、支持医療、併存疾患への対応にわたって記載した。第3章では、がんをもつ高齢者への対応を、QOL とQOD(qualityof death)の視点から記載し、第4章では教育研修制度、第5章では老年腫瘍学領域の研究手法について記載している。原稿は、高齢者がん診療ガイドライン作成委員、高齢者がん医療協議会(コンソーシアム)委員、関連学会の会員の協力により内容のチェックを受けた。
また本書では、老年医学と腫瘍学の間の用語の相違などにも配慮した。例えば「フレイル」という用語は、老年医学領域では加齢に伴う生理的予備能の低下によって心身機能障害に陥りやすい状態、すなわち要介護状態の前段階として位置づけられ、介入によって再び健常な状態に戻るという可逆性がある状態とされている。しかし、老年腫瘍学においては、積極的な治療介入が困難な治療にunfitな状態として使われる。本書では、老年腫瘍学におけるunfitの状態は「frail」と記載して、老年医学領域の「フレイル」と区別した。
本書により多くの学生、医療者が老年腫瘍学を理解し、わが国の高齢者がん医療がよりよいものとなることを期待している。
2023年1月
「よくわかる老年腫瘍学」編者代表
唐澤 久美子
杉本 研
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