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がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン 2017年版 第2版
緩和ケアに携わる医療者必携のガイドラインが6年ぶりに改訂!
編 集 | 日本緩和医療学会 ガイドライン統括委員会 |
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定 価 | 2,420円 (2,200円+税) |
発行日 | 2017/12/25 |
ISBN | 978-4-307-10187-5 |
B5判・176頁・図数:9枚
在庫状況 | あり |
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がん患者において頻度が高く難治性であることが多い消化器症状の緩和に関するガイドラインを6年ぶりに改訂。前版の推奨部分である悪心・嘔吐、悪性消化管閉塞については最新の文献レビューを行い、全面的に改訂した。前版では対象から除外していた、オピオイドが原因である悪心・嘔吐も今版では対象に含めている。その他、前版では「関連する特定の病態の治療」として概説するにとどめた悪性腹水と便秘、また頻度の高い食欲不振に関しても新たに臨床疑問を設定した。
I章 はじめに
1 ガイドライン作成の経緯と目的
1.2011年版ガイドライン作成の経緯
2.2017年版ガイドライン改訂の経緯
3.ガイドラインの目的
4.2017年版における主な改訂点
2 ガイドラインの使用上の注意
1.使用上の注意
2.構成とインストラクション
3.他の教育プログラムとの関係
3 推奨の強さとエビデンスレベル
1.エビデンスレベル
2.推奨の強さ
3.推奨の強さとエビデンスレベルの臨床的意味
4 用語の定義と概念
II章 背景知識
1 悪心・嘔吐の病態生理
1.大脳皮質からの入力
2.化学受容器引金帯からの入力
3.前庭器からの入力
4.末梢からの入力
2 悪心・嘔吐の原因
1.頻度
2.がん患者における悪心・嘔吐の原因
3 悪心・嘔吐の評価
1.悪心と嘔吐
2.悪心・嘔吐の尺度
4 身体所見と検査
1.問診
2.身体所見
3.検査所見
5 悪性腹水
1.定義
2.疫学
3.原因・分類
4.評価
5.治療
6 便秘
1.定義
2.疫学
3.原因・分類
4.評価
5.治療
7 食欲不振
1.定義
2.疫学
3.原因・分類
4.評価
5.治療
8 薬剤の解説
1.消化管運動改善薬
2.定型抗精神病薬
3.非定型抗精神病薬
4.抗コリン薬
5.ヒスタミンH1受容体拮抗薬
6.セロトニン5HT3受容体拮抗薬
7.コルチコステロイド
8.ミルタザピン
9.オクトレオチド
10.ヒスタミンH2受容体拮抗薬
11.プロトンポンプ阻害薬
12.利尿薬
13.浸透圧性下剤
14.大腸刺激性下剤
15.ルビプロストン
16.六君子湯
17.プロゲステロン製剤
III章 推奨
推奨の概要
1 悪心・嘔吐
1 制吐薬
2 制吐薬の選択
2 悪性消化管閉塞
1 消化管ドレナージ
2 薬物療法
3 悪性腹水
4 便秘
5 食欲不振
IV章 非薬物療法
1 看護ケア・非薬物療法
1 悪心・嘔吐
1. 看護ケア
2.非薬物療法
2 便秘
1.看護ケア
2.非薬物療法
3 腹水
1.看護ケア
2.非薬物療法
2 食事指導
1.予後への配慮
2.食欲不振のある場合の食事指導
3.食欲不振に悪心・嘔吐を伴う場合
4.食欲不振、悪心・嘔吐に消化管閉塞を伴う場合
5.心理社会的な介入
3 外科治療、内視鏡治療
1.外科治療
2.消化管閉塞に対する内視鏡による消化管ステント留置
V章 資料
1 作成過程
1.概要
2.臨床疑問の設定
3.系統的文献検索
4.エビデンスの評価
5.妥当性の検証
6.日本緩和医療学会の承認
7.ガイドライン作成者と利益相反
2 文献検索式
3 今後の検討課題
1.今回のガイドラインでは対応しなかったこと
2.用語の定義、背景知識、非薬物療法
3.推奨について、今後の検討や新たな研究の必要なこと
索引
1 ガイドライン作成の経緯と目的
1.2011年版ガイドライン作成の経緯
2.2017年版ガイドライン改訂の経緯
3.ガイドラインの目的
4.2017年版における主な改訂点
2 ガイドラインの使用上の注意
1.使用上の注意
2.構成とインストラクション
3.他の教育プログラムとの関係
3 推奨の強さとエビデンスレベル
1.エビデンスレベル
2.推奨の強さ
3.推奨の強さとエビデンスレベルの臨床的意味
4 用語の定義と概念
II章 背景知識
1 悪心・嘔吐の病態生理
1.大脳皮質からの入力
2.化学受容器引金帯からの入力
3.前庭器からの入力
4.末梢からの入力
2 悪心・嘔吐の原因
1.頻度
2.がん患者における悪心・嘔吐の原因
3 悪心・嘔吐の評価
1.悪心と嘔吐
2.悪心・嘔吐の尺度
4 身体所見と検査
1.問診
2.身体所見
3.検査所見
5 悪性腹水
1.定義
2.疫学
3.原因・分類
4.評価
5.治療
6 便秘
1.定義
2.疫学
3.原因・分類
4.評価
5.治療
7 食欲不振
1.定義
2.疫学
3.原因・分類
4.評価
5.治療
8 薬剤の解説
1.消化管運動改善薬
2.定型抗精神病薬
3.非定型抗精神病薬
4.抗コリン薬
5.ヒスタミンH1受容体拮抗薬
6.セロトニン5HT3受容体拮抗薬
7.コルチコステロイド
8.ミルタザピン
9.オクトレオチド
10.ヒスタミンH2受容体拮抗薬
11.プロトンポンプ阻害薬
12.利尿薬
13.浸透圧性下剤
14.大腸刺激性下剤
15.ルビプロストン
16.六君子湯
17.プロゲステロン製剤
III章 推奨
推奨の概要
1 悪心・嘔吐
1 制吐薬
2 制吐薬の選択
2 悪性消化管閉塞
1 消化管ドレナージ
2 薬物療法
3 悪性腹水
4 便秘
5 食欲不振
IV章 非薬物療法
1 看護ケア・非薬物療法
1 悪心・嘔吐
1. 看護ケア
2.非薬物療法
2 便秘
1.看護ケア
2.非薬物療法
3 腹水
1.看護ケア
2.非薬物療法
2 食事指導
1.予後への配慮
2.食欲不振のある場合の食事指導
3.食欲不振に悪心・嘔吐を伴う場合
4.食欲不振、悪心・嘔吐に消化管閉塞を伴う場合
5.心理社会的な介入
3 外科治療、内視鏡治療
1.外科治療
2.消化管閉塞に対する内視鏡による消化管ステント留置
V章 資料
1 作成過程
1.概要
2.臨床疑問の設定
3.系統的文献検索
4.エビデンスの評価
5.妥当性の検証
6.日本緩和医療学会の承認
7.ガイドライン作成者と利益相反
2 文献検索式
3 今後の検討課題
1.今回のガイドラインでは対応しなかったこと
2.用語の定義、背景知識、非薬物療法
3.推奨について、今後の検討や新たな研究の必要なこと
索引
発刊にあたって
がん患者においては、悪心・嘔吐などの消化器症状の発生頻度が高く、かつ難治性であることも多いため、その症状緩和は緩和ケアにおいて重要な位置を占めています。日本緩和医療学会では、2011年に、『がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン2011年版』を上梓しましたが、以来、緩和ケアの啓発・普及・進展と共に、消化器症状の緩和に関する新たな知見が数多く、報告されてきました。このため、2013年に「消化器症状ガイドライン改訂Working Practitioner Group(WPG)」が結成され、『がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン2017年版(第2版)』が、ここに上梓されることになりました。
本ガイドラインの目的は、すべてのがん患者の消化器症状(悪心・嘔吐、悪性消化管閉塞、腹水、便秘、食欲不振)を改善し、その生活の質(quality of life;QOL)を向上させるために現時点で考えられる消化器症状の緩和に関する標準的治療法をすべて示すことにあります。
読者は、がん患者の診療・ケアに携わる医師、看護師、薬剤師など、すべての医療従事者を想定しています。
本ガイドラインの構成は、evidence-based medicine(EBM)の考え方に基づき、『Minds 診療ガイドライン作成の手引き2014』に沿って作成され、最新の文献を十分に検討したうえで、体系化されています。
主な改訂点は、(1)悪心・嘔吐、悪性消化管閉塞について、薬剤の追加を含めて臨床疑問の内容を見直し、新たに最新の文献レビューを行い、全面的に改訂、(2)2011年版で除外していたオピオイドが原因である悪心・嘔吐も含めた、(3)「悪性腹水」「便秘」の各項と頻度の高い「食欲不振」について最新の文献レビューを行い、新たに追加した、(4)『Minds 診療ガイドライン作成の手引き2014』に基づき、エビデンスレベルをこれまでの3段階〔A(強い)、B(弱い)、C(とても弱い)〕から、4段階〔A(強い)、B(中程度)、C(弱い)、D(とても弱い)〕の表記に変更、(5)II章 背景知識「薬剤の解説」の項は、最新の情報を含めて改訂、(6)II章 背景知識に「悪性腹水」「便秘」「食欲不振」の各項を新たに追加、(7)IV章 非薬物療法の「看護ケア・非薬物療法」「食事指導」について改訂、(8)作成過程において、診療ガイドライン作成に精通した外部委員や患者会代表者に参画していただき、意見を反映して、実際の臨床現場で役立つものになるよう配慮し工夫、などです。
本ガイドライン作成にあたり、多大なご尽力をいただいた外部委員、患者会の代表者、そして「消化器症状ガイドライン改訂WPG」員の諸先生方のご努力に対し、この場を借りて感謝の意を表すとともに、このガイドラインが緩和ケアの臨床現場で大いに役立ち、多くの消化器症状に苦しむがん患者さんのつらさの軽減に役立つことを祈念して、序文とさせていただきます。
2017年11月
特定非営利活動法人 日本緩和医療学会
理事長 細川 豊史
がん患者においては、悪心・嘔吐などの消化器症状の発生頻度が高く、かつ難治性であることも多いため、その症状緩和は緩和ケアにおいて重要な位置を占めています。日本緩和医療学会では、2011年に、『がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン2011年版』を上梓しましたが、以来、緩和ケアの啓発・普及・進展と共に、消化器症状の緩和に関する新たな知見が数多く、報告されてきました。このため、2013年に「消化器症状ガイドライン改訂Working Practitioner Group(WPG)」が結成され、『がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン2017年版(第2版)』が、ここに上梓されることになりました。
本ガイドラインの目的は、すべてのがん患者の消化器症状(悪心・嘔吐、悪性消化管閉塞、腹水、便秘、食欲不振)を改善し、その生活の質(quality of life;QOL)を向上させるために現時点で考えられる消化器症状の緩和に関する標準的治療法をすべて示すことにあります。
読者は、がん患者の診療・ケアに携わる医師、看護師、薬剤師など、すべての医療従事者を想定しています。
本ガイドラインの構成は、evidence-based medicine(EBM)の考え方に基づき、『Minds 診療ガイドライン作成の手引き2014』に沿って作成され、最新の文献を十分に検討したうえで、体系化されています。
主な改訂点は、(1)悪心・嘔吐、悪性消化管閉塞について、薬剤の追加を含めて臨床疑問の内容を見直し、新たに最新の文献レビューを行い、全面的に改訂、(2)2011年版で除外していたオピオイドが原因である悪心・嘔吐も含めた、(3)「悪性腹水」「便秘」の各項と頻度の高い「食欲不振」について最新の文献レビューを行い、新たに追加した、(4)『Minds 診療ガイドライン作成の手引き2014』に基づき、エビデンスレベルをこれまでの3段階〔A(強い)、B(弱い)、C(とても弱い)〕から、4段階〔A(強い)、B(中程度)、C(弱い)、D(とても弱い)〕の表記に変更、(5)II章 背景知識「薬剤の解説」の項は、最新の情報を含めて改訂、(6)II章 背景知識に「悪性腹水」「便秘」「食欲不振」の各項を新たに追加、(7)IV章 非薬物療法の「看護ケア・非薬物療法」「食事指導」について改訂、(8)作成過程において、診療ガイドライン作成に精通した外部委員や患者会代表者に参画していただき、意見を反映して、実際の臨床現場で役立つものになるよう配慮し工夫、などです。
本ガイドライン作成にあたり、多大なご尽力をいただいた外部委員、患者会の代表者、そして「消化器症状ガイドライン改訂WPG」員の諸先生方のご努力に対し、この場を借りて感謝の意を表すとともに、このガイドラインが緩和ケアの臨床現場で大いに役立ち、多くの消化器症状に苦しむがん患者さんのつらさの軽減に役立つことを祈念して、序文とさせていただきます。
2017年11月
特定非営利活動法人 日本緩和医療学会
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