チーム医療のための ESDマニュアル

必読、必見!医師・技師・看護師のチーム医療としてのESDに、待望のマニュアル登場!

編 集 近畿内視鏡治療研究会
定 価 5,940円
(5,400円+税)
発行日 2013/10/10
ISBN 978-4-307-10161-5

B5判・272頁・図数:9枚・カラー図数:236枚

在庫状況 あり

ESD治療に携わる医師、技師、看護師のためのチーム医療マニュアル。基礎から実践まで知っておくべき知識、身につけるべき技術を詳細解説。付録DVDには神戸大学・豊永高史准教授をはじめ、エキスパート6名によるESDライブを約5時間収載。編者の近畿内視鏡治療研究会は創立10周年を迎え、創立時から消化器内視鏡治療技術の研鑽に熱心に取り組み、多くの名内視鏡医を擁するに至った。内視鏡治療の次の時代へ向けた、集大成の1冊。


 近年、消化器内視鏡による診断・治療技術の進歩には目を見張るものがあり、その普及はめざましい。しかし、その一方で消化器内視鏡関連の偶発症の報告は後を絶たず、特に難易度の高い内視鏡治療による重篤な合併症も報告されている。
 2006年3月に保険認可された内視鏡的粘膜下層剥離法(ESD;Endoscopic Submucosal Dissection)は従来の内視鏡治療法に比較して手技的難易度は高いものの、その優れた治療成績より注目されている。各種学会・研究会では、ESD関連のセッションはいつも満員御礼であり、その注目の高さが窺い知れる。ESDが対象とする消化管は胃から食道、大腸へと広がりをみせ、ESDを導入する施設も年々増える一方で、その導入から治療手技まで多くの問題点も指摘されている。
 我々は2003年11月より、消化管内視鏡治療に関する手技やその治療成績を発表・討議すると共に、先端医療の情報を交換し、消化管内視鏡治療の発展と普及をはかることを目的として、近畿内視鏡治療研究会を立ち上げ、今日では50回を越える研究会を開催してきた。ESDの手技的なことはもちろん、ESDにおける教育、インフォ−ムドコンセント、コメディカルとの連携など、チ−ム医療としてのESDをあらゆる角度から討議してきた。
 本書では、研究会の集大成とでも言うべき豊富な内容を盛り込んだ。病変の発見から術前診断、ESDの導入から準備、治療手技、治療介助、合併症対策、術後管理など、ESDに関するト−タルマネ−ジメントを解説し、さらにチ−ム医療として医師(指導医、レジデント、研修医)およびコ・メディカル(看護師、内視鏡技師)など各立場からの視点に基づいた解説を行った。
(『序』より)
I章 総論
セクション1 消化管早期癌に対する内視鏡治療の背景と歴史
 1−1 内視鏡治療の歴史
 1−2 近年の内視鏡治療
セクション2 内視鏡的治療の適応
 2−1 食道表在癌
 2−2 早期胃癌
 2−3 大腸腫瘍(早期大腸癌および大腸腺腫)
セクション3 術前内視鏡診断
 3−1 画像強調内視鏡
 3−2 食道表在癌
 3−3 早期胃癌
 3−4 大腸癌
セクション4 インフォ−ムド・コンセントと倫理的配慮
 4−1 インフォ−ムド・コンセント
 4−2 倫理的配慮
セクション5 チ−ム医療としてのESD―スタッフの配置と役割―
 5−1 術前オリエンテ−ションにおけるコ・メディカルの関わり
 5−2 臨床工学技士による高周波手術装置の出力調節
 5−3 処置の介助
セクション6 トレ−ニングシステム―ESDの安全確実な普及を目指して―
 6−1 ESDを始めるにあたって─チ−ム作りの必要性─
 6−2 近畿内視鏡治療研究会の立ち上げ
 6−3 ライブデモンストレ−ションセミナ−への参加
 6−4 ESDハンズオンセミナ−への参加
 6−5 神戸消化器内視鏡機器開発・教育センタ−の設立
 6−6 今後の課題

II章 各論
セクション1 内視鏡システムの原理と構成―ビデオスコ−プの種類と選択のポイント―
 1−1 臓器別の使い分け
 1−2 マルチベンディングスコ−プ(Mスコ−プ)
 1−3 前方送水装置
セクション2 各使用デバイスの用途と特徴
 2−1 Needle Knife
 2−2 IT Knife・IT Knife 2
 2−3 Flush Knife・Flush Knife BT
 2−4 Hook Knife
 2−5 Flex Knife・Dual Knife
 2−6 Triangle−tip Knife(三角ナイフ)
 2−7 B Knife(バイポ−ラ針状ナイフ)
 2−8 Mucosectome
 2−9 その他のデバイス
 2−10 アタッチメント
セクション3 高周波発生装置の原理と設定
 3−1 原理
 3−2 高周波デバイスと切除部位に最適な出力構築のノウハウ
 3−3 ERBE社製:ICCとVIOの特徴と違い
 3−4 オリンパス社製:ESG−100
 3−5 オリンパス社製:PSD−60
セクション4 ESDに必要な解剖学
 4−1 消化管の一般的な構造
 4−2 食道
 4−3 胃
 4−4 大腸
セクション5 ESDの実際
 5−1 入院前
 5−2 病棟におけるESD患者の準備(治療前日)
 5−3 内視鏡室における物品の準備と前処置
 5−4 治療中のモニタリング
 5−5 ESDの手技
 5−6 偶発症対策
 5−7 ESD終了(デ−タベ−ス作成・入力と解析)
 5−8 切除標本の取り扱い
 5−9 病棟申し送り
 5−10 術後管理
 5−11 退院