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終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン2013年版
緩和ケアに携わる医療者必携! 緩和医療ガイドラインの第5弾!
編 集 | 日本緩和医療学会緩和医療ガイドライン委員会 |
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定 価 | 2,640円 (2,400円+税) |
発行日 | 2013/01/31 |
ISBN | 978-4-307-10159-2 |
B5判・192頁・図数:14枚
在庫状況 | あり |
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生命予後1カ月以内と考えられる終末期がん患者を対象とした輸液療法に関するガイドライン。経口摂取の減少は終末期に高率にみられる症状だが、水分・栄養補給の施行は医師や施設間で大きな差があるのが現状である。本書は、栄養療法の基礎から悪液質の最新の話題までを学べる「背景知識」、腹水・せん妄などの症状別に推奨する輸液量・カロリーを記載し、また精神面・生活面における適切なケアの方法を提示した「推奨」、さらに輸液療法の「倫理的問題」「法的問題」に対する考え方までを示した一冊となった。
『序』より
本ガイドラインでは、生命予後1 カ月以内と考えられる終末期がん患者を対象とした輸液療法を中心に取り扱っています。しかし終末期における輸液療法は、医療従事者、患者・家族、双方の価値観や心情的側面に大きく左右される部分があり、未だ施設間・地域間格差が大きな治療法です。この点も踏まえ、この改訂版には、「背景知識」の項が加筆されています。ガイドライン作成過程においては、臨床疑問を設定する、文献を吟味する、エビデンスに基づいた推奨を導出する、などが大きな原則です。しかし緩和医療においては、大規模なRCT が実施しにくいなどの特有の事情があり、加えて悪液質を含む終末期がん患者の複雑多岐な病態は、まだまだ解明途上で結論には至っておりません。そこで、「背景知識」の項では、ガイドラインを読み解くための基礎的な知識を得ていただくとともに、そういった意見百出の最新の話題にも触れられるように構成されています。さらに、「倫理的問題」や「法的問題」の項では、輸液の継続・中止に関する本学会の立場が明確に示されています。この項も非常に重要ですので、ぜひご一読ください。
ガイドライン作成のための“作成・作業部会” は、多職種の専門家である委員により構成され、その答申をデルファイ法に従い計4 回にわたり妥当性の評価を行い、最後にAGREE 評価を受けることにより、ここに完成いたしました。
『序』より
本ガイドラインでは、生命予後1 カ月以内と考えられる終末期がん患者を対象とした輸液療法を中心に取り扱っています。しかし終末期における輸液療法は、医療従事者、患者・家族、双方の価値観や心情的側面に大きく左右される部分があり、未だ施設間・地域間格差が大きな治療法です。この点も踏まえ、この改訂版には、「背景知識」の項が加筆されています。ガイドライン作成過程においては、臨床疑問を設定する、文献を吟味する、エビデンスに基づいた推奨を導出する、などが大きな原則です。しかし緩和医療においては、大規模なRCT が実施しにくいなどの特有の事情があり、加えて悪液質を含む終末期がん患者の複雑多岐な病態は、まだまだ解明途上で結論には至っておりません。そこで、「背景知識」の項では、ガイドラインを読み解くための基礎的な知識を得ていただくとともに、そういった意見百出の最新の話題にも触れられるように構成されています。さらに、「倫理的問題」や「法的問題」の項では、輸液の継続・中止に関する本学会の立場が明確に示されています。この項も非常に重要ですので、ぜひご一読ください。
ガイドライン作成のための“作成・作業部会” は、多職種の専門家である委員により構成され、その答申をデルファイ法に従い計4 回にわたり妥当性の評価を行い、最後にAGREE 評価を受けることにより、ここに完成いたしました。
I章 はじめに
1.ガイドライン作成の経緯と目的
2.ガイドラインの使用上の注意
1.対象患者
2.効果の指標
3.使用者
4.個別性の尊重
5.定期的な改訂の必要性
6.責 任
7.利益相反
8.構成
3.推奨の強さとエビデンスレベル
1.エビデンスレベル
2.推奨の強さ
3. 推奨の強さとエビデンスレベルの臨床的意味
4.用語の定義
II章 背景知識
1.輸液とは
1.輸液の定義
2.輸液の種類と適応
3.輸液の禁忌
2.輸液剤
1.輸液の種類
2.補充輸液剤と維持輸液剤
補充輸液剤
維持輸液剤
3.輸液の生理作用
1.生体内水分量とその分布
2.体液分布と電解質
3.輸液の種類と再分配
4.輸液による栄養療法の基本
1.栄養状態とは
2.栄養障害とその種類
3.栄養評価法
主観的栄養評価法
客観的栄養評価法
4.栄養管理のプランニング
栄養管理法の選択
栄養投与成分の決定
水・電解質投与量の決定
必要エネルギー量の決定
蛋白(アミノ酸)投与量の決定
脂肪投与量の決定
糖質投与量の決定
微量栄養素の効果と投与量
5.輸液に伴う合併症
1.高血糖
2.低血糖
3.肝内胆汁うっ滞
4.アミノ酸代謝異常
5.必須脂肪酸欠乏症
6.乳酸アシド−シス
7.微量元素欠乏症
8.昏 睡
9.電解質異常
6.在宅経静脈栄養
1.在宅経静脈栄養の適応と禁忌
2.在宅経静脈栄養実施の体制づくり
入院中の体制づくり
在宅療養の体制づくり
外来での管理・フォロ−アップ
3.合併症とその対処方法/患者・家族教育
4.輸液剤の調製・供給
5.輸液管理と実施
カテ−テルの選択と留置法
在宅用輸液システムと必要な器具
輸液システム管理の実際
7.皮下輸液法
1.皮下輸液の適応
2.皮下輸液の方法
3.皮下輸液による補液の利点
4.皮下輸液による補液の欠点
5.皮下輸液の実施法
6.皮下投与が可能な薬剤
7.皮下投与が不可である薬剤
8.皮下輸液剤の選択
8.がん患者の栄養状態の特徴
1.がん自体の病態に基づく栄養障害
2. 不適切な栄養管理による栄養障害(医原性栄養障害)
9.がん悪液質の概念と最近の動向
1.悪液質の定義
2.悪液質発生の機序
3.がん患者に対する栄養管理の原則
栄養補給ル−ト
エネルギ−投与量
終末期における輸液管理
4.代謝制御・栄養管理の実際
非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
コルチコステロイド
抗サイトカイン療法
エイコサペンタエン酸(EPA)
分岐鎖アミノ酸(BCAA),L−カルニチン,CoQ10
消化管運動亢進薬
運動療法
栄養指導・栄養教育 050
チ−ム医療と集学的アプロ−チ 050
その他の治療
10.精神面・生活への影響
1.意思決定に関して
患者・家族・医療者間における認識と情報の共有
心理的苦痛への支援
2.実施に関して
11.倫理的問題
1.基本的な考え方
2.一般的な倫理原則および行動規範
3.意思決定のプロセス
4.倫理的意思決定の問題点
5.特に輸液に関する問題
III章 推奨
■概念的枠組みと全般的な推奨
1.身体的苦痛・生命予後
1.身体的苦痛
2.生命予後
2.精神面・生活への影響
3.倫理的問題
IV章 法的問題
1.本ガイドライン委員会の考え方
2.臨床疑問に対する基本的な考え方
3.法的問題に関する解説
1.死を招く行為に関する法的な考え方
2.本人や家族の意思の位置付け
本人の意思
家族の意思
3.先 例
V章 資料
1.作成過程
概要
臨床疑問の設定
系統的文献検索
妥当性の検証
緩和医療学会の承認
2.文献検索式
3.海外他機関によるガイドラインの要約
3.今後の検討課題
索引
1.ガイドライン作成の経緯と目的
2.ガイドラインの使用上の注意
1.対象患者
2.効果の指標
3.使用者
4.個別性の尊重
5.定期的な改訂の必要性
6.責 任
7.利益相反
8.構成
3.推奨の強さとエビデンスレベル
1.エビデンスレベル
2.推奨の強さ
3. 推奨の強さとエビデンスレベルの臨床的意味
4.用語の定義
II章 背景知識
1.輸液とは
1.輸液の定義
2.輸液の種類と適応
3.輸液の禁忌
2.輸液剤
1.輸液の種類
2.補充輸液剤と維持輸液剤
補充輸液剤
維持輸液剤
3.輸液の生理作用
1.生体内水分量とその分布
2.体液分布と電解質
3.輸液の種類と再分配
4.輸液による栄養療法の基本
1.栄養状態とは
2.栄養障害とその種類
3.栄養評価法
主観的栄養評価法
客観的栄養評価法
4.栄養管理のプランニング
栄養管理法の選択
栄養投与成分の決定
水・電解質投与量の決定
必要エネルギー量の決定
蛋白(アミノ酸)投与量の決定
脂肪投与量の決定
糖質投与量の決定
微量栄養素の効果と投与量
5.輸液に伴う合併症
1.高血糖
2.低血糖
3.肝内胆汁うっ滞
4.アミノ酸代謝異常
5.必須脂肪酸欠乏症
6.乳酸アシド−シス
7.微量元素欠乏症
8.昏 睡
9.電解質異常
6.在宅経静脈栄養
1.在宅経静脈栄養の適応と禁忌
2.在宅経静脈栄養実施の体制づくり
入院中の体制づくり
在宅療養の体制づくり
外来での管理・フォロ−アップ
3.合併症とその対処方法/患者・家族教育
4.輸液剤の調製・供給
5.輸液管理と実施
カテ−テルの選択と留置法
在宅用輸液システムと必要な器具
輸液システム管理の実際
7.皮下輸液法
1.皮下輸液の適応
2.皮下輸液の方法
3.皮下輸液による補液の利点
4.皮下輸液による補液の欠点
5.皮下輸液の実施法
6.皮下投与が可能な薬剤
7.皮下投与が不可である薬剤
8.皮下輸液剤の選択
8.がん患者の栄養状態の特徴
1.がん自体の病態に基づく栄養障害
2. 不適切な栄養管理による栄養障害(医原性栄養障害)
9.がん悪液質の概念と最近の動向
1.悪液質の定義
2.悪液質発生の機序
3.がん患者に対する栄養管理の原則
栄養補給ル−ト
エネルギ−投与量
終末期における輸液管理
4.代謝制御・栄養管理の実際
非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
コルチコステロイド
抗サイトカイン療法
エイコサペンタエン酸(EPA)
分岐鎖アミノ酸(BCAA),L−カルニチン,CoQ10
消化管運動亢進薬
運動療法
栄養指導・栄養教育 050
チ−ム医療と集学的アプロ−チ 050
その他の治療
10.精神面・生活への影響
1.意思決定に関して
患者・家族・医療者間における認識と情報の共有
心理的苦痛への支援
2.実施に関して
11.倫理的問題
1.基本的な考え方
2.一般的な倫理原則および行動規範
3.意思決定のプロセス
4.倫理的意思決定の問題点
5.特に輸液に関する問題
III章 推奨
■概念的枠組みと全般的な推奨
1.身体的苦痛・生命予後
1.身体的苦痛
2.生命予後
2.精神面・生活への影響
3.倫理的問題
IV章 法的問題
1.本ガイドライン委員会の考え方
2.臨床疑問に対する基本的な考え方
3.法的問題に関する解説
1.死を招く行為に関する法的な考え方
2.本人や家族の意思の位置付け
本人の意思
家族の意思
3.先 例
V章 資料
1.作成過程
概要
臨床疑問の設定
系統的文献検索
妥当性の検証
緩和医療学会の承認
2.文献検索式
3.海外他機関によるガイドラインの要約
3.今後の検討課題
索引