食道がん標準化学療法の実際 病院から地域へ広がるチーム医療の展開と実践

チーム医療を重視した食道がん化学療法、放射線療法の実践書!

編 集 桑野 博行
定 価 3,520円
(3,200円+税)
発行日 2010/03/31
ISBN 978-4-307-10147-9

B5判・124頁

在庫状況 なし

食道がんは手術の他、化学療法・放射線療法も有効なことが多く、それが治療法を簡単に選択することを困難にしている。本書は、可能な限り客観的な指針を示すように努め、食道がんの化学療法・化学放射線療法について、レジメンから副作用対策までを具体的に解説した。また、食道がんの難治性を考慮してチーム医療に重点を置き、患者教育、薬剤管理、地域連携、栄養指導、緩和ケアなど、コメディカルスタッフにも有用な内容とした。
1.食道がんの診断と治療
 1 食道がんの疫学
 2 食道がんの病因
 3 食道がんの臨床症状
 4 食道がんの診断
 5 食道がんの治療
 6 食道がんの予後

2.食道がん化学療法を行うにあたって−最近の臨床試験や治療成績について
 1.全身化学療法    
  1 対象と標準的治療
  2 シスプラチン(CDDP)+5−フルオロウラシル(5−FU)療法
  3 その他のプラチナ製剤+フッ化ピリミジン系薬剤の組み合わせ
  4 タキサン系抗がん剤、3剤併用療法
  5 その他の有望な全身化学療法
  6 分子標的治療薬の可能性
  7 全身化学療法に対する今後の期待と展望
 2.根治的化学放射線療法
  1 わが国の根治的化学放射線療法の置かれている状況
  2 欧米の臨床試験
  3 最近のわが国の臨床成績
  4 化学放射線療法の有害事象
  5 化学放射線療法の遺残・再発例に対する救済治療
  6 新たな化学放射線療法の工夫
 3.術前化学療法および術前化学放射線療法
  1 術前化学療法
  2 術前化学放射線療法
 4.術後化学療法および術後化学放射線療法    
  1 術後化学療法
  2 術後化学放射線療法
 5.放射線腫瘍医の立場から
  1 海外での臨床試験
  2 わが国の臨床試験
  3 導入化学療法の功罪
  4 少量持続と短期大量投与法の比較

3.食道がん化学療法の患者教育と看護
 1.化学療法導入時の患者指導
  1 病状説明のタイミング
  2 がんの告知
  3 食道がんの進行度と治療法
  4 ICの際に伝える内容
  5 セカンドラインと外来化学療法
  6 予後の説明
  7 化学療法の説明内容
  8 悪い知らせの伝え方
 2.外来化学療法センターの実際
  1 実施の流れ
  2 スタッフ教育
  3 医療事故対策
 3.外来化学療法の注意点
  1 外来化学療法センターにおける患者教育
  2 外来における即時型副作用への対策
  3 外来における遅延性副作用への対策
 4.化学療法における薬剤師の役割
  1 化学療法プロトコールの評価と処方チェック
  2 患者への服薬指導
  3 抗がん剤調製の流れと医療従事者の安全を守るための対策
  4 抗がん剤ごとの注意するポイント
  5 患者の精神的ケア
 5.地域連携の重要性
  1 地域連携システムづくり
  2 がん患者の退院調整に関係する制度(診療報酬にバックアップされてる資源)
 6.専門看護師および専門医師の役割
  1 食道がん化学療法におけるチーム医療の重要性

4.化学療法レジメンの実際
 1 術前化学療法、術後化学療法
 2 化学放射線療法(CRT)
 3 化学療法単独
 4 国立がんセンター東病院での化学療法の実際

5.化学療法の合併症と副作用対策
 1 食道がんに対して有効な薬剤
 2 食道がん治療に用いられる主な薬剤の特徴と有害事象
 3 今後、食道がん治療に導入される可能性の高い薬剤
 4 有害事象への対策
 5 抗がん剤漏出に対する対応
 6 抗がん剤過量投与時の対応

6.食道がん患者の緩和医療
 1.緩和ケアと疼痛管理
  1 進行食道がんの症状と緩和治療
  2 食道がん患者の疼痛管理
 2.在宅栄養管理の実際
  1 在宅経腸栄養療法HEN(home enteral nutrition)
  2 在宅中心静脈栄養療法HPN(home parenteral nutrition)
索引