胆道がん標準化学療法の実際 ガイドラインに基づいた実践のために

胆道がんの化学療法をより安全に、より効果的に実施するためのガイドブック!!

編 集 古瀬 純司
定 価 3,080円
(2,800円+税)
発行日 2008/11/10
ISBN 978-4-307-10142-4

B5判・90頁・図数:90枚

在庫状況 なし


2007年、胆道癌診療ガイドラインが作成され、化学療法の位置づけもはっきりしてきました。胆道がんでは標準治療の基礎となるエビデンスはそれほど多くありませんが、少ないエビデンスでも一定の指針が示されたことは一般臨床で大きな支えになります。胆道癌診療ガイドラインでは、化学療法について 1) 切除不能胆道がんに化学療法は有効か?、2) 切除不能胆道癌に有効な化学療法は何か?、 3) 術後補助化学療法を行うことは推奨されるか?の3つのquestionが出されています。術後補助化学療法については推奨できるレジメンはなく、臨床試験で実施することとされています。一方、切除不能胆道がんについては全身状態の良好な場合、ゲムシタビンまたはTS-1による化学療法が推奨されています。では実際にどのように化学療法を行うのか?胆道がん化学療法は、他の固形がんと違い、使える薬は少ないものの、治療前後の管理に多くの難しさがあります。診断から化学療法実施までの手順、黄疸例やドレナージ施行例での注意、実際の投与法、副作用対策など、実践での参考となるガイドブックが必要です。
今回、胆道がんも化学療法をより安全により効果的に実施することを目的として本書を作成しました。本書が胆道がん治療に携わっておられる多くの方の参考となれば、本書の作成にかかわった全員の望外の喜びです。

(序より一部抜粋)


1 胆道がんの基礎知識と治療法
 1. 臨床と診断
  1 胆道がんにおける化学療法とは
  2 胆道がんの診断アルゴリズム
  3 リスクファクター
  4 臨床症状
  5 血液生化学検査
  6 腫瘍マーカー
  7 腹部超音波検査
  8 腹部CT検査
  9 MRI、MRCP、胆道直接造影、EUS、PTCS、POCS
 2. 予後・予後因子
  1 胆道がんの死亡数
  2 胆道がんの予後が不良ある理由
  3 胆道がん患者の生存期間
  4 全身化学療法の予後
  5 予後因子の重要性
  6 胆道がんの予後因子

2 切除不能胆道がんに対する化学療法のエビデンス
 1. 化学療法のメリット
 2. 最近の臨床試験による治療成績
  1 切除不能胆道がんに対する化学療法
  2 術後補助療法

3 化学療法の適応と禁忌
  1 適応
  2 禁忌

4 化学療法実施までの実際
  1 確定診断までの手順
  2 閉塞性黄疸への対応

5 レジメンの実際と実施
 1. 胆道がんに用いられる抗がん剤
  1 胆道がんに用いられる抗がん剤
  2 各論
 2. 化学療法のレジメン
  1 ゲムシタビン保険承認以前のレジメン
  2 ゲムシタビン登場後のレジメン

6 化学療法の継続
 1. 投与の中止・延期
  1 休薬・投与の延期について
  2 減量について
  3 中止基準について
  4 化学療法自体の適応があるか?
 2. 合併症とその管理
  1 ステント再閉塞
  2 逆行性胆管炎
  3 区域性胆管炎
  4 肝膿瘍
  5 胆嚢炎
 3. 有害事象とその対策
  1 発熱性好中球減少
  2 血小板輸血
  3 悪心・嘔吐
  4 下痢
  5 口腔粘膜炎・口内炎

7 胆道がん化学療法の患者教育と看護
 1. 治療開始時の指導
  1 ドレナージの管理と患者指導
  2 化学療法開始時の指導
 2. 外来治療の注意点 [1] 医師から
  1 外来化学療法までの過程
  2 外来化学療法の一般的注意
  3 胆道がん化学療法の注意
 3. 外来治療の注意点 [2] 看護師から
  1 通院治療へ
  2 通院治療中に注意する副作用
  3 患者指導のポイント
 4. 外来治療の注意点 [3] 薬剤師から
  1 投与前のレジメンチェック
  2 投与当日のベッドサイドでの服薬指導

8 胆道がん化学療法のコスト
  1 胆道がん化学療法までの主な手順と保険請求
  2 抗がん剤の薬価
  3 医療保険精度