膵がん標準化学療法の実際 エビデンスに基づく治療と連携医療の重要性

必読、患者さんによりよい治療と環境を提供するために!!

編 集 奥坂 拓志
定 価 3,850円
(3,500円+税)
発行日 2008/07/31
ISBN 978-4-307-10141-7

B5判・124頁・図数:40枚

在庫状況 なし

1. 「科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン」(金原出版)に準拠して、膵がん化学療法の標準治療について理解していただけるよう細心の注意を払うとともに、今後の膵がん治療に影響を与える可能性がある新しい研究についても紹介した。

2. 抗がん剤の投与方法やレジメン、副作用対策など、読者の皆様に臨床現場ですぐに利用していただける具体的な情報をなるべく多く、そしてなるべくわかりやすく示した。

3. 本書では通常型膵がん(浸潤性膵管がん)を中心にまとめたが、情報の不足しがちな膵内分泌がんに対する化学療法についても1章を設けて詳述した。

4. 患者教育と医療連携について取り上げ、患者さんによりよい治療と環境を提供するための各職種の立場からの取り組みや編者らが実践している膵がん教室について紹介した。

■1 膵がんに対する化学療法のエビデンス
 1. 膵がんの進行度と治療法の選択
 2. 切除例に対する非手術療法(補助療法)
 3. 切除不能局所進行例に対する治療法
 4. 切除不能進行例(主に遠隔転移例)に対する治療法

■2 化学療法レジメンの実際
 1. 日本における化学療法の現状
 2. 化学療法の適応
 3. ゲムシタビン
 4. TS-1
 5. ゲムシタビンとTS-1の併用療法(GS療法)
 6. ゲムシタビンとエルロチニブの併用療法

■3 膵がん化学療法を行うにあたって
 1. 腫瘍生検
  1. エコーガイド下経皮膵腫瘍針生検の実際
  2. 正診率
  3. 合併症
 2. 調剤・薬剤管理
  1. GEMのレジメン管理
  2. GEMの取り扱い
  3. GEMの調製
  4. TS-1の投与管理
  5. TS-1の取り扱い
  6. TS-1の調剤の実際
 3. 外来化学療法
  1. 国立がんセンター中央病院における外来化学療法の体制
  2. 膵がんと外来化学療法
 4. 補助化学療法
    ゲムシタビン単剤による補助化学療法

■4 膵がんの合併症管理/化学療法の副作用対策
 1. 黄疸・肝機能障害と抗がん剤
  1. 閉塞性黄疸
  2. 減黄治療
  3. 肝炎ウイルス陽性患者における抗がん剤治療
  4. 黄疸・肝機能障害時のゲムシタビンまたはTS-1の開始基準
  5. ゲムシタビン投与による肝機能障害
  6. TS-1による肝機能障害
 2. 消化器症状
  1. 嘔気・嘔吐
  2. 食欲不振
  3. 下痢
  4. 腸閉塞
 3. 間質性肺炎
  1. 発症時の症状・身体所見
  2. 診断に必要となる検査
  3. 治療
  4. 危険因子
  5. 各薬剤における特徴
 4. 皮疹
  1. ゲムシタビン(GEM)
  2. TS-1
  3. エルロチニブ(Erlotinib)
 5. 膵がんの疼痛マネジメント
  1. 膵がんの痛みの性質
  2. 痛みの治療の基本
  3. オピオイドローテーション
  4. 非薬物療法

■5 化学放射線療法の実際
 1. Radiation oncologistの立場から
  1. 放射線療法の目的・適応
  2. 切除不能局所進行膵がんに対する化学放射線療法
  3. 化学放射線療法の有害反応・有害事象
  4. 化学放射線療法の展望
 2. Medical oncologistの立場から
  1. 化学放射線療法の現状
  2. 5-FU併用放射線療法
  3. ゲムシタビン併用放射線療法
  4. TS-1併用放射線療法
  5. その他の化学放射線療法
  6. 化学放射線療法の副作用
  7. 局所進行膵がんに対する全身化学療法
 
■6 膵内分泌がんに対する化学療法のエビデンスと実際
 1. 膵内分泌がんについて
 2. 膵内分泌がんに対する全身化学療法の現状
 3. 膵内分泌がんに対して用いられる抗がん剤以外の主な薬物療法
 4. 膵内分泌がんに対する新薬の開発状況

■7 患者教育と医療連携
 1. 膵がん化学療法における医療連携の重要性
  1. なぜ、医療連携が必要なのか
  2. よりよい医療連携を構築するために必要なこと
 2. ソーシャルワーカーの役割
  1. 医療連携におけるソーシャルワーカーの役割
  2. 『膵がん教室』の開催
 3. 薬剤師の役割
  1. 薬剤管理指導の実際
  2. 薬薬連携に向けて
 4. 膵がん患者に対する看護師の役割
  1. 膵がんの化学療法と患者指導
  2. 膵がんに伴う主な症状に対する看護と患者指導
  3. 外来への継続看護
  4. 緩和医療に向けての援助
 5. 管理栄養士の役割 … 化学療法中の食事を中心に
  1. 対象患者の栄養状態の推移について注意深く観察をする
  2. 栄養状態の推移について治療計画と合わせてデザイン決定する
  3. 治療によって起こる可能性の消化器症状とその対応について十分説明をする
  4. 膵臓負担軽減の食事のポイント
 6. 在宅医の役割
  1. わたクリニックのがん患者
  2. 在宅医との連携
  3. 外来化学療法中の連携と在宅医の役割
  4. 化学療法終了または中止後の在宅医の役割